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#ジャズ

ジャズとクラシックの100年【第4回】 1960-70年代:[中編]ジャズでもクラシックでもある音楽

ジャズとクラシックの100年【第4回】 1960-70年代:[中編]ジャズでもクラシックでもある音楽

――越境者としてのクラウス・オガーマン(1930-2016)クラウス・オガーマンという名をご存知の方は、関連作としてどのアルバムを最初に思い起こされるだろうか――やはり知名度が高いのはボサノヴァの父アントニオ・カルロス・ジョビンのアルバムだろうか? それともビル・エヴァンスとのアルバムだろうか?

いずれにせよ、オガーマンの名を高めたのは「アレンジャー」としての能力であり、とりわけストリングス・ア

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《Jazz The New Chapter 4 for web》カート・ローゼンウィンケル・インタビュー OutTake

《Jazz The New Chapter 4 for web》カート・ローゼンウィンケル・インタビュー OutTake



Link ➡ 『Jazz The New Chapter 4』

2013年の11月にカート・ローゼンウィンケルがバッド・プラスと来日公演を行った時のことだ。カートとバッドプラスのインタビューの司会をして、帰ろうとしていたら、カートがギターショップにギターを観に行くから、一緒に来てもいいよってことになって、ついていった。なぜか移動は電車だったので、カートと電車に乗って、雑談しながら移動をした。

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「上原ひろみ 全米ビルボード・ジャズ・チャートで一位」について考えた海外/日本とか、洋楽/邦楽のこと

「上原ひろみ 全米ビルボード・ジャズ・チャートで一位」について考えた海外/日本とか、洋楽/邦楽のこと

1月ごろリリースされた上原ひろみ『Spark』が全米ビルボード・ジャズチャート1位記念ということでREAL SOUNDから依頼されて、上原ひろみについての論考的なものを初めて書きました。上原さんのすごさなんて、書けること山ほどあって、いくら字数があっても足りないので、要点をかいつまんで書いてみました。是非、読んでもらえると嬉しいです。
➡ 上原ひろみはなぜ世界のトップ・プレイヤーであり続けるのか?

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スワヴェク・ヤスクウケとその海の住人たち

スワヴェク・ヤスクウケとその海の住人たち

ポーランドのジャズ・ピアニストSławek Jaskułke スワヴェク・ヤスクウケのソロ・アルバム『Sea』の国内盤が3/23にCore Portからリリースされ、なかなか良い売り上げを記録しているようです。また、SNSを中心に好評をいただいております。

実は本作、NHK大河ドラマ『八重の桜』の音楽でも知られる作曲家・ピアニストの中島ノブユキさんの推薦コメントもいただいており、中島さんファンに

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すべての弦はポーランドに通ず 隠れジャズ・ヴァイオリン王国の天才たち

すべての弦はポーランドに通ず 隠れジャズ・ヴァイオリン王国の天才たち

(2018.03.01加筆・修正しました)

みなさんはヴァイオリンという楽器を目にした時、どんな音楽を頭の中に思い浮かべますか。やっぱりクラシックですよね。ある人はバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」、ある人はフィリップ・グラスの「ヴァイオリン協奏曲」(そんな人いねえよ笑)の美しいフレーズが脳裏に流れるのでしょう。

もちろんヴァイオリンは圧倒的にクラシックの楽器です。クラ

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鍵盤の国「波蘭」の豊かな孤独 ポーランドのピアノソロ名盤セレクション

鍵盤の国「波蘭」の豊かな孤独 ポーランドのピアノソロ名盤セレクション

*2020.9.9.内容を一部変更しました。ピアニストの入れ替え、説明文のアップデート、Spotifyリンクの削除など。

普段ポーランドの音楽を専門にライターをやっていると「ポーランド出身の有名人って誰なんですか?」という質問を必ず受けます。そしてこう答えるとみなさん「ああ!」って言ってくれるんです。

「ショパンはポーランド人ですよ」

ショパンってとにかく「ピアノ」のイメージが強いですよね。

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