ワクワクの定期補充

ただそこに漠然とあるものであっても意外にしっかりと考え込んで作られていることは多々ある。そしてそれを知ったときものすごくワクワクする。

日本のお城は意外に考えて作られている。いま、テレビ『ぴったんこカンカン』を見ていて知った。俳優の鈴木亮平さんが安住アナとともに姫路城でロケをしている。でもただのロケではなくて、世界遺産検定を持っている鈴木さんが城の作りを解説しながら姫路城を安住アナに案内しているのだ。

ロケはだいたい姫路城のふもとからてっぺんにたどりつくまでの道のりを解説していた。もしも自分が姫路城を見に行くとただ淡々と歩くだけの見学になったのだろうけれど、さすがは世界遺産検定所持者、新しい視点をプレゼントしてくれた。

例えば城のふもとからてっぺんまでの道のりがただまっすぐではなく、何回か曲がり角を含む道のりであること。これは城を攻める敵に一気に攻めこませないため、そして各所に散りばめられた城側の攻撃部隊が敵を攻撃しやすいように、曲がり角の多い道のりにされているそうだ。

もしも自分でただ姫路城を見に行くだけならば、たぶんきっとそんなこと気づかない。「なんかしょっちゅう曲がり角出てくるなあ」とその程度にしか思わずに、むしろ「だるい」とさえ思っていたかもしれない。わたしは鈴木さんが言っていた曲がり角の多さを知ったときに姫路城に対する興味が倍になった。もしも姫路城に実際行くことになったら「これがその曲がり角かあ」とかなんとか言って歩きたい。なんなら世界遺産検定を取ろうかとさえ思い始めてきた。単純である。

しかし実は、わたしはもともとあまり世界遺産に興味がない。建物を見てもあまり感動しないし「ほー」と感心だけして終わる。海外にいても同じだった。イスラム教のモスクなんか始めは未知なるものだったのでめちゃくちゃ感動したけれど、最後はずっと「ほー」と口を開きながら写真を撮るだけだった。

そんなわたしでも姫路城の作りには興味が持てるということだけれど、たぶんきっとそれは「知らないことを知った」からだと思う。わたしは知らないことを知ったときがとても楽しい。それが自分にハマるとなおさら「もっと知りたい!」となって本格的にハマったりする。そして一定期間がすぎると飽きる。でもまた思い出したようにハマる時期もくるし、ふとした瞬間に知識を思い出して役に立ったりする。

この「知らないことを知った」というのはわたしだけで他の人にとっては違うことかもしれない。例えば「チラッと映った姫路城の壁の色が良かった」とか「思ったよりも広そうだった」とか。それは人によってちがう。でも共通するのは新しい視点を手に入れたこと。だからもう一歩先の「行ってみようかな」にもつながる。

知らないことを知り続けると、いつもワクワクしてられるんじゃないかと思う。そしてワクワクし続けている人はいつまでも若くいる気がする。どうせなら人生ずっとワクワクし続けて、気持ちは20代のままでいたい。

サポートでいただいたお金は、ライティング力向上の書籍購入に使わせていただきます。読んだ本はまたnoteで感想とともに紹介します。