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ひとんちの、話

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日記のような、私的な、できれば極力下世話なことを書きたいマガジンです。
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2019年11月の記事一覧

帰りたい注意報

帰りたい注意報

「地元に帰りたいですか?」
先日聞かれて、はい、あでも、うん、やっぱり帰りたいですねいつかは、と答えた。
涙が出そうなほどに地元に帰りたい日は、ときどきある。

11℃を下回ると地元に帰りたくなるので気を付けましょう

そんな天気予報があってもいい。

帰ったところでなにがあるだろう?
実家の親、見慣れた風景、旧い友達。
それだけ。
風景なんて変わってしまっている。人も。
帰ってみたらどんな暮らし

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内に外に

内に外に

家には外付けの食洗機がある。二人用のそれで洗うと茶渋もきれいに落ちるので助かっている。
片手鍋や土鍋やフライパンや炊飯釜やそれらの蓋は食洗機に入らないので、手で洗う。スポンジはドラッグストアで売っているものを半分に切って使う。片手で扱いやすいしお金がうく。

もう何十年もなにかを台所で洗ってきたが、2019/11/21に初めて知ったことがあった。長袖をまくるとき、外側に折るのではなくて内側に折ると

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飴の小袋とのたたかい

飴の小袋とのたたかい

誰かと暮らしていると、相手が落としたゴミやたまたま片付けなかったお皿や交換せずに放置されたトイレットペーパーの芯を自分が片付けるなどという作業が生まれる。

これがPMS(月経前症候群)の時期なら、それに合わせて自分の散らかしたエリアもぐんと視界に鮮やかに入ってくるから最悪だ。

たまたま仲の悪い時期だとパートナーが散らかしたものが浮き上がってくる。

最近、夫が家のあちこちに開封した飴の小袋を落

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25日の迷惑行為

25日の迷惑行為

2019/11/25
うっかり洗濯物を取り込みわすれ、一晩の雨でしっとりさせてしまった。
今日の洗濯分とあわせて洗い、コインランドリーに行く。

ふと思い立って、ゾウの貯金箱から小銭を取り出す。幾らくらいになっているんだろうとわくわくしながら銀行に向かう。いい年してわくわくできるなんて貯金箱、最高。

今日が25日でATMがすごく混む日だと気付いたのは自動ドアを開けた瞬間で、どうしようと思いながら

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横浜ハンマーヘッドを訪ねる、やっぱり疲れる

横浜ハンマーヘッドを訪ねる、やっぱり疲れる

『掃除婦のための手引き書』をバッグに入れて横浜の港のほうに行く。数ページしか結局読めなかったが。

桜木町駅でおりて、ワールドポーターズ方向に歩く。昨日は冬の寒さだったのに今日の気温は昨日の二倍にもなって冬の終わりのようになっている。自律神経が危ない。おっかなびっくり生きる。

ワールドポーターズ横にかかる円形の歩道橋を歩く。交差点の上の丸いそれは柱がほとんど無いせいか歩くとたぅんたぅんと揺れて、

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趣味、とはきまぐれ

趣味、とはきまぐれ

なにかに打ち込んでいる人、推しがいる人がうらやましい。
趣味はなんですか?と聞かれたら、読書と映画鑑賞という面接でぜったい答えてはいけない凡庸な言葉を発する。それが並外れたレベルだったら胸を張って答えられるだろう。すごく広いか、すごく深いか。実際はそうでもない。一般的なレベルの読書量だし時々頭に入っていない。映画も今は立地的に頻繁に観られる環境なだけで、長い目でみるとそこまで観ている方でもない。

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ふられて、暗黒実家も嫌で、はじめて借りた新大阪のあの部屋

ふられて、暗黒実家も嫌で、はじめて借りた新大阪のあの部屋

顔の良い男にふられて、男の住んでいた京都の部屋から阪急電車で神戸に帰る途中、大阪のとある駅にふらりと降りた。当時の両親は何年も険悪な関係で、男にふられたこととそれは関係が無いのに、もう寝るだけのために実家に帰りたくなくなった。大阪の小さな不動産屋の前に置いてある黒板をぼーっと眺めていたら、FM802のDJ、中島ヒロト似のお兄さんが「お部屋探しですかぁ」と軽い笑顔で声を掛けてきてくれた。はい、と発し

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学校嫌いな理由がわかったひとこと

学生時代の話をあまりしない、と言われたので、振り返ってみている。ひとことで言うと学校が好きじゃなかった、に尽きる。周りにあわせる自分や友達がたくさんできないとダメなこと、外で遊ばなきゃダメなこと、時間内に給食を食べ終えなくてはいけなかったこと、好きじゃないことだらけだ。もう使わなくなった校舎を利用した施設や給食を再現した飲食店というものを最近見て、世の中にはそんなに学校に戻りたい人がいるのかと怖か

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いつもの頭痛、アット渋谷

いつもの頭痛、アット渋谷

いつからだろうか、なにかあれば頭痛がおきるようになった。水分不足、スマホの見すぎ、女性ホルモンの影響、寝不足、日光の浴びすぎ、気温が高すぎ、胃腸悪すぎ、肩こりすぎなど、など、による頭痛。

今朝、一度起きたもののどうしても体がだるくて、スマホのアラームを15分後にセッティングして少し寝ることにした。もちろん15分後に起きても体のだるさは取れず、15分睡眠を何セットも繰り返す。これがよくない。熟睡で

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ちいさな秋を探している

ちいさな秋を探している

昼食をとる気になれず、バニラアイスを食べて外に出る。肌寒い。バニラアイスで体の中から冷やしてしまった自分をうらみながら歩く。かばんに突っ込んできたストールを首に巻く。夏用の、ざっくりとしたリネン素材のものを持ってきてしまった。巻いている意味がないほど寒い。

太ももをあげると体温が上がることを思い出し、できるかぎり腿をあげて歩く。駅の階段をのぼり電車に乗りまた駅の階段をのぼる。

改札をぬけ、階段

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偏頭痛のため

色々なことをやりたい気持ちに体がついていかない。
偏頭痛が起きた。
薬を飲んでじっとしておく。

今日はお休み。

口内炎は遺伝のものではありません、だって

口内炎は遺伝のものではありません、だって

また、口内炎ができた。
わたしは脚もむくみやすいが、口の中もむくみやすく、すぐに口の中を噛んでしまう。噛んだところがしばらくして口内炎になる。

傷に触れると痛いので歯磨きをいつもより丁寧にし、丁寧にしても必ず触れて結局は痛いのだが、フロスをかけてマウスウォッシュで洗浄する。ビタミン剤をふだんより多めに飲んでみる。

思えば母も口内炎のできやすい人だ。痛い…と言うので見せてもらったら、三つくらいで

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家出して大きなお屋敷の家の子になりたい

空を飛びたいとか透明人間になりたい、とかではなく、家出して大きなお屋敷の家の人にもらわれたい、というのが小さなころのお気に入りの妄想だった。
家で気に入らないことがあると近所をぶらぶらと歩き、どのお屋敷がいいか下調べをする。お気に入りのお屋敷には大きな門の横に小さな木の扉があった。外からはお屋敷そのものがよく見えないほど、大きな木が茂っている。暗くて、好みだった。とつぜん訪ねてみる。すみません

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黒豆パンとパチンコ狂

黒豆パンとパチンコ狂

Aさんが、そういえばと話し始めた。

そういえばぼく、学生時代に旅館でバイトしていて。布団を上げたり配膳したり。そこにおなじくバイトに来ているおばさんになんだかんだと話しかけてもらっててね。仕事終わり、おばさんはぼくに時々パンをくれたんだ。アンパンでもない、黒豆パン。でもその当時ぼくは黒豆の入ったパンをそこまで好きじゃなくて、あまり嬉しくなかった。

ある日を境に突然、その黒豆パンのおばさんが来な

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