マガジンのカバー画像

自然

24
バーダー、ネイチャーハンター(予定)としての視点。
運営しているクリエイター

#バードウォッチング

野鳥散歩|シギ・チドリ/干潟のペースで生きてみたい

野鳥散歩|シギ・チドリ/干潟のペースで生きてみたい

前半は江津湖湧水とラムサール湿地のシギチの可憐さ、後半は会社員のつぶやき。

自然のペースと都会のペースの話。

今年のGWは長めに休みが取れたので、熊本の実家に顔を出した。父は私が小学生のときに他界したので、我が家は関西で夫と暮らす私と、東北に住む弟、そして熊本に残った母の3人構成だ。弟が就職で家を出てから生まれて初めて一人暮らしをする母だけど、このごろなぜかシャキシャキ・キラキラしている。

もっとみる
野鳥観察|こんなところにカンムリカイツブリ/鳥を通じて発見する街の中の自然

野鳥観察|こんなところにカンムリカイツブリ/鳥を通じて発見する街の中の自然

JRに乗って、自宅のある西神戸から大阪の東側へ。
奈良県に入る手前で降りるとそこは、生駒山が見える閑静な住宅街だ。

ここで月に一度、友達の会社の絵画クラブにお邪魔して油絵を描いている。

その日は早めに駅に着いた。
そんな日はだいたい駅のスタバかロッテリアに入ることが多いのだけど、天気も良かったし、近くを散策することにした。

*

少し目線を上げれば遠くに山が見えると言っても、足元の道は綺麗に

もっとみる
野鳥観察|ミヤコドリに再会/「趣味」は解像度で決まるのかもと思った話

野鳥観察|ミヤコドリに再会/「趣味」は解像度で決まるのかもと思った話

スコットランドで初めて会ったOystercatcher、日本語で「牡蠣喰い」と思いきや「ミヤコドリ」という雅な名前の鳥、ついに日本で再会。

熊本の実家に帰省した帰り、旧友に会うために福岡に立ち寄っていた。福岡市は海に接している。せっかくだから海鳥を見にいきたいなと、「福岡 干潟」で検索。

あったあった。
博多から遠くないところに干潟がある。秋春はシギチドリが飛来し、冬は「ミヤコドリがおすすめ」

もっとみる
鳥の話|Robin|イギリスの愛され鳥

鳥の話|Robin|イギリスの愛され鳥

英国の愛され鳥、Robinことヨーロッパコマドリ。

オレンジ色の胸元がよく目立つ、スズメ大の可愛らしい鳥。
日本でもコマドリの仲間は夏になるとやってくるものの、人の多いところでは滅多に出会えない。一方、イギリスのコマドリは身近な存在だ。

あるときは大都会ロンドンの公園で高らかにさえずったり

またあるときはエディンバラの王立植物園で丸くなったり。

ベンチに座っていると、すぐ隣にやってくること

もっとみる
鳥の話|シロカツオドリ|コロニー訪問記

鳥の話|シロカツオドリ|コロニー訪問記

エディンバラから電車で30分、港町ノースベリックにその島はある。

真夏でも雪が積もったように白く、単純な形をした小さな島。これが、シロカツオドリの世界最大のコロニー(集団営巣地)になっているバズロック(Bass Rock)だ。島が白く見えるのは、ここに集まったおよそ15万羽のシロカツオドリによるものである。

私は今年の8月中旬に、コロニーツアーに参加して3時間をこの島で過ごした。

鳥たちの朝

もっとみる
野鳥観察|シロカツオドリ|狩りの一瞬

野鳥観察|シロカツオドリ|狩りの一瞬

8月のある晴れた日。スコットランド海鳥センターでのボランティアを終えて海岸線を一人で歩いていると、大きな鳥が近くを掠めた。

白い体に細長い翼、黄色い頭。海面を注意深く見つめる眼差し。シロカツオドリだ。

近くにコロニー(集団営巣地)があるので、沖のほうを望遠鏡で覗くと米粒くらいの鳥がたくさん飛んでいるのを見ることはできるのだけど、岸にはなかなかやってこない。だから、肉眼で捉えたのはこれが初めてだ

もっとみる
野鳥観察|Oystercatcher|空は繋がってる

野鳥観察|Oystercatcher|空は繋がってる

スコットランドのノースベリック(North Berwick)は海鳥にたくさん出会える街。

カモメやウはもちろん、例えばアジサシ、カツオドリ、パフィンみたいな「実物を見たことはなかったけど絵本の挿絵とかで和名を知っている」ような鳥もいるし、

Guillemot(ウミガラス)、Razorbill(オオハシウミガラス)、Eider Duck(ホンケワタガモ)みたいな、ここで初めて知って英語から覚えた

もっとみる
野鳥観察|バン|黒い毛玉と仕事をしない若鳥

野鳥観察|バン|黒い毛玉と仕事をしない若鳥

最近エディンバラの植物園に行くと必ずバンの家族に会える。

英国の鳥はびっくりするほど人間を怖がらないのだけど、このバンも人目につく場所で白昼堂々子育てに勤しんでいた。

別の日に行くと、大きくなった毛玉が路上をぺたぺた歩いていた。

のびのびと育てられたひなたちはこれまた図太いマインドを持ち合わせていて、すぐ近くに人間がいても全く逃げない。それどころか、どういうわけか近寄ってくるありさま。都会の

もっとみる
野鳥観察|ハハジマメグロ|引きこもりの戦略

野鳥観察|ハハジマメグロ|引きこもりの戦略

アホウドリは1日500kmも海上を飛ぶらしい。
その一方で、わずか数キロ先の隣の島にもお出かけせずにずっと同じ島で暮らす鳥もいる。

小笠原の母島列島固有種で国の天然記念物、
ハハジマメグロだ。

小さな鳥なので意識しないと見逃すが、母島ではそれほどレアな存在ではないのかもしれない。
いちおう港の観光案内所で「メグロはどのあたりで見れますか?」と伺ったけど、教えていただいた山に向かう途中の市街地に

もっとみる
野鳥観察|カツオドリ|待つことの重要性

野鳥観察|カツオドリ|待つことの重要性

アウトドアメーカーCHUMSのマスコットキャラクターにもなっていて知る人ぞ知る鳥、カツオドリ。

ふわふわの真っ白な羽毛に包まれて生まれ、その短い足で陸上を不器用にヨタヨタ歩いたと思ったら、その長い翼で大洋を駆け巡り、数十メートル上の空中から矢のように海中にダイブして魚を捕らえる。

ラブリー要素とクール要素のバランスが絶妙な鳥だ。

暖かい場所を好むらしく、日本では伊豆諸島や硫黄列島、小笠原諸島

もっとみる
野鳥観察|エナガ|絶対的にかわいい

野鳥観察|エナガ|絶対的にかわいい

「かわいい」は主観的な感覚だ。
ゆめかわいいメンダコ、こわかわいいくまモン、きもかわいいふなっしー…

ある人から見れば「一体どこが?」というものでも、本人がかわいいと言えばそれはかわいい。世の中はさまざまなかわいさで溢れている。

ただその中にも、普遍的なかわいさというものはある。
丸っこいフォルム、つぶらな瞳、広いおでこ、などである。とにかく丸いこと、幼っぽいことが重要だ。

コアラもイルカ

もっとみる
野鳥観察|アカガシラカラスバト|葡萄色の瞳のとりこ

野鳥観察|アカガシラカラスバト|葡萄色の瞳のとりこ

小笠原諸島に住むアカガシラカラスバトという鳥。
人(が持ち込んだネコ)によって一度は絶滅間際まで追い込まれ、人(と捕らえられ再び飼われる身となったネコ)の甚大な努力によって数を取り戻した貴重なハトである。

そんな貴重なお姿、お目にかかれたらそれはそれは幸運だなあとあんまり期待していなかったけど、入島初日に散策した遊歩道でいきなり出会った。
というか、運が良かったのか滞在中何回か出会った。

濃紺

もっとみる
野鳥の話|ムシクイ|愛は知ろうとすることから始まる

野鳥の話|ムシクイ|愛は知ろうとすることから始まる

※見たことのない鳥(ムシクイ)について書いています。
※ムシクイの写真は出ない代わりに、虫が出ます。

まだ見たことがない鳥に、ムシクイがいる。

ムシクイ?ムシューダ?
とぼけている私を置いてきぼりにして、鳥好きの人たちの間では最近この鳥の話題で持ちきりだ。

例えば昨日。
友人と久しぶりに連絡が取れたと思ったら「ムシクイは撮るのが難しい(>_<)」と言っていた。

今日。
鳥類関係の仕事をして

もっとみる
野鳥観察|イソヒヨドリ|幸せの青い鳥??

野鳥観察|イソヒヨドリ|幸せの青い鳥??

ご注意ください🙏一部動物の死体が出ます

「瑠璃三鳥」といって、日本の代表的な青い鳥として3種類が挙がるけど(オオルリ、コルリ、ルリビタキ)、

このイソヒヨドリだって相当青い。

もっとも、市街地でも見かけるようになったのはここ最近のことで、「イソ」と名がついている通り元々は海辺で見られる鳥だったらしい。

あるとき、マンションの10階の外から澄み渡った歌声がするなあ、と思ってベランダに出ると

もっとみる