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現代社会で個人がダイバーシティを心掛けていくために

最近の社会的な用語で「ダイバーシティ」という言葉があります。日本語では「多様性」という意味で扱われたりします。

元々の由来はビジネスなどの話題からです。例えば、会社(組織)において多様な人材を登用すること(様々な異なる能力を持つ人たちを結集させること)。

ここでの目的は主に組織の競争力向上です。

そんな「ダイバーシティ」ですが、政治的な話題としても一時的に取り上げられました。しかしながら、想像以上の成果には結びつかず。そんな日本の実情を記した一冊があります。

著者は社会学者の観点から、特に女性活躍を代弁してきた「ダイバーシティ」の裏側を切り口に、現代日本の問題を見ています。その総評の一端を書くとしたら、次のようになるかもしれません。

この国(日本)で男性は仕事などで社会的な地位獲得をめぐり「敗北」を許されないプレッシャーが強いが、女性は人生の選択肢(仕事・結婚相手・子育てなど)において「失敗」を許されないプレッシャーが強い。それらは強固なジェンダー規範の証左でもある。

多様な社会はなぜ難しいか(著者:水無田気流)より引用

日本政府が目指してきた「ダイバーシティ」の現実に加えて、個人的に思うことを書くことにします。


過剰なあるべき論について

先ほどの引用にもある「強固なジェンダー規範」にまつわる話です。

男性も女性も模範(あるべき論)が古くから規定されていて、そこからズレることを許さない。これは日本が古来から築き上げてきた、良くも悪くもの文化であるように思います。

本書は社会問題に視点を置いていて、特に男女それぞれに対してダイバーシティ(多様性)という自由な思想とは裏腹に、新たな歪みを生み出したと指摘します。

例えば、政府は主なターゲットとして「女性」を設定しました。主に女性活躍を目的とした政策などを打ち出した訳ですが、結果的に家事も仕事も高いレベルで両立するような超人を求めることに繋がりました。

一方で「男性」は就労第一主義(男性は稼ぐことで家庭を支える)が未だに幅を利かせています。また、ダイバーシティ(多様性)の思想に絡んで、別口で新たに割を食うこと繋がりました。

結局は何でもできる「超人」が求められたこと、能力的にできないことなどのネガティブな側面は放置したままであること。それが日本の現実として残された。

これは結果論だと思いますが、ダイバーシティを主題として立てられた政策は、日本国民の要求水準が不自然に上げられただけ。本書を読んで、そういう現実を印象として受けました。

多様性に対して大事なこと

周りに認められる権利を得るならば、周りから批判を受ける義務を負わなくてはいけない。

最近よく拝聴するVtuberさんが、これに近いことを仰っていました。

最近は特に「個の時代」という言葉がフューチャーされてきて、ダイバーシティ(多様性)の話題も追い風になっています。個人的に良いと感じますが、その際に大事なのは、冒頭に書いた「権利」「義務」の話です。

この話は匙加減の問題ですし、自分も匙加減を間違える時があります。その上で、自分の個性を認めてもらうからには、そこに付随する批判も受け入れること。

単に「多様性」を枕詞にすれば全てが認められる訳ではない。加えて「多様性」を常に都合の良い逃げの言葉にしてはいけない。

社会には正当な規律(ルール)やモラルがあります。そういう精神的な部分を養うために「ダイバーシティ」を謳うことが、本当の意味で生きやすい社会になるように思います。

要するに、ダイバーシティ(多様性)は主義(思想)の話だと思うのです。シンプルに「互いの違いを認め合いましょう」ということ。

日本政府はそんな主義(思想)の話を、ビジネスライクな「成果」の話に過剰に紐付け過ぎた。改めて、そんな気がしています。

それでも、これからの社会的なアップデートの重要な材料として、引き続き個人が個人の主義(思想)で思考を深めていけたら。そんな気持ちです。

おわりに

今回はダイバーシティ(多様性)という概念を基に参考書籍(多様な社会はなぜ難しいか)の紹介と、自分の思うことを書いてみました。

昔の日本のように、個性を封じて縛りつけるような運用は正しくないです。その一方で「権利」「義務」を履き違えてもいけない。

良い形で自分の時間を生きれる人間が日本でも増えていければ、それで良いのだと自分は思いますし、そのための社会の動きにきちんと追従していけるように。これからも頑張ります。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。この記事があなたの人生の新たな気づきになれたら幸いです。今後とも宜しくお願いいたします♪♪
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