「ワールドトリガー」で学ぶ、正直であり続けることこそ「強さ」
※みみのすけは「ワートリ」アニメ勢の上、最近見始めたのでまだ、シーズン①20話位しか見ていませんので、原作の展開からキャラの考察にブレが生じていると思いますが、その点はご了承ください。
✔最弱主人公三雲修
「ワールドトリガー」は、「ネイバー(近界民)」と呼ばれる異世界人と、ネイバーを駆逐する「ボーダー(界境防衛機関)」との戦いが主軸なのですが、その戦い方は、チーム戦の緻密な戦術構築がなされた上での戦闘なので、キャラデザのイメージとはだいぶ印象が異なる、子供向けと言うよりは、しっかり大人を満足させてくれる作品です。(画だけ見るとポケモン的な印象を与えますが…)
中学生でボーダーに所属している、主人公の三雲修(CV:梶裕貴)は、「トリオン」(←詳しくはリンクをどうぞ)の量が少なく、戦闘能力が極めて低い戦闘員です。
ですが三雲は、戦闘能力こそ低いものの、思慮深く自分にできる事を考え判断し、適切な行動を取ることができ、自分と相手を的確に分析することができます。自分が最強でなくても、自分の周囲の優秀な人間を適切に有効に動かせる能力があると言えます。(実際、チームリーダーになる)
ちなみに、EDでは、三雲の名前は2番目なので主人公じゃないのでは?と思う方もいるかと思いますが、いわゆるダブル主人公で、どちらかと言うと話は三雲メインで進むので、主人公は三雲じゃないかと思います。地味ですがw
✔空閑遊真が三雲を信頼する理由
そのEDでトップに名前が来るの空閑遊真(CV:村中知)です。こちらは文句なく強く、主人公らしい主人公ですね。彼は「サイドエフェクト」(←詳しくはリンクをご覧ください)によって「人の嘘を見抜く能力」を持っているので、さらっと嘘ついた時に、遊真に真顔で言われる「お前、つまんない嘘つくんだな」は、結構コワイです…。
そんな遊真は、自分よりも戦闘能力が低く、弱いのに戦おうとする三雲に信頼を寄せます。「海外からの留学生で日本の文化に馴染みがない」遊真に、心配性の三雲は当初色々と世話を焼くのですが、それに感謝しているからではありません。
遊真は「お前つまんない嘘つくんだな」というセリフを、三雲には言ったことがないと記憶しています(言っていたらすみません…)。恐らくは三雲はあまり嘘がつけない人間です。(遊真を秘匿するために必要な嘘はつきますが、つくべき嘘とそうでない嘘の区別を明確に判断しています)
A級隊員(すごく強い)木虎藍(CV:花澤香菜)が、学校に現れたネイバーを撃退したことで賞賛されていた三雲をやっかみます。その直後に、強い別のネイバーが現れ、木虎が撃退に手こずっている間に、三雲は、住民の避難誘導にあたりました。
ネイバーを倒すのに苦戦していた木虎に、遊真は気づかれないようにこっそり手を貸しますが、それは、三雲から助けてあげて欲しいと依頼されていたからでした。
遊真の助けもあり、木虎はネイバーを無事に撃退しますが、その間避難誘導をしていた三雲に対し「優等生ぶって、人気取りをしている」と口にしますが、三雲は、ネイバーを倒したのは木虎で、彼女のお陰で助かったのだと住民に紹介します。
そこで、遊真は木虎に「ほらな? 言っただろ。おまえとオサムじゃ勝負になんないって」と言います。三雲は嘘をついたり、他人の手柄を横取りするような人間ではないと、遊真がよく理解していた証左です。
実力的には、A級の木虎の方が圧倒的に上ですが、純粋に住民の安全のために、今の自分が何ができるかを考え、実直に実行した三雲と、民衆への人気取りを意識していたり、三雲をやっかんで、表面的には真っ当な意見に見せた指摘で三雲責めていた木虎との、人間性の差を、遊真は指摘したのでした。
✔「承認欲求」の性質
このことで、木虎は三雲への評価を改め、上層部に一連の報告をする時には、正確に行いました。木虎は一般的な承認欲求の持ち主ではありますが、基本的に自分に厳しい人間であるため、三雲の正直さを知った時に、自身をすぐに改めることができたことは見事でした。
一方で三雲も遊真も承認欲求がない人間です。リアル3次元において、こういう人は極めて稀です。特に、このSNS全盛期の現代においては、他人からの共感、賞賛、支持を得られているかが数字によって可視化されているので、一層多く人が承認欲求を求めます。
承認欲求は、自分に自信がない場合、自分で自分を認められない分、他人からの賞賛と承認で埋めようとするものではありますが、面白いもので、求めれば求めるほど得られず、必要ないと思っている分だけ得られるという不思議な特徴があります。(「迅悠一」この人も承認欲求ないですね)
自分に人気を集めようと、他人を蹴落とすために誰かを批判し続けると、批判している本人が嫌われます。逆に、他人への賞賛を惜しまない人に対して賞賛が集まります。もっと簡単にいうなら、他人から好かれようとして好かれる人って、実際に好かれていないことって多くないですか?そういうことです。
別に承認欲求自体は悪いものではありませんが、それだけを目的にしてしまうことが良くないのです。木虎のように、他人に対して無駄な敵対心を持ってしまう事になり、他人の善意を曲解して受け取ってしまったり、不要な嘘をついたり、最悪他人を蹴落とすことに執心したりするようになってしまします。
✔承認欲求のなさと正直さ併せ持つ強さがほしい
承認欲求がないということはもちろん、正直であり続ける事にも強さが必要です。「イエス」「ノー」を正直に言うにこともそうですが、自分の弱さや嫌な面を認めること、直面すること程厳しいことはありません。
三雲の立場なら、遊真や生来、膨大なトリオン量を持っている千佳(CV:田村 奈央)に嫉妬してもおかしくはないのですが、そういうことはなく、自分の鍛錬に努めます。自分が3人の中で一番弱いことを理解し、認め、その上でリーダーとしての職務を真摯に努めます。
私もそうですが、自分自身の小さなプライドや、しょうもないミスをごまかすために「つまんない嘘」を、つい、ついてしまうものです。あるいは、木虎のように、自分の本心を隠すために、正当化して相手を責める「つまんない嘘」もついてしまいます。
大なり小なりこういう「嘘」をついてしまうのは、人間の弱さの露呈と言えます。承認欲求をもたずに淡々と自分がやりたいことを行い、正直であり続けることは、ある種の強さが必要です。しかし、三雲や遊真のように、それができている人たちは、それを当然と思っているので、自分を特別強いともすごいとも思っていないものです。
本当にすごい人は自分をすごいとも思っていないし、強いとも思っていない…ただ、それが当然だと考え、粛々とそうあり続けているだけなんですよね。こういう人に少しでも近づきたいです。
私自身もともとは、自分の承認欲求がすごく強く、上手くいっている人をうらやむというより妬み、嫉妬していました。そういう時は得てして、本当は一番欲しいと思っている賞賛や承認を「別に、そういうのいらない」などと言ってごまかし、他人の承認欲求だけ責めがちです。
そういう、かなりひねくれた人間でしたが、今はだいぶ、正直に人をうらやましいと思い、そう言えるようになって、noteの「スキ♡」も素直に欲しいと思うし、してくれるとうれしいです♪
ですが、人をまっすぐに賞賛できる素敵な人たちが、周囲にたくさんいるので、そういう人たちを見習って、もっともっと、上手に人の素晴らしい所を認めて賞賛できる人になりたいものです。
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