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およそ140字の落語小噺

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だいたい140字くらいの小噺(短い落語)です。 毎日20時に新ネタを公開します。
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2023年4月の記事一覧

261:路上ライブ

A「いい演奏やなあ」
B「せやな。路上ライブってのもエエもんや」
A「この人は本業もバリバリやってるらしいで」
B「何してはるん?」
A「為替のトレーダーやて」
B「へぇ。儲かっててライブは趣味か」
A「いや、本業もライブも大変らしい…

円相場(演奏場)で苦労してるんやて」

260:猫屋敷

A「あの家、猫だらけやな」
B「野良猫が集まってんねん」
A「空き家か?」
B「人は住んでるけど、しょっちゅう旅行に行ってて留守が多いんや」
A「そら野良猫には堪らんやろなぁ」
B「なんでや?誰も餌付けとかはしてないで」
A「エサはなくても家主が…

またたび(また旅)や」

259:缶飲料

A「食品の保存には缶が最強やで」
B「そうなんか?」
A「昔は牛乳も缶で売ってたんや」
B「ホンマかいな? そんなん見たことも聞いたこともないで」
A「モノを知らんなぁ。もっと年寄りの話も聞かなあかんで! おばあちゃんが言うてたんや。昔は牛乳も…

缶で(噛んで)飲んだってな」

258:スープ

A「急に寒さが戻ってきたなぁ」
B「あぁ。寒の戻りやな」
A「こういう時はスープみたいな、あったかいもんが嬉しいわ」
B「外におって冷え切った所にスープなんか出してもろたら夢のようやで」
A「そら、心地のええ夢やろな」
B「せや。どっちも…

冷めて(覚めて)欲しくないねん」

257:飲み歩き

A「あの人、さっきから随分飲んでるなぁ」
B「あの人なぁ。消防士なんやけど、大酒呑みで有名なんや」
A「鍛えてるから強いんか? もう帰るみたいやけど」
B「いや、店変えるだけやろ。非番の日は深夜まで飲み歩くらしいから」
A「へぇ、さすが消防士…

ハシゴが付き物なんやな」

256:クイズ王

A「節約のために、食材はまとめ買いして冷凍してんねん」
B「でも味が落ちるやろ?」
A「そこは解凍のやり方次第やね」
B「せやけど、その上手い解凍のやり方がわからへん」
A「ほな、クイズ王に相談したらエエねん」
B「なんで?」
A「クイズ王なら…

解答(解凍)は得意やから」

255:機種

A「スマホが調子悪いから買い換えたいんやけど、どれ選んだらエエんかわからへん」
B「ほな、竹やんに相談したらエエんちゃう?」
A「竹やん? 競馬が好きなんは知ってるけど、スマホにも詳しいんか?」
B「スマホに詳しいかどうかは知らんけど…

機種(騎手)を見る目はあるはずや」

254:わさび

A「あの演歌の巨匠、趣味が高じて寿司屋を始めたらしいで」
B「そらぁすごい繁盛やろな」
A「予約も取れんほど大繁盛やけど、ネットのレビュー見ると結構低評価が多いねん」
B「何でや?」
A「どのネタもワサビが利きすぎなんやて」
B「ほぉ、さすが演歌の巨匠…

サビで泣かすんやな」

253:勘定

A「おい、松ちゃんが訴えられたって?」
B「そうやねん。釣りの帰りに寄った居酒屋で店主と揉めたらしいわ」
A「どんな揉め方したら訴えられんねん」
B「財布を無くしたらしいんやけどな、散々飲み食いした後で『物々交換にしてくれ』言うて…

勘定を魚で(感情を逆撫で)したんや」

252:急須

A「社長、いよいよプレゼン本番ですが、成果を出す秘訣って何ですか?」
B「ルーティンやな。俺は緑茶で調子を整えんねん。って事で、荷物から茶葉と急須を出してくれるか?」
A「え?あれは誰かのイタズラか思て会社に置いてきました…」
B「なんやて!?それは…

万事休す(急須)」

251:ジャム

A「新商品の開発会議はどんな感じや?」
B「毎回盛り上がって、深夜までやってるで。我が社で扱ってるフルーツでジャムを作る事になった」
A「ジャムか。何のフルーツや?」
B「ドリアン」
A「ド、ドリアンなぁ。深夜まで話してるだけに、だいぶ議論が…

煮詰まってるみたいやな」

250:地図

A「立派な人物になるために、もっと見聞を広めたい」
B「そら結構な考えやな」
A「まだ知らん事をドンドン勉強するんや」
B「ほな、まずは地図を広げてみ」
A「なるほど! 『書を捨てよ町へ出よう』って事か」
B「ちゃうちゃう。地図にはぎょうさん載ってんねん…

道(未知)が」

249:書類選考

A「会社の採用担当してるんやけど、何か悲しくなってきた」
B「何でや?」
A「入社希望者の書類選考をするんやけど、山ほどあった書類がだんだん消えていくねん。それが寂しいやら悲しいやら」
B「分からんでもないが、そらしゃあないで。消える宿命なんや…

選考(線香)は」

248:シマウマ

A「知ってるか? シマウマってロバの仲間らしいで」
B「ウソやろ?」
A「体の特徴とか鳴き声とかで、分類上はロバの仲間なんやて」
B「ほな名前がおかしいがな! ウマかロバか、ハッキリしてもらわな困るで!」
A「それなら心配いらん。シマウマやから…

もう白黒はついてんねん」