読む漫才「隔離病棟」

A:どうも〜トウシツソウウツのあまたつです〜

B:相方のポリポリです!ちょっといい?トウシツソウウツってなんなん?

A:トウシツソウウツ言ったら統合失調症と躁鬱病に決まっとるやろ。

B:統合失調症、躁鬱病か〜なんかけったいなな病気やな。

A:トウシツソウウツは障がい者に明るい未来を提供します!

B:真面目か!漫才やってるのに暗そうな話題止めようや。楽しい話をしよう!

A:統合失調症、躁鬱病が暗いって偏見やぞ!
楽しいこともたくさんあるんや

B:いやいや、ないでしょ!暗いですって。何が楽しん?

A:例えば隔離病棟に入院したときな〜

B:いきなり暗すぎる!

A:保護室っていう名の独房に入ったんやけど、退院してから経験した人とその話したら盛り上がるで〜

B:盛り下がりそうだけど、何が楽しいん?

A:鉄格子の保護室は嫌だったね～って話すと盛り上がる

B:鉄格子!?保護室怖すぎるやろ

A:僕なんか鉄格子を未来に行くタイムマシンと思ってましたわ。足かけるスペースあったし

B:いやいや、わからんよ!妄想強くなってるんちゃう?

A:あと幻聴があったな。意外と怖くないんよ

B:幻聴!?めっちゃ怖いやん!

A:美輪明宏さんからテレパシーが来てな、「退院したらあなたの人生、お花畑よ」と言われたりね〜

B:全然明るくないわ!すごい体験やな

A:入院中、昼食に焼き鯖食べてたらいきなり「ねぇ、美味しい?」って鯖からテレパシー来たんよ

B:いやいや、恐怖体験でしょ!

A:闘病中は怖いけどな、過去になって振り返ると意外と楽しいもんよ。同じ仲間が意外といるもんやな〜と

B:まぁ確かにね

A:そういえば僕、入院中火災報知器押してしまってね

B:おいおい、何してるんよ!

A:幻聴で「２階が火事になったから火災報知器押して!」ってね。パニックになって押してまった

B:幻聴怖いやん!明るくいこ!

A:いやいや良かったことにスプリンクラーが修理中で濡れずにすんだのがよかったかな

B:不幸中の幸い!

A良い子の皆は幻聴で命令されても行動しちゃダメだよ!

B:本当にそう。みんな気をつけてね。
暗い話ばっかやから明るい話しようか

A:そうやな〜保護室で腹筋一万回やった話でもしようか。

B:一万回!?何があったん?

A:なんでもな～看護師さんに「腹筋一万やったら瞬間移動の仕方教える」って言われて、保護室から出たかったからやったんよ。腰も背中も痛かったな～

B:どんな看護師さんなんだよ。結局保護室出れたの?

A:徐々に出れた。一ヶ月くらい保護室にいたらしくて、入院してるメンバー変わりすぎてタイムスリップしたのかと思ったよ

B:鉄格子のタイムマシン乗ってましたしね!もうええわ