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牛乳を使った100%天然繊維「QMilk」

こんにちは、あーモンドです。

本日は題名の通り、牛乳を用いて製造される繊維「QMilk」をご紹介します。
この製品は製品名からわかるように、牛乳から製造された繊維で、ドイツのファッションデザイナーAnke Domaskeさんによって開発されました。
実はこのQMilkが開発される前にもミルクでつくられた繊維は存在してい
た様ですが、このQMilkは世界初の完全天然素材でつくられたミルク繊維として認知されている様です。

QMilkは牛乳に含まれるカゼインというタンパク質を使用して製造されており、その製品の特徴としては、牛乳の香りはなく、100%リサイクル可能(コンポスティング可能)で、天然UV保護の機能も兼ね備えていると公式に発表されています。また、QMilkに使用されているカゼイン繊維のアミノ酸が血液循環と体温の調節に役立つ為、アンチエイジング特性があるとされています。また、水を吸収しやすく、難燃性である一方、綿の2倍の速さで乾くそう。お洗濯も普通にできるそうです。

さらに、Qmilkは抗菌性があり、繊維に化学物質が含まれていないことから、皮膚科学的に肌にやさしい素材であることが認定されています。そのため、皮膚アレルギーを患っている、または綿、合成繊維、染料、接着剤、なめし剤、化学添加物、およびホルムアルデヒド仕上げ樹脂(すべて通常衣類の製造に使用される)に反応する敏感肌の人々に適しているとのことです。その上、生地は化学療法または他の同様の治療を受けている人々の肌を落ち着かせることができ、乳糖不耐症の人もこの材料を着用することができるそう。

ここで抑えておきたいのが、使用される牛乳は全て未処理で廃棄されることが多い分娩牛の最初の牛乳、またはすでに酸っぱくなった牛乳、つまり廃棄予定の牛乳を使用するという点です。

製品の製造過程としては、
まず廃棄予定だった牛乳からカゼイン(酸っぱい牛乳に表面する固体の白い物質)を分離し、乾燥させてパウダー状にします。次に、この粉末を水と混ぜて生地をこねます。最後に、機械によってカゼイン生地を髪の毛と同じくらい細い繊維に紡ぐことで生産されるそう。なんか料理しているみたいな製造方法ですよね。

ベルリン大学の調査によると、ドイツだけでも毎年200万トン以上の牛乳が処分されているそう。1枚のドレスを作るには約6リットルの牛乳が必要で、1kgのQMilkに対して水が2リットル必要であるといわれています。この点について、通常の衣料品生産において、世界自然保護基金(WWF)は、1枚のTシャツを作るのに必要な綿を生産するのに2,700リットルの水がかかると見積もっていることからも、この製品の持つ持続可能性に大きな可能性を感じざるを得ません。


このカゼインには熱接着性もあり、プラスチックやフェノール樹脂を使用せずに他の糸と組み合わせることもできるようで、製造過程でパウダーとともに加熱し混ぜ合わせることで、あらゆる種類のウール(アルパカやメリノなど)、ビスコース、綿、またはセルロースや合成由来のものと混合して使うこともできるようです。そのため求める機能性に応じて調合調整が可能なのだとか。ちなみに加熱や乾燥によって分子が結びつきタンパク質を分解することがないため、賞味期限なんかも気にしなくて大丈夫だそうです。

そのため、衣料類の他にも、自動車産業や医療におけるテクニカルファイバーの生産、ワイプやティッシュ、トイレットペーパーなどの紙製品、フェルト素材の生産なども進んでいるそうです。(水と接触すると溶解するという特徴も備えている為、下水処理に影響を与えることなく、洗浄して廃棄することができるらしい。)また、QMilkには天然ペプチドを使用した天然製品の化粧品ラインがあり、ブランドのクリーム、オイル、美容液にはアルコールとグリセロールが含まず、これらも敏感肌のタイプを特別に考慮して生産されている様です。

まさに汎用性、機能性、持続可能性を兼ね備えている完全な製品といえますね。ちなみに1着あたり1万円〜2万円程度のものも販売されているとか。
これはもう買うしかないですね🐮

↓公式ホームページはこちら↓

https://www.qmilkfiber.eu/?lang=en

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