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輝き


彼と一緒に時間を過ごすようになって
もうすぐ一年が経つ。


たくさん色々な場所に行って、
喜怒哀楽でいっぱいの充実した日々だった。


小さなケンカもたくさんした。
感情的になってしまったり、
心配症の私はたくさん彼に支えてもらった。




中でもこの間のケンカは、
今までで1番心に穴が空いたようだった。

いつも公共の交通機関を使って帰る帰り道を、
その日の夜は泣きながら帰った。

LINEの返信を待つ間、
あなたと出会ってからの自分の変化に気づいた。

お店であなたが好きそうなものを見つけると
嬉しくなること。

あなたに会える日はお化粧に力を入れていること。

優しいあなたに、甘えてしまうようになったこと。


そして一緒に過ごしてわかった
自分の直すべきところと、
わかっててもいつまで経っても変わってないところも。



今あなたは何を考えているのだろう。

怒ってるのかな。悲しんでいるのかな。

あなたが苦しんでいる時にそばにいると
心に決めたのに、

これじゃあ意味がないじゃない。

私ったら何をやっているのだろう。



...


泣き疲れて眠った。




次の日ちゃんと話し合って、
喧嘩はやっと、終わりを告げた。

心の底から、ほっとした。


あなたとの一年は
あっという間だったけれど
この喧嘩は、とてつもなく長く感じた。





お互いの弱点や直してほしいところが
これからどんどん見えてくるのかな。

この一年の繰り返しをしていくにつれて
この気持ちは輝きを失ってしまうのかな。

繰り返しというものが正直、不安だ。

慣れというものが、怖い。







仲直りの帰り道、彼は言う。

“月が綺麗だよ”



“綺麗だね”

私は答える。




これだけでいい。

これがいいんだ。


どれだけ意見のぶつかり合いがあっても

あなたの苦手な部分をたくさん知ったとしても

月が綺麗だと言ってくれるあなたが、

その心を持つあなたが好き。




繰り返しの時間でも
同じ時間なんてない。

慣れの先に、また新しい幸せの形がある。



一緒に過ごす時間の中の
一瞬一瞬の輝きを
見逃さないようにしよう。


夜空の月に負けないくらいの
その輝きを。

belle. 

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