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【雑記】無題.txt

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誰にも届かない言葉とか
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#エッセイ

偶像崇拝をなぞる

偶像崇拝をなぞる

誰かの何かになりたい。いつからかそう思うことが強くなった気がする。でもそれは人を助けたいだとか、夢を導く存在になりたいだとか、そんな高尚なものではなくて。

きっと、頭の中に『確固たる自分』というものをうまく描けないから、誰かに勝手なイメージ像を作ってもらいたいだけなんだと。勝手なイメージ像を、勝手になぞっていれば、勝手に勘違いしてくれる。と、勝手に勘違いできる。

何者でもなければ期待を裏切るこ

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ネット小説の樹海を彷徨う

ネット小説の樹海を彷徨う

SNSに書き途中の小説や構想中の話を聞くのが苦手だ。これは自分の感覚の話であって『そういうのが嫌い』うんぬんの話ではない。物語を少しでも文章にした瞬間、言葉は風化してしまう。自分の中だけで溜め込んでいた物語の質や密度が薄くなってしまいそうな感覚があって、SNSに「今、こういう物語を書いています」と宣言するのが苦手なのだ。

商業作家ならいざ知らず、無名な自分が「今、こういう物語を書いています」と言

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飽きましてメーデーございます

飽きましてメーデーございます

新年を迎えてから初めて外に出るときの気分は、成績表を開いたあの瞬間にも似ていた。おみくじを引いて、お賽銭を入れて、また今年を祈る。祈るだけでどうにかなるのであれば、信仰なんてふわふわしたものは、ずっと、人に根付いていたのだろう。こうして祈る度に、成績で3かそれ以下の数字を貰ったような焦りを覚える。先生からのコメント欄に「去年、何かした結果があの子です。去年、何もしなかった結果があなたです」と書かれ

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蜃気楼の見る夢

蜃気楼の見る夢

最近の世の中は色々と立ち止まらないといけない日々が続く。それでも自分にはどこか縁のない話だと思っていた。音楽ライブは今まで一度も行ったことがないし、映画館はテレビやDVDで済ませてしまうし、カラオケやゲームセンターはあまり好きじゃないし。

エンタメが規制されても自分にはさほど変化がなくて、元々、ネット上で完結する言葉のお仕事を続けてきたから、なおさら外界との隔たりが大きくなっていたのもある。けれ

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ブラック企業を辞めてから一年が経った話

今日、10/23をもってブラック企業を辞めてから1年が経つ。

最初の2ヶ月はとにかく好きなことをしていた。カードゲームやボードゲームで遊んだり、友人に焼き肉や牛タンをご馳走になったり、バーベキューをしたり。

年が明けてからはハローワークで仕事を探したわけだけども、ブラック企業で受けた暴力やパワハラで社会生活が面倒になり、働く意味もわからなくなって文章系のフリーランスを始めることになった。まぁ、

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エスカレーターで後ろに倒れ込む話

エスカレーターで後ろに倒れ込む話

いつからか忘れてしまったけど、自分はエスカレーターに乗るのが苦手だった。全然関係ないけど一瞬「エスカレーター」と「エレベーター」ってどっちがどっちだっけと悩んで、その度に「話が段々エスカレートする」という言葉を挟まないと思い出せなくなってしまった。

閑話休題。エスカレーターに乗ると、なんだか誰かに後ろから引っ張られている感覚に陥って倒れそうになるのだ。もちろん、本当に誰かに引っ張られているわけで

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募金する感覚で、いつかきっと自殺する。

募金する感覚で、いつかきっと自殺する。

コンビニへ行って買い物をしたとき、もらったお釣りをたまーに募金箱へ寄付をする。そのとき、頭の中では特になにを考えているでもなくて、ほんと、なんとなく。寄付をするというより「寄付をした」という概念だった。

どこの、誰かの、なにかにそのお金を使われるのかも知らないで、目的や意味や大義もなく寄付をする。そんな感覚で、いつしか「ふらっと死んでしまうのだろう」という概念が芽生え始める。

「死ぬことより生

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一生の内にやりたい100個リスト(仮)

一生の内にやりたい100個リスト(仮)

現実的・非現実的、お金があるかどうかは置いといて、とりあえず27個ほど考えました。◯は考えている内に達成したものです。

001.ネカフェで泊まる
002.読書カフェに行く
003.ディズニーシーに行く
004.茶髪にする
005.眼鏡を買う ◯
006.自転車を買う
007.登山をする
008.二木のお菓子パーティーをする
009.バケツフルーチェを作る
010.速読に挑戦する
011.クジラ荘

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ルーティンを減らすというルーティン

ルーティンを減らすというルーティン

今までルーティンというか日課として、朝起きたらノート(noteではなく実物)に書いたアナログの日記をデジタルに書き直す作業→ツイノベをツイボットに投下→1日1作、エブリスタとカクヨムに短編を予約投稿といったことを続けていたけど、毎日行うのはこれが結構めんどくさい。

パソコンを立ち上げる。ワードやサイトを開くといった細かくなんともない動作が、毎日続くと少しずつ煩わしくなってくる。そこで思い切って一

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好きな人の好きなものを無条件で好きになりたい

好きな人の好きなものを無条件で好きになりたい

(人間的に)好きな人の好きなものは無条件で好きになりたいけど、かといって好きな人の嫌いなものを「好きな人の嫌いなものだから」という理由だけで嫌いにはなりたくない。逆に嫌いな人の好きなものも「嫌いな人の好きなものだから」という理由だけで嫌いにはなりたくないし、嫌いな人の嫌いなものを「嫌いな人の嫌いなものだから」なんて理由で好きにはなりたくない。

ちゃんと自分の目で、耳で、鼻で、感触で、心で、良いと

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吐き癖を噛む

吐き癖を噛む

以前、小学生のころに鉛筆を噛んでしまう癖があった。という記事を載せたところ、私にしては反響があったのでどこか嬉しくなる。リアクションがあったからというよりは、あのころの生き辛かった私を認めてもらえたようで、同じ気持ちの人が多くいるとわかって支えになった。

この記事を投稿したあとにいくつか思い出したことがあったのでいくつか追記を。馬鹿にされたくないし、人によっては気分の良い話ではないのかもしれない

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プロット(2018/04/20.doc)

プロット(2018/04/20.doc)

「有名になりたい」が後輩の女の子の口癖だった。有名になる前に彼女は、飛び降り自殺をして幽霊になってしまったわけだけど。後輩と言っても私が大学を卒業してから入学したので入れ違いになっている。そんな彼女と私を繋いだのは2人の共通の女の子であった。私が「Plastic Treeというバンドが好き」と話したら、同じくバンドが好きな後輩を呼んでファミレスで顔合わせをすることになった。

とても肌の白い子だな

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小学校の門の前にいたセールスマン

小学校の門の前にいたセールスマン

小学生のころ、学校終わりの門の前にセールスマンがいた。塾の入会や学習グッズの紹介など、昔はよく姿を見かけたけど、改めて考えてみるとあれは犯罪スレスレだったんじゃないか。

入会や購入の見返りに、ポケモンのバトエン全種セットやロケット鉛筆をプレゼントする。だから親御さんにチラシを渡してね。この話をしてね。というもの。幼い私はそれに釣られて母親に塾の入会を散々ごねたが、母親の「どうせ勉強しないでしょ?

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ふれあいクラブ囲碁編

ふれあいクラブ囲碁編

小学生のとき、ふれあいクラブという部活動があった。昔遊びの一環で囲碁、将棋、ゲートボールの3種類の内から1つを選んで1年間を通して遊んだり学んだりするというもの。将棋、ゲートボールを選ぶ同級生が多い中、私は『ヒカルの碁』に触発されて囲碁を選んだ。

ところがこれが選択の間違い(と言うと囲碁をやっている人に対して失礼ですが)だった。体を動かすわけでもない。戦況が目まぐるしく変わるわけでもない。その地

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