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ADHDと、”テーラーメイド教育”について。


ADHD_noteです。


今回は、”生体情報フィードバックを用いたテーラーメードオンライン教育システム開発の研究”についてシェアをしたいと思います。



いきなり私の話からで恐縮ですが、
少し私とADHDについての話をさせていただきたいと思います。

私はADHDの当事者ですが、
専門的な検査を経てADHDの確定診断をされたのは、30代になってからでした。

教育は、幼稚園、小・中・高等学校と、全て普通学級で受け、

高校卒業後、10代の後半からは、
当時働いていたバイトを皮切りに、さまざまな仕事に従事してきました。


そのたびに、職場でトラブルが起こったり、
たびたび、心身に不調を起こしたり、体調を崩したり・・・ということで、
仕事を辞めてしまう(辞めざるを得ない)ということを多く経験しました。(特に体調に問題ない時期もあり、試験を受け転職した経験もあります。)


少し話が長くなりました。。

このような経緯がありましたが、
30代になっても、あいかわらず職場でメンタル体調などで体調を崩すことが多いため、「んー。やっぱり普通じゃないな、自分。」ということで病院を受診することを決めました。


当初は、心療内科を受診し(20代の頃から心療内科には度々通っていました)、そこで問診や検査等を受けました。

その後、さらに発達障害に専門的な精神科のある病院へ、いわゆるセカンドオピニオンという形で移り、トータルで数か月にわたる検査等の期間を経て、ADHDの確定診断を受け、今に至ります。


思えば、私がADHDと診断されるまでは長い年月がかかりました。
(幼稚園児の当時からカウントすれば、丸30年を超えています。)

その間、自分自身の脳特性によるために社会生活のあらゆる場面で困難さが出たり、心身に不調が出やすかったりなどと、さまざまな”生きづらさ”を抱えていました。
(正直それまでは、”片づけられない”とか、”モノを失くしてしまう”とか”周りから浮くことがある”(いつもじゃないですけどw)という日常が ”普通” だと思って疑いませんでしたが・・・。)



そんな私が、ADHDと診断されて常々思うことは、

『もしも、幼少時に自らの脳の画像から、行動特性(勉強の仕方)が分かっていて、自分に合った学習法などが提供されていたら、今とは違った未来があったのではないか?』ということでした。

(私が子供の頃の1980年代~90年代にかけては、日本では、まだ発達障害や現在のADHDに関する概念が無かったか、あってもごくごく限られた医療機関のみであったため、特に当時(私の親世代)は、インターネットもない中で、専門的な医療の情報を得ることは難しかったんだと思います。これは、私の生まれた時代という”運”に関わることで、仕方がないんですが・・・。)

ちなみに・・・
ADHDは、1987年に米国精神医学会の診断基準である”DSM”の”Ⅲ-R”で初めて用いられた用語で、「注意欠陥多動性障害(現在では、注意欠如多動症とも言われる)」英名の頭文字です。
それより前の時代には、微細脳機能障害(MBD)と呼ばれていたこともあり、1980年の”DSMーⅢ”ではADD(注意欠陥障害)として掲載されていた、という経緯があります。

参考:私は発達障害のある心療内科医 星野仁彦 マキノ出版
【P111、注意欠陥・多動性障害(ADHD)】


いずれにせよ、ここまでの話は、
今(2020年)から、まだ40年ほど前の話です。



今回シェアしたい研究は、
科学技術振興機構 さきがけ専任研究者/東京大学 大学院総合文化研究科 学術研究員(※研究者の所属・役職の表記は記事当時のもの)細田 千尋さんが取り組まれている研究です。


fMRIを使って、ヒトの脳画像から、脳の形の変化をはじめとしたさまざまな身体のデータを読み取って、その人の学習の向き・不向きを定量的に判断する研究から、「テーラーメイド・オンライン教育システム」の実現(それぞれに適した個別学習や運動を提供すること)を目指す。という研究です。

fMRI Wikipedia


私はこの研究を知った時、

『前から、「あったらいいなぁ・・・」と思っていたことを研究してる人がいる!!!すっげぇー!!!!』と思いました。

一部記事から引用します。

(略)脳の構造から学習を続ける可能性を判定する技術は特許として権利化した。「教育関連の企業とタイアップして実際に応用してみたいですね。子どもたちのドロップアウトを防ぐだけでも意味はあります」と応用研究にも意欲を見せる。ただ、この方法には倫理面での問題もある。
「脳の画像は究極の個人情報で、不用意に公表することはできません。入社試験への利用などは社会的には受け入れられないでしょう。個人に関する情報は十分にプライバシーの保護がなされるべきだと考えます」。

AI時代と科学研究の今 
国立研究開発法人 科学技術振興機構サイト記事より一部抜粋

この記事の中で、
「脳の画像は究極の個人情報で、不用意に公表することはできません。入社試験への利用などは社会的には受け入れられないでしょう。」

と、言及されていますが、
私個人的には、入社時にも大いに生かしてもいいのでは?と思っています。

日本では、令和を迎えた2020年でさえも、発達障害についての理解が乏しく(私自身が肌で感じている実感です)、一説では、この分野は欧米に比べると、30年~40年ほど遅れているとも言われます。


今回取り上げたようなAIによる研究などによって、

・社会的相互交渉の障害
・コミュニケーションの障害
・想像力の障害とその結果としてもたらされる常同反復的行動パターン

(イギリスの医師、ローナウィング氏が提唱した三つ組のハンデキャップ)

という”主な3つの障害”によって、”働き方” や ”人付き合い” などで、
生きづらさを感じやすいと言われる発達障害者を取り巻く状況が、
加速度的に変わっていくことを望みます。

参考文献:
・私は発達障害のある心療内科医 星野仁彦 マキノ出版
・大人の発達障害(アスペルガー症候群、AD/HD、自閉症が楽になる本)備瀬哲弘 マキノ出版

ちなみに画像は、世界は脳が作っている。的な画像。

Raman OzaによるPixabayからの画像

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