マガジンのカバー画像

112
和合亮一さんの「詩の礫」から派生した 礫を起点に波紋のよう奇想は巡る
運営しているクリエイター

#散文

寄せ書きの練習其の一

寄せ書きの練習其の一

よせやい
よせやい
寄せ書きなんて
感傷に浸りたくなんてないし
振り返れば
振り返るほど
現実は美化されてしまう
あんなこと
こんなこと
あったでしょう
童謡であったね
こんなフレーズ
ありがとう
元気で
達者で
増産される
シュプレヒコール
そんな集合体が
寄せ書きなんだ
いくらなんでも
天の邪鬼だからって
ヘイトスピーチ
するつもりはないさ
ラブアンドヘイトも
根っこは同じさ
ありきたりな

もっとみる
移動式ライブハウス

移動式ライブハウス

走ってヨガして走って水煙草吸って
吸って吐いて吸って吐いて
繰り返して呼吸して
呼吸と身体
リズムとビート
内側の高揚感
排気する汗と吐息熱を持った水蒸気
ああ
私は
人の皮を被った移動式ライブハウス

反転して
裏返して
質量
100%
喪った声は
21グラム
空気は真綿で首を絞める

半熟卵

半熟卵

日常生活において 
求めに応じて
演じられない
素っ裸の自我を時と場合で
隠すか
晒すかでしか
表現できないから

鯉のビリヤニ

鯉のビリヤニ

不意に打ち上がった花火の余韻は
煙が
火薬の匂いが
音の反響が
映った残像が
空から
残滓がなくなって
花火なんて上がりませんでしたよ
いつもの
なんの変哲もない
あなたが
気にもとめない
夜しか広がっていませんよ
んて
顔をしだして
意識なんてしてませんから
お互いに
なんて距離感になって
消えるの
そんな花火みたいな
感情の起伏を恋と呼ぶなら
死ぬまで終わらない花火を
期待なんてできない
私は

演じる私のコスプレーしょん

演じる私のコスプレーしょん

吹雪いていたって
薄着のお洒落さんは
堂々としている
お洒落とは
メンタルの強靱さが必要なのだ
どんなにお洒落
でも寒いだ暑いだ
言ってられない
そんなことは知ったことではない
外的要因など関係ない
このStyleは普遍であり
普遍たる私のMindは
なにものにも左右されないのだ
そんなお洒落さんに
私はなりたいわけでもない

ビブラアラオブラ

ビブラアラオブラ

掻き消されるとわかりきっている言葉を
飲み込んだ
オブラートは包めない
オブラートに包めない
遠回りしすぎて経年劣化してしまうよ
年老いた言葉が
あなたの耳に届く前に
衰弱死する

斜陽

斜陽

点滅は
ウルトラマンの活動限界
3分間
中秋の名月
は見えなかった
赤信号が点滅していた
直進
左折
冷気
ストリート
ライトは煽って青
30分で明度は変わる
酔闇
よいやみ
日が暮れる
月。
廻る。
ぐるぐる

世界。
サイド

人生がお前に期待している
見失った29番
接近するイチノイチ
インターナショナルスクロール

熱量のある町

怪獣と記念撮影

いざよいのつき
はここからじゃあ見え

もっとみる
走りながら咀嚼してごっくんする/パッチワークしてニューロンと残像

走りながら咀嚼してごっくんする/パッチワークしてニューロンと残像

片手間に消費しているように
見えるかもしれないし
それについては
罪悪感
のような
若干の
申し訳無さも感じるんだけれど
いや
これは
違うんだ
消費し続けている身体に
即摂取
いわばドーピング
RPGの
コマンドに
おける
戦う
逃げる
魔法
道具
の薬草を使うのパターンなのだ
敵は待ってはくれない
ちょっと待ってて
薬草を摂取して回復するから
とは言えない
2次元の我が分身にとって
コンマ数秒

もっとみる
クロノスタシス

クロノスタシス

クロノスタシスって知ってる?

時計の針は止まった

14:46



11年

経って

14:46

を時計の針は指している

黙祷

目を閉じておいでよ 

クロノスタシス

扉はここだ

まだそこに在る