透き通った空色に、揺れる太陽は美しかった。

魚だ。

あおい、青い魚。

名前も知らない。ただの魚。

でも綺麗だ。

そして、かわいい。

だって、ずっと見つめているんだ。

水面に映った、もうひとりの自分を。

きっと君の「水槽」っていう世界に、たったひとりだけの心友。

「お前、そこで何してるんだ？」
『お前の方こそ、何してるんだ？』

そんな会話をしているに違いない。

かわいいな。かわいいな。
…かわいそう、なのかな？

…でも、綺麗だな。

ソラは、何処までも空で。
ソラは、何処までも宙だ。

君の見つめる、ちいさなソラには、君とおんなじ「ダレカ」しか居なくて。

きっと少し寂しくて、きっと少し悲しくて。

きっと、ちいさくて。

きっと、君にとって、充分過ぎる程。

しあわせで、シアワセなんだろうな。

これは、僕の想い出の1cutだ。

君は、夏の夕焼け空みたいな、想い煌めく珊瑚色。
僕は、淡い春の恋みたいな、空色。

あの時選んだ「しあわせ」の形。

ずっとずっと、探しているんだ「しあわせ」ってやつを。

きっと僕たち、まだあの旅の途中なんだね。

そして、しあわせでシアワセなんだ。

きっと。