零れないように。前を向いた。 一面の灰色に、大きな七色。 『あぁ、どうして?』 僕はいつだって、夢ばかり見ているんだ。
人と比べるのもキライだし、人と同じ事をするのも苦手だけど。 『僕もあの子みたいに出来たら、凍りつく前に抱き締めて貰えるのかな?』なんて。 いつだって「まいにち」に耳を塞ごうとする僕は、まだ夢見ることも許されないんだ。
熱が、通り過ぎていく。 「ナニカ」のせいにできたら、どれだけ楽だろう。 「前を向け。」 「ダレカ」の透き通った瞳が、燃えるような心が。そう、言った気がした。
暮れ行く地平線、色を深める君。 変わらないような「まいにち」を、かけがえのない「いちにち」に。
僕の時間の流れの中には、時々小石が転がってくる。「やるべきこと」「疑問と解決」「選択と決定」「音」「要望」「感情」…。 どれも、ちいさな、ちいさな小石。 どれも、所有者は、僕じゃない。 小石を押し流す力や、避けて通れる賢さを、少しずつ身に付けて。「まいにち」の流れに戻ろうか。
君が言葉に隠している。 本当の気持ちを知っているよ? だからさ。気付かないフリをする僕を、アトから爪を立てて確かめるんでしょう?