歌うたいの猫と、不思議な万年筆。【おしゃべりな万年筆】
【おしゃべりな万年筆】
万年筆はお話がすきなようで、ひとりで自分の事ばかり話していました。猫は不思議に想いながらも、嫌な気持ちにはなりませんでした。
万年筆の声は、どこかで聴いたことがあるような、懐かしいような。深い森の中の暖かな陽だまりのような。そんなやさしい声だったからです。
ひとしきり、自分のお話をして万年筆は満足したようです。虹色の光も少し輝きが落ち着いたように見えました。
すると万年筆は、猫にこんな質問をしてきました。
「さて、ところであなたは、なぜお話しな