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映画レビュー

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#感想

「」のために生きた時間 『最高の人生の見つけ方』(2007)2021/7/15の日記

「」のために生きた時間 『最高の人生の見つけ方』(2007)2021/7/15の日記

・最後の面接(仮)だった。受けるまでの時間が最も苦痛で、何か備えた方がいいんだけど、結局何をしたら良いのか分からなくて、時計の針が進むのを待つのみ。

・そんな気を紛らすために、映画を観た。ロブ・ライナー監督作品の『最高の人生の見つけ方』(2007)だ。

~あらすじ~
実直な自動車整備工のカーター・チェンバーズと豪放な実業家のエドワード・コールは、入院した病室で共に余命半年を宣告される。棺おけに

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「霧」は何のメタファーだったのか?『ミスト』(フランク・ダラボン,2007)2021/7/13の日記

「霧」は何のメタファーだったのか?『ミスト』(フランク・ダラボン,2007)2021/7/13の日記

・今日は久しぶりに一日休みだった。

・朝から大谷翔平を拝めるのは最高。MLBのホームランダービーはパワーはもちろん、雰囲気ともに世界一という感じがする。大谷は、J・ソト選手に敗れてしまったが、両者ともに素晴らしい戦いを披露してくれた。延長戦に次ぐ延長戦、スーパースター大谷翔平のあれほどに疲れた表情は滅多に見ることができないだろう。良いものを見れた感がある。

・ホームランダービーは、お祭り感が本

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『恋人たちの予感』(1986,監督:ロブ・ライナー)

『恋人たちの予感』(1986,監督:ロブ・ライナー)

※※※ネタバレ含む※※※

〜解説〜
初対面で最悪の印象を互いに持った二人が、“男女の間に友情は成立するか”という命題に苦悩しつつ、11年の後に結ばれるコメディ・タッチのラブ・ストーリー。散文詩的な作りの中で魅力をフルに発揮した主演二人(特にM・ライアンはポスト・ゴールディ・ホーンとでも言うべきキュートさ)とNYの色々な顔を美しく捉えたバリー・ソネンフェルドの撮影が素晴らしい。(引用:Yahoo!

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『アマデウス』(1984)才能ある狂った熱狂的ファン ~嫉妬に隠された「愛情」~

素晴らしい映画だった。

あらすじ

オーストリア皇帝ヨーゼフ2世に仕える宮廷作曲家:アントニオ・サリエリ。その彼の前に現れた天才作曲家:ヴォルガンフ・アマデウス・モーツァルト。サリエリから見たモーツァルトの生涯と、自身のモーツァルトの楽曲に憑りつかれることで生じた「嫉妬」や「愛」を描いた作品。

2人だけの世界。それはまさにセックスのように私の知る限り
君は最高のオペラ作曲家だ

映画後半、私は

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『すばらしき世界』を見て①

『すばらしき世界』を見て①

『監獄の誕生』を書いたミシェル・フーコーは、「権力は至る所にあり、至る所から生じる」と説いた。

なんて、つい最近、フーコーのレポートを書いたので、インテリぶって引用したくなった。

さてさて、話は2021年2月11日に公開された役所広司主演の映画

『すばらしき世界』

である。

~あらすじ~(自作)
元殺人犯で人生の大半を刑務所の中で過ごした三上正夫(役所広司)が、社会であらゆる「ズレ」を抱

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自分で楽しくなるためには?「雨に唄えば」

自分で楽しくなるためには?「雨に唄えば」

#元気になる映画
#ミュージカル映画
#雨に唄えば
#おうち時間

外出自粛中の皆さんは何をして過ごしているだろうか。特に同年代の大学生に聞きたい、ほんとにみんな何してるの?(笑)

昨日、緊急事態宣言が発令され、頼みの綱だったバイトも休業が決定。言葉の通り、家に閉じこもることだけとなった。

さて、家で何ができるだろうか?

考えても考えても、分からない。心が鬱々としてくる。本当だったら今

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三島由紀夫の瞳に飲み込まれる

三島由紀夫の瞳に飲み込まれる

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 感想三島由紀夫の瞳に、僕はスクリーン越しにも関わらず飲まれてしまった。それほど、三島の瞳は熱く、輝いていた。

「何かをしなくてはならない」

映画館から出た僕はそのような類の焦燥感に苛まれている。60年代を戦い抜いた大学生、そして今を生きる僕、生きている時代は全く違うゆえに単純な比較はできない。しかし、少なくともスクリーン上に映された当時の大学生の姿

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映画 名もなき生涯 感想(約2000字)

映画 名もなき生涯 感想(約2000字)

「正しさ」とは、誰が保証するものであるか。

自分が「正しい」と考えてやったことであっても、自分とは違う「正しい」を持つ人から見れば「正しくない」に分類されることはよくある。

悪役を倒す正義のヒーローだって、その悪役の世界からすれば自分たちの仲間を攻撃する「悪」になる。

つまり、「正しさ」、「正義」というのは見る角度によって往々にして変化するものなのである。だから、「絶対悪」もなければ、

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パラサイト〜半地下の家族〜

パラサイト〜半地下の家族〜

怖かった。

何が怖かったかといえば、半地下の住人と富裕層が対照的な存在に思えなかったことだ。

半地下の家族の先行きの見えない世界。
「無計画、ノープラン」という言葉には、持たざる者が夢を見たところでその夢は叶うどころか、悪夢を見せられるということを表現していたのではないか。

かと言って、幸せな生活を送っているように見える富裕層の家族を僕が羨ましいと思って見ていたか、と問われれば一切そう思

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