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文芸社に今は時期じゃないね〜とつっぱねられてしまった、かわいそうな原稿たち。
SFジュブナイル『BAMBOO GIRL』の続編として書き始めた作品です。
本当に数えるほどですが実…
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2020年10月の記事一覧
第二夜【鬼の子】scene7
★☆☆☆☆☆☆
昨夜は寝付けなかった。喉は潰れていて水を飲む時でさえ痛むし、背中一面に張り付いた痣が寝返りするたび激痛を伴った。石原に殴られ続けた時の方が、まだ怪我の具合はマシだった。
ナノマシン。ソラが絞り出したあの言葉を、彼女は否定しなかった。それにパイロットって? 遮光性カーテンの隙間から淡く青い光が漏れ出す頃、ソラは充電器の上に乗ったスマホを取ってメールを開いた。検索欄に『御門司郎』
第二夜【鬼の子】scene6
★★★☆☆☆
野ざらしの廊下を移動して西校舎の門を潜ると、ひんやりした静けさが二人を包んだ。吹き抜けになっている一階をしばらく進んで、階段を登る。一階の作業場は、学校行事や部活動が自由に使うことができたが、今はその時期ではない。二階にはコンピューター室があって、明かりが見えた。さらに階段を登っていくと、旧家庭科室、旧美術室という半ば物置のような教室があって、静寂は増していく。
「ここならニンゲ