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ラジオの記憶㉙年齢を伝えない決断-------「山崎怜奈の誰かに話したかったこと」

 平日の午後1時は、以前は高橋みなみが番組を持っていて、約4年続いた。

 家にいるときは、昼食後に食器を洗いながら、Tokyo FMを聞くことが多くて、だから、気がついたら、高橋みなみの声に慣れてきてしまった頃、番組が変わった。

ダレハナ

    この時間帯は、知らないうちに「アイドル枠」になっていたらしく、その次も、「アイドル」がパーソナリティになった。最初は、ややぎこちなさがあったものの、そこから、修正がとても早く、あっという間に、聞く機会が増えていた。

 人前で仕事をする人は、やっぱり適応力が、すごいのか。それとも、山崎怜奈という人が、ラジオで話す、ということに対して適性があるのか。もしくは、その両方なのかもしれないが、そのうちに、やや、長い番組名は、すぐに「ダレハナ」と、短く言われるようになり、最初は、リスナーにとっても、その言葉に妙な照れ臭さもあったものの、そのうちに、やっぱり慣れた。

 そして、気がついたら、山崎怜奈は、「乃木坂46」を卒業していた。どうなるのかと思ったけれど、当然のように番組は続いた。妥当だと思った。

年齢

 2023年3月14日の放送で、どんな流れか忘れたけれど、テーマは、年齢について、になった。

 山崎怜奈が、こんなことを話した。

 番組の中で、リスナーが、いろいろなことを伝えてくれるときに、番組用のメッセージフォーマットがあって、そこには、年齢が必須情報となっている。だけど、いろいろなラジオ番組を、夏休みのときに聞いたり、改めて考えて、内容と切り離せないときは別として、年齢を読まないようにしよう。

 リスナーによっては、伝えたいことはあるにしても、自分の年齢を言ってほしくない人もいるだろうし、と思ったことも、そう考えた理由の一つのようだった。

 その山崎怜奈の言葉を聞いて、本当にそうだと思った。

マスメディア

 これまで、いろいろなメディアで、一般人が登場するときに、当然のように、その人の年齢が表示されていることがほとんどだったのだけど、そのことについては、ずっと疑問はあった。

 本当に、いつも、必要なのだろうか。

 それを突き詰めていくと、おそらくは、説得力のある根拠はあまりなく、ただの習慣、もっと悪く言えば、惰性だったのではないか。

 そんな気持ちがあったから、こうして、きちんと「年齢を非表示にすること」を言葉にするパーソナリティがいることは、その変化は一見小さいかもしれないが、意味が大きいと思った。

人と比べること

 「人と比べてしまうこと」は、あまりよくないのは分かっていて、だんだんと、そうする事が少なくなってきたと思うのだけれど、それでも、つい比べてしまうことはある。

 若いときは、社会での活躍具合いについて。年齢を重ねてからは、見た目年齢について。普段は、忘れていても、テレビなどで出ている人の年齢表示を見て、つい、自分と比べてしまうことがある。

 だから、もしかしたら、それほど強く意識はされないけれど、このマスメディアの年齢表示が、「人と比べること」を誘導している可能性はないだろうか。

 
 そんなことも思うこともあったので、こうして、「年齢を伝えない」という決断をする番組が一つでもあることは、こうした「人と比べる」という、よくない習慣を減らすためにも、意味があると思った。

 そう思い、「ダレハナ」の「メッセージフォーム」を使って、「年齢を伝えない」決断に対して、支持をする言葉を送った。その時も、確かに、年齢を打ち込むのが「必須」になっているから、これ自体もなくなればいいのにとは思った。

 だけど、「必要以外は、年齢を読まない」という試みが、一つでも始まらなければ、「年齢は必須」の習慣も、ずっと続いてしまうから、やっぱり、「年齢を伝えない」の決断は、意味が大きいのかもしれない。




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