私が書いたショートショートや掌編小説をまとめたマガジンです。毎週ショートショートnoteやその他お題で書いた作品も含まれます。だいたい410字〜1000字の小説となっております。
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2024年3月の記事一覧
もう一度。【ショートショート】
深夜のバス停。満月ガスとバスの往復が一枚綴りになった切符を握りしめる。
「あんたもこのバスに乗んの」
女がぶっきらぼうに話しかける。
「だったら何」
俺はガン飛ばしてそう答えた。
「このバスの行先、分かってんの」
「あぁ」
女はそれ以上何も聞いてはこなかった。
到着したバスへ乗り込む。
前方へ座った女は車窓を物悲しそうに眺めていた。
元よりこのバスの噂は知っていた。
一度だけ望む幻が見れ
おかげさまで猫まみれ。【ショートショート】
毎週ショートショートnoteのお題を確認する。
流行りを知らない私に訪れた『突然の猫ミーム』
猫ミームとは…。
思わず私はGoogle先生を頼る。
分かりやすく言えば、猫を動画に起用してバズる事か。
しかし、それでもやはり、なかなかピンとはこない。
そこで私はYouTube先生を頼る。
そこには、《ハピハピハッピー♪》の歌とともに、必死に上げた手で拍手をするように何かを捕まえようと、ピョン
猫ミームでバズったのはこのオイラ。【ショートショート】
青天の霹靂。オイラは一躍有名になった。
オイラは田舎のその辺に住んでいる冴えないブサイクな陰キャだ。
帰り道の休憩所、振り返る姿をパシャリ。
それは一瞬の事だった。
気の抜けた変な顔とポーズ。
あの野郎、オイラの事を盗撮しやがって…!
「晒すなんてやめろ!デジタルタトゥーは御免にゃ!」あぁ、オイラの猫生が終わった…。
そう思ったが、それは逆だった。
“突然の猫ミーム”ブーム。
オイラの