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#日記

ブーゲンビリア

ブーゲンビリア

現実を見失ってる
夢に出てきた、あの日から
私を焦がすのは
後にも先にも、あなただけ

それを、忘れた頃に
繰り返し、思い知らされる

あなたの薬指にきらり
輝くリングがすべての答え
あなたは微笑む
それでいい

この想いに先なんてない
覚悟はとっくの昔に決めている

そう、夢に出てきた
5歳の頃から、もうずっと

後にも先にも、あなただけだった
いつか、口にするでしょう
死ぬ時か、あなたをこの世

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water lily

avant

あなたの骸を私が拾う
無垢だった心はそのまま
骨の白さに表れている
こんなところに隠れていたのね

肉を剥いで
やっと見えてくる本音
昔は怖かった
虚しさと嘘だけが顔を見せ
その奥にはもっと
膿んで黒ずんだ何か
得体の知れない恐ろしいものが
みっちりと、
そうやって暴かれる日を
いまか、いまかと待っているんじゃないかと

可笑しいよね
今なら云える
ただ、信じればよかったの

そして

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LUCKY STRIKE

・立春

あなたが私を想って泣いてくれる
その瞬間を夢見ていました

それはどちらでもいい
喜びでも、悲しみからでも
ただ、私への想いを湛えて
あなたから零れたその一滴が
私の生命に触れて
そっとこの渇きを潤してくれる

かわいいひと
そう言えば
いつも不服そうに
眉間のしわが寄るよ
いつしかやめてしまったね

あなたが残していったタバコの空箱が
私のお守り
そうやって記憶しか持たない私には
それ

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Leo minor

私はエゴイストなんだ
君より私を平気で優先する
自分の心を無視してまで
他人と一緒に居られない

見た目はこんなナリだけど
中身は我儘な子供

おまけに頑固で
かと思えば、傷つきやすく
すぐに泣くよ

嫌になるよ、すぐに
それでも、君と一緒に居たいんだ
互いの本音、ひとつひとつ
掬い上げて
それはこの街の空に浮かぶ
姿を消した、見えない星を探すように

喩えば、天体観測
もしもあなたが付き合ってく

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今夜、鯨の前で出逢えたなら

・獅子座満月/WOLF MOON 

顔も知らない、名前も分からない、

話したこともない
ただ存在だけを知っている

あなたに、ずっと恋をして来た

それは子供の頃
あなたに気がついて以来、
ずっと、あなただけを想ってきた

あなたは不意に訪れる
私だけに分かるサイン

夜風が運んできた
あなたの吐息、口ずさむメロディ

今夜も

夜空にマゼンタを流す
私の宇宙にだけ、染まり、溶け合う色
シリウ

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君に告ぐ

嘘でもいいから、きっと大丈夫と呟く
それはいつか、本当に成ることを
知っているから

楽しいことをしよう
思いっきり

強がりで結構、だから笑おう
これがいつか、本当の表情に成るの
私は知っている

ずっと居場所が欲しいの

怖くって、怖くって、怖い
不安で不安で、いっそ笑けてくる

どうしよう、心の裏側から
引っ掻いてくる

誰も知らない

楽しいこと、
なんだっけ

君は誰、そう問えば
なんて

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時辰

いいの、此処に誰も居なくても
いいの、此処に味方は居なくても
そんなの、もうどうでもいい
それくらい今、私は燃えている

いいの、此処にあなたが居なくても
いいの、此処に友が居なくても
それよりも、私はただ歌いたい

怒号に晒され、揶揄を受け
それで戦場とあなたは喩えた
同じ舞台、ならば私は
此処を楽園と讃えよう

待っている、私はずっと
私を見つけてくれる、誰かを

いいの、此処に誰も居なくても

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喩えば、

きみの幸せの祈り
この愛を運んで
きみのもとまで
これが私の歌だよ

🕊

それが喩え過去の亡霊だとしても
寄り添いたい、後ろから抱きしめて
あなたのそばに
喩えエゴと分かっていても

想像のなか
あなたは眉を下げ
困ったように微笑む
それを見て、余計に私が泣きたくなるのは
あなたの中に私の主の
にほひを憶えてしまったから
そして、もうこれから先
この世のどこにも
同じあなたはいないから
あの日

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from pluto

from pluto

いま、あなたに逢えないことが
とてもかなしい
いま、この瞬間
ふとあなたが過ぎったこと
あなたもどこかで
気づいているだろうか

意識の片隅
無意識のどこか
どこでも構わない
名もなき人の椅子が
あなたの宇宙のどこかに在って、

あなたが生まれた瞬間から
空白のまま、ずっと不在で
いつか、そこに坐る誰かを
いまもずっと、待っていてくれていたなら

それは、とても嬉しい

あなただけの場所が
私の中

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『私たちは絶対、不幸なんかじゃ無かった』

『私たちは絶対、不幸なんかじゃ無かった』

もう二度と会えるはずはない
そう思っている
いま、あなたがどこで何をして
何を見て生きているか
そもそも、まだこの世界に居てくれているの

この季節が来る度、
必ず一度は、あなたを思い出す
私たちの関係が、築いてきた形が
決定的に壊れた、あの日

あなたもきっと、よく憶えているでしょう
私はずっと、覚えている

あなたは確かに泣いていた

身のうちに荒れ狂う嵐
引き返せない悲しみ

予感していた

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ずっと一緒に居るって言った、あれはやっぱり、嘘だった

ずっと一緒に居るって言った、あれはやっぱり、嘘だった

あなたの愛と私の愛の重さは違って
あなたの哀と私のアイも、当然ながら
全く違う

夢は夢のままが良いと
あなたはそう口にした
そんな風に語ったあなたは
願いを叶えて
それは嫌だ、と泣いた
私の願いは未だ

あなたの夢が現実に成った瞬間、
私の夢は破れた
あなたの夢が現実に変わった瞬間、
私の現実が幻想に変わった

儚い夢
昨日までの日々と成り代わって
それはひとひらの花弁
ひらひらと舞う紋白蝶の様

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ton soleil

ton soleil

握ってくれた掌の熱
どれだけ嬉しかったか
あなたは分からない
知る由もない

指先をぎゅっと掴んでくれた
その感触
生まれる前からずっと
私が欲っしていたもの
願っていたもの

そんな事
あなたは知るはずもない

夢を見ているみたい
だけど現実
あれは
私がいつも見ていた
そらの記憶なんかじゃなく
あなたも持っている
昨日の想い出

神様に祈るみたいに灯る
夜空に浮かぶその部屋の明かりの数だけ

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Vergesslichkeit

Vergesslichkeit

風誘う花きみに
あてた香りひらく
その声たよりに
気付くは誰(た)の心の芽

うつる季節に紡ぐ泡沫は
そらに煌めく
星に見る影はたそかれ
交わす約束伝う
祈りはいつかのあなたに
尋ねる、あかし
かの人、いま何処

花散らす雨不意に
疾る光の裂く声
さあ、
ここにおいで

風誘う花きみに
贈る香りひとつ
その時心に浮かぶは
誰(た)の記憶でしょう

託す生命はめぐる
いつかのあなたのその瞳に
届いて

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Pluto

Pluto

もしも今目にした景色に
私の姿が見えたなら
それはきっと、未来の私

あなたのそばに寄り添う影は
見えないところにもう一つ
実はある
それは守護天使
ただただ、あなたの幸福を祈っている

願いが星に届く時
そこに光はもうないでしょう
せめて流星があなたの瞳に届いたなら
それは奇跡
それだけが救い

もしも今目にした景色に
あなたの姿がうつったなら
それはきっと、過去のあなた

私のそばに望む影は

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