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絶景

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063

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仙台・松島日記

 私の足元は、いつだって夏を纏っている。踵を起点として爪先を上下に揺り動かすとき、無数の宝石たちは、各々のタイミングで光を捉え、小さなキャンバスの上で自由に踊る。

 そうして足元に気を取られていると、仙台駅東口ロータリーに友人のWAGON Rが到着する。銀座ウエストのリーフパイを手渡しつつ、いそいそと助手席に乗り込み、私たちは今回の目的地・松島を目指して出発した。

 「盛夏」

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061

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 毎年、夏が近づくと「『海がきこえる』を借りてきて観ること」と「桃を食べること」を必ずやっている気がする。

海がきこえる

 今年もまた『海がきこえる』を借りるために、緩やかな坂を登って近所のTSUTAYAまで足を運び、帰宅してからすぐに観た。

 ところで、『海がきこえる』という作品をご存知だろうか。本作は、氷室冴子による同名小説を原作として、スタジオジブリの若手スタッフ陣によって制作され、1

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060

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 「Amazonプライムで『ケイコ 目を澄ませて』が観られるようになっていますよ」と教えてもらったので、すぐに観た。

 『ケイコ 目を澄ませて』はずっと観たいなと思っていた作品だったのに、上映場所や上映時間に自分のスケジュールをうまく合わせることができず、結局上映期間が終了してしまっていたのだ。

 奇想天外!波乱万丈!みたいな作品よりも、日常を切り取ったような作品が元々好みではある。その中でも

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057

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 医師国家試験の受験を終えて、高校時代からの友人が東京へ遊びに来た。飛行機が到着するその日に限って、東京はなぜか大荒れの天気だった。その日私は出勤していて、お昼休みにふと窓の外を見たときに、路面があまりにも雪でグシャグシャ過ぎて、無事に到着できたかとすぐに友人に連絡を入れた。もしも予定が1日後ろにずれ込んでいたら欠航になっていたので、無事に再会できて本当に良かった。

◯森美術館(六本木)
 友人

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