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 「Amazonプライムで『ケイコ 目を澄ませて』が観られるようになっていますよ」と教えてもらったので、すぐに観た。

 『ケイコ 目を澄ませて』はずっと観たいなと思っていた作品だったのに、上映場所や上映時間に自分のスケジュールをうまく合わせることができず、結局上映期間が終了してしまっていたのだ。

 奇想天外!波乱万丈!みたいな作品よりも、日常を切り取ったような作品が元々好みではある。その中でも『ケイコ 目を澄ませて』は、お気に入りの作品として名を挙げたいと感じた作品だ。

 “○月○日、ロード10km、シャドー3R、サンドバッグ3R、ロープ2R”から始まるケイコの日記を回想するシーンは、ケイコが確かに積み重ねてきた歳月が丁寧に描かれている。

 本作の中に、ケイコが言葉を発するシーンはほとんどない(返事と呻き声のみ)。ケイコの感情の機微を映し出すものとして、「表情」と「動作」が本作の鍵となるのだが、ケイコ役・岸井ゆきのがその点を見事に体現していた。

 ケイコは、その実直な性格から愛想笑いができず、心を開いていない相手と対峙するシーンでは表情が硬いように見える。しかしながら、三浦友和演じるジムの会長と鏡の前に並んでシャドーボクシングするシーンでは、目に涙を浮かべながらもケイコが顔をほころばせる様子から、会長との間に築かれた信頼関係の強さを感じられた。
 
 聴覚障がいをもつ選手を受け入れるジムがない中で、ケイコをそれでも受け入れると決断した会長の覚悟や懐の深さを想うと、私も何だか胸がいっぱいになった。

 個人的には、エンドロールがとても印象に残っている。エンドロールといえば、主題歌とともに黒色の背景に白色の文字が流れる様子が連想される。一方で、本作では舞台となった東京の下町が背景として映し出される。
 
 行き交う車や電車の走行音、工事現場の作業音、鳥のさえずり、川のせせらぎ、縄跳びをする音。そして、すべての音はケイコには聴こえていないということ。

 『ケイコ 目を澄ませて』は間違いなく、三宅唱や岸井ゆきのの代表作となっていくのだろう。

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 『Jasmine』が世に解き放たれてから6年が経つにも関わらず、唾奇とSweet Williamの代表作として名を馳せ、そして今なお多くの人々に愛され続けている様子を見るに、『Jasmine』はもはや「名盤」を超えて「伝説」「超盤」と呼んでも過言ではないだろう。

 例に漏れず、私も『Jasmine』の虜となっている1人であり、自分自身に対して「どんだけ聴くんですか…?」と思わず問いたくなってしまうほど繰り返し聴いている。それでも、聴く度に新鮮さを覚えるような不思議な魅力が潜んでいるのだ。

 Sweet Williamが作るビートに関心をもつようになったのは、『Jasmine』の6曲目に収録された「The girl from Yosemiya」に強い衝撃を受けたからだった。この曲は、いわゆるSkitと呼ばれるもので、曲と曲を繋ぐ演出の役割を果たす。しかしながら、実際に聴けばお分かりいただけると思うのだが、Skitの一単語で片付けてしまうには惜しいほどに素敵な作品だと感じるのだ。

 Sweet Williamが、未発表曲を収録したビート集『Amat#2』を先月リリースした。リリース前後の数日間、私はSNSにまったく触れておらず、「限定150部のカセットテープを発売」という内容の通知を目にしたときに、リリース発表から時間が経過していたので正直「終わった…」と思った。

 というのも、その通知を目にしたとき、私は品川美容外科にいて、ダーマペンの施術を受けるため、顔面に麻酔が効きわたるのを待っていたのだった。限られた取扱店舗のホームページには「SOLD OUT」の文字が並び、望みがありそうな店舗には院内にいるから電話ができず、半ば諦めていた。

 その後、紆余曲折があってバナナレコード大須店で在庫があることを確認でき、無事に入手することができた。今年の運は使い果たしてしまったと思うが、これで良かったのだ。バナレコ大須店さん、その節はありがとうございました。

 「ああ、Willさんが好きな音しか入っていないんだろうな」と、Sweet Williamのこだわりと愛を感じられるビートばかりだ。どのビートも好きなのだが、「Players Circle」「M.W.S.S」「Endroll '20」の3曲は、お気に入りとして名を挙げておきたい。

 カセットテープで音楽を聴くなんて、何年ぶりだろう。私は、このときほど音を「噛みしめて」聴いたことはないのではないかと思えた。

 音楽は、街の喧騒と一線を画すものなんかでは決してなく、静かにその音を噛みしめるように向き合うものである。自分自身への戒めとして。

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 ここで、GWの思い出を振り返ろうと思う。

新宿御苑に行くなら5月がベスト
真後ろにいたKidsの声援がすごい
銭湯だいすきクラブ 菖蒲湯に入る
「ぼっち・ざ・ろっく!」の聖地巡礼
この写真、なんか好きなんだよなぁ
コアラのマーチ焼きをGET


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 職業柄、いろんな会社に電話を掛けているのだが、相手方の保留音で、今井美樹の「瞳がほほえむから」またはカーペンターズの「I Need To Be In Love」が流れると、かなり心にぐっと来る。

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 先日、自分のルーツを辿る旅をしてきた。

 正午を知らせる放送が町全体に響きわたる。辺りを歩いているのは自分だけのようだ。涼しく優しい海風に、私は思わず目を閉じた。耳を劈く電車の走行音に耳を傾けた。誰からも気にされていないことが、とても心地よかった。

 今は亡き祖父が、孫たち一同を連れていってくれた灯台。今よりまだ母が元気だった頃に、ズボンの裾をまくり、手を繋いで一緒に入った海。祖父母宅や親戚宅に行くと用意してくれた海の幸。海辺に打ち上げられた海藻や貝殻の手触り、砂浜の温度、浜風の香り―――。

 幼少期の記憶は、私の場合は海と紐づいていることが多く、現在の自分を形成する原体験となっている。過去と現在が交錯するクロスロードに立てば、こうした思い出は自分を強くもさせるし、同時に弱くもさせるのだった。

 後ろ髪を引かれるような思いを振り解き、私は目の前の潦を飛び越え、その一歩を踏みしめた。

三陸鉄道・堀内駅(岩手県)
高校時代の両親が三鉄に乗って一緒に登下校していた
というエピソードを、私はとても愛している

 

 

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