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がらんどう

あなたが死者の国に旅立ち

私の体の真ん中に大きな穴が空きました。

それは一生、塞がることはありません。

まるで吹き抜け

イヤ、がらんどうです。

ふと、悲しみが湧き上がると

ビュービューと音を立て、うねりながら

がらんどうの中を吹き荒れていきます。

悲しみが頂点に達すると

目の奥からじわじわと水滴が溢れ、

滴(したた)ります。

止めどなく滴ります。

それを、自分の意志で止めることはできません。

ただ、枯れ果てるのを待つだけです。


ああ、また悲しみの突風が吹いてきた。

私のがらんどうの中に、どっと吹き込む。

あまりの激しさに、私はよろめく。

叩きつけるように吹き荒れる風が

ますます、がらんどうの範囲を広げる。

くらくらしてくる。

立っていられなくなる。

私はその場に倒れ込む。

いずれ体中が、がらんどうと化し、

スカスカ、バラバラになるのでしょうか。


なぜ、悲しみは止まないのでしょうか?

私はただ、平穏無事を望んでるだけなのに。

止まない雨はない、のではなく

一度降り出したら、二度と止まない

ということを知った。


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