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読書と平凡な日常

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本の紹介と感想、そこから選出したテーマによるエッセイをほぼ毎日書きます!!!!
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#おすすめ本

読書と平凡な日常24 好きな物には正直で

読書と平凡な日常24 好きな物には正直で

 どうも、紅りんごです。先日お出かけしたついでに買った珈琲を今日淹れてみました。芳醇な蜂蜜の香りと後に残る甘味と珈琲の苦みが上手く共存していて、とても味わい深い一杯でした。珈琲は私の好物、今日はそんな「好きな物」に関わる作品です。

 24冊目は浅原ナオト『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』。ひょんなことから、クラスメイトの女子が腐女子であることを知ってしまった主人公。彼女が学校で腐女子で

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読書と平凡な日常23 好きな終わり方

読書と平凡な日常23 好きな終わり方

 どうも、紅りんごです。昨日まで見ていた『時効警察 シーズン2』の最終回で「人間は何かを終わらせるために間違える」という言葉が出てきました。何だか哲学を感じさせる面白い言葉です。今日はそんな「終わり方の気になる作品」です。

 23冊目は小川哲『嘘と正典』。様々なテーマからなる短編集で、私はあまり好きではない作品でした。その理由は分かっています。単に私の好みの問題です。私は終わり方があまりに曖昧過

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読書と平凡な日常22 ロシアに青はない?

読書と平凡な日常22 ロシアに青はない?

 どうも、紅りんごです。季節は秋、日が暮れるのが早くなってきました。色鮮やかな夕暮れ時の空を見ると、いつも昔見た映画『マジックアワー』の事を思い出します。魔法なき世界に魔法がかかるひと時、とてもロマンティックな言葉だったので、よく覚えています。今日紹介するのはそんな「美しい」ものについての作品。

 22冊目はあさのあつこ『ぼくがきみを殺すまで』。自由に教育を受けていた子ども達が戦争に駆り出され、

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読書と平凡な日常21 羊を数えるな

読書と平凡な日常21 羊を数えるな

 どうも、紅りんごです。今日はいい創作アイデアを思いついたので、そこそこハッピーな一日でした。皆さんはどうでしたか? 何かトラブルに巻き込まれたりしていませんか? 今日はそんなトラブルにまつわる作品を紹介します。

 21冊目は中山七里『隣はシリアルキラー』。隣がシリアルキラーかもしれない、そんな疑念を抱いた主人公の焦燥感と危機感が伝わり、ドキドキが止まらない作品。技能実習生の問題が事件に暗い影を

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読書と平凡な日常20 正義の味方

読書と平凡な日常20 正義の味方

 どうも、紅りんごです。今日でこのエッセイも20回。度々休んだり、他のエッセイを書いたりしていましたが、ようやく20回目です。それでは、記念すべき20冊目はこちら。

 20冊目は中山七里『護られなかった者たちへ』。近々映画の公開が予定されている作品です。
 猟奇殺人と密接に関わる社会福祉制度。福祉は一体誰を護るためのものなのか、読了後に残るやりきれなさは中山七里先生の作品の中でも高いものがありま

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読書と平凡な日常3 獏と歯間ブラシ

読書と平凡な日常3 獏と歯間ブラシ

 どうも、紅りんごです。昨日、慣れない運動をしたのが祟って全身筋肉痛。昨晩は眠れませんでした。それでは、気を取り直して。まずは読書報告です。

 3冊目は芦沢央『獏の耳たぶ』です。犯した罪への罪悪感と守りたい平穏な日常に挟まれて、押しつぶされそうになる母親と、胎児の取り違えに気づかぬまま子どもを育て続ける母親。交互に語られる二人の日常は読んでいて辛い。
 いつかこの平穏な日常が終わると分かっている

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