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さよならギャンブル!ギャンブル依存症からの「回復」の物語!!|『28DAYS』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「28DAYS」をベースに新しい物語を妄想します。

※「28DAYS」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「28DAYS」は、アルコールとドラッグにまみれた生活を送っていた女性の「依存症リハビリセンターでの日々」と、「依存症からの回復」を描いた人間ドラマですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『28DAYS』 ~『強迫的ホーディング』編」、「『28DAYS』 ~『断捨離依存症』編」の2案でした。


案③


嘉村 「案③」にまいりましょう!

三葉 「案③」は、「『28DAYS』 ~『ギャンブル依存症』編」です。


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嘉村 ギャンブル!

三葉 ええ。詳細をご説明する前に、「28DAYS」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 それからもう1つ。前回の記事でもご紹介しましたが……以下もご覧ください。


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嘉村 前回の記事でご説明した「案①」は「強迫的ホーディング」、「案②」は「断捨離依存症」をテーマにしたアイデアでした。

三葉 はい。そして……今回!「案③」のテーマは「ギャンブル」です。ドストエフスキーの「賭博者」から「闇金ウシジマくん」に至るまで、その恐ろしさは周知の通り。アルコールやドラッグと並んで「依存症の王」と呼んでも差し支えないと思いますが……。

嘉村 ふむ。

三葉 まずは、「28DAYS」との比較表をご覧ください。


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三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……主人公は若い男性。彼はギャンブルにどハマりしていた。ギャンブルに狂っていた。大学進学と共に上京し、1人暮らしを開始。当初は真面目に通学していたものの、ふとしたきっかけからパチンコやパチスロにのめり込み、あとは競馬、競輪、競艇、オートレースと何でもござれ。それだけではない。「今日はパチンコにするか、はたまたパチスロか……よし。家を出て最初にすれ違うのが男ならパチンコ、女ならパチスロだ!」とか、「今日は……ふむ!30分以内に小便したくなったら競馬、そうでなかったら競輪にしよう」なんて具合に、日常生活すべてがギャンブルに冒されていた。

嘉村 これは重症ですねぇ。

三葉 しかし、そんな生活がいつまでも続く道理はない。やがて、貯金が尽きる。消費者金融を頼る。「だっ、大丈夫さ……そう、大丈夫。たった10万円じゃないか。今日取り返してみせる!」。だが、そうは問屋が卸さない。すぐにスる。返済のために、また別の金融屋を訪れる。かくして雪だるま式に借金が増える。いよいよ、にっちもさっちもいかなくなる。田舎の老親の元に連絡がいく。老親は愕然とする。しかし虎の子の貯金を吐き出し、どうにか返済してくれる。

嘉村 親とは有り難いものですね。

三葉 まったくね。

嘉村 ふむ。

三葉 そして……彼は親に付き添われ、依存症リハビリセンターに入所したのでした。

嘉村 なるほど……。

三葉 しかし入所当初、彼は「自分が依存症で、治療が必要」という自覚がない。

嘉村 ほぉ。

三葉 彼は、「母が泣いて頼むから入所したのだ。ギャンブルなぞ、止めようと思えばいつだって止められるさ」とうそぶく。

嘉村 こいつ、懲りてませんね……。

三葉 畢竟、施設内でトラブルを起こす。「クソ!今日は日曜日だってのに……嗚呼、競馬をしてぇ!!」。彼はカブトムシを捕まえ、廃材でコースを作り、競馬新聞ならぬ「競カブトムシ新聞」まで自作する。そして他の入所者に声をかけ、「競カブトムシ」を開催する。

嘉村 「こち亀」の両津勘吉みたいなことをしますね……。


※参考:「ダービーゴーランドで一勝負!!の巻」(95巻収録)参照。


三葉 あるいは、「明日の天気で勝負しようぜ。賭けるのは、朝食のヨーグルトだ。オレは晴れに賭ける!誰か、雨に張るヤツはいねぇか?」とか。

嘉村 なるほど。

三葉 とまぁ入所後しばらくは問題児だった彼ですが、ふとしたことから自分が普通ではないことに気づき、「回復」に向けて歩き出します。

嘉村 ふむ。

三葉 苦しい「禁・ギャンブル」期間を経て、やがて退所日を迎える。しかし、退所者の7割は依存症を抜け出せず、再びセンターに戻ってきてしまうのが実情です。……彼はどうでしょう?元のギャンブル生活に戻ってしまうのでしょうか?センターの職員の表情にも不安の色が見える。

嘉村 ふむふむ。

三葉 彼はセンターを出て、自宅へ向かう。すると頭の中で声が聞こえる「よーし。最初にすれ違うのが男なら……」。

嘉村 あー……。

三葉 彼は慌ててかぶりを振る。そして、苦笑して呟く「誰とすれ違おうが、オレの人生には関係ないわな。オレの人生はオレが決めるんだ」。

嘉村 おー!

三葉 未来のことはわかりませんが……彼は大丈夫かもしれない。立ち直れるかもしれない。そんな希望を漂わせつつ、物語は幕を閉じます。

嘉村 なるほど。


案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉 はい。「案④」は、「『28DAYS』 ~『ゲーム依存症』編」です。


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嘉村 今度はゲーム依存症!

三葉 「28DAYS」と比較すると、以下のようになります。


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嘉村 ふむふむ。

三葉 一口に「ゲーム」と言っても様々なタイプがありますが、例えば「ネトゲ廃人」ですね。1日5時間、10時間、さらに15時間!ぶっ続けでMMORPGをプレイするゲーム中心の生活。


三葉 ゲームこそがわが人生、わが命!

嘉村 ふむ。

三葉 「案④」の主人公もそのタイプです。寝食を忘れてオンラインゲームに没頭し、20時間……いや、30時間ほど連続プレイしたところで意識を失い、ぶっ倒れる。ものすごい音がして、彼の家族が駆けつけると、口から泡を吹いて倒れているではないか!PC画面には、「おーい、○○。□□平原のモンスターを倒しに行こうぜ」などと、ゲーム仲間からのメッセージが届いている……が、無論そんなものを気にしている場合ではありません。家族は救急車を呼び、病院へ。そして依存症と診断され、リハビリセンターに入所することになった。

嘉村 なるほど。

三葉 ここからのストーリーは、「28DAYS」や、これまでご紹介した「案①②③」と同じです。入所したものの、主人公には、「自分が依存症で、治療が必要」という自覚がない。だから、あれこれトラブルを起こす。

嘉村 ふむふむ。

三葉 しかし、ふとしたことから「自分が普通ではない」ということに気づき、「回復」への第一歩を踏み出します。そして、それまで小バカにしていた入所者仲間とも絆を深めていく。例えば、とある老人……主人公は尋ねる「爺さんはどうしてここに?酒やタバコが止められないのか?」。

嘉村 あー、そうか。ゲームに限らず、様々な依存症を抱えた人が入所しているんですね。

三葉 ええ、そうです。

嘉村 ふむ。

三葉 爺さん曰く、「きみと一緒だよ」「えっ……」「忘れもしない1976年。たまたま入った喫茶店で『ブロック崩し』と出会ってなぁ……いやぁ、ハマったハマった。1日中プレイし続けて、『閉店するから出て行ってくれ』というマスターと大喧嘩して逮捕されて……当時は『ゲーム依存症』なんて言葉はなかったが、思えばわしは『日本で初めてゲーム依存症で入院した男』かもしれないな。名誉なことだ」。

嘉村 とんでもない爺さんですね……。

三葉 とまぁ、そんなアレコレがあって、やがて退所日を迎える。しかし……彼がこの先どうなるのかは神のみぞ知ること。依存症からの「回復」は、そう簡単なものではありません。彼は、ゲーム一辺倒の生活に戻ってしまうのではないだろうか……?

嘉村 ふむ。

三葉 センターを出た主人公は、久々にスマホのスイッチを入れる。ゲーム仲間から大量のメッセージが届いている。「おーい、最近どうした?」「心配してます。ご返事ください!」、そして「モンスター討伐に手こずっています。○○さんのサポートが必要です!」。主人公は「みんなやってるなぁ」と呟く。

嘉村 あー……。

三葉 続けて「助けてほしいのはこっちの方だよ」と苦笑すると、彼はメッセージを削除する。

嘉村 ほぉ。

三葉 彼は大丈夫かもしれない。立ち直れるかもしれない。そんな希望を感じさせるシーンで……おしまいです。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『28DAYS』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 「28DAYS」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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