鑑賞者・読者に、手軽に「カタルシス」を提供する方法!!|『東京流れ者』に学ぶテクニック
名作映画を研究して、創作に活かそう!
本記事では、「東京流れ者」に【鑑賞者・読者に、手軽に「カタルシス」を提供する方法】を学びます。
※「東京流れ者」については、別記事でも研究しています。詳細は、記事末尾の「関連記事」欄をご参照ください。
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「敵キャラ」は3つに分けられる!!
映画やマンガ、小説などには、様々なタイプの「敵キャラ」が登場しますよね。
しかし、それらはざっくり3つのパターンに分けることができるでしょう。
すなわち、
・A:鑑賞者・読者から好かれる敵キャラ
・B:鑑賞者・読者から嫌われる(ヘイトを集める)敵キャラ
・C:鑑賞者・読者から関心を持ってもらえない敵キャラ
……です。
そのキャラがいずれのパターンに該当するのか、一発で判別する方法があります。
作中で殺してみればいいのです。
そのキャラが死んだ時に、鑑賞者・読者が「やったぜ!ついにあいつが死にやがった!」と喝采を叫んだら、あるいは「やっと死んだか!」とスカッとしたら、そう、それは「鑑賞者・読者から嫌われる敵キャラ」です。
つまり「嫌われる敵キャラ」とは、「自らの死によって、鑑賞者・読者にカタルシスをもたらす存在」なのです。
ムカつく「睦子」に注目!!
本作には、「睦子」というキャラが登場します。
これがですね、なかなかどうしてムカつくヤツなんですよ。
<「睦子」の概要>
▶ 性別:女性
▶ 年齢:20代
▶ 職業:事務員(じつは主人公らの動向を敵に流していたスパイ)
▶ 特徴:常にマンガ(「お化けのQ太郎」、「週刊少年サンデー」など)を読み、1人でゲラゲラ笑っている
ご注目いただきたいのは、「常にマンガを読み、1人でゲラゲラ笑っている」というところ。
この女、とにかく笑い声がうるさいんですよ!
甲高い声でゲラゲラ……メチャクチャに耳障り。周りが低い声でしゃべるヤクザばかりですからね、余計に目立つ。
また、主人公が敵と対峙する緊迫したシーンだろうが、敵が悪だくみをするドキドキのシーンだろうが、お構いなしにゲラゲラゲラゲラ笑っている。
明らかに異質。
もうね、雰囲気がぶち壊しです。あまりにも場違いで、見ていて頭が痛くなってくる。
さてそんな彼女ですが……映画開始から25分ほど経ったところで、流れ弾が胸に命中し息絶えます。
私はこのシーンで歓声を上げました「やった!うるさい女が消えたぞ。これで、やっと落ち着いて鑑賞できる!!」。
鑑賞者・読者に、手軽に「カタルシス」を提供するテクニック!!
つまり、睦子(= 鑑賞者を<聴覚的に>不愉快にする敵キャラ)が死んだことで、鑑賞者はカタルシスを得た……!
これ、「『鑑賞者・読者を不愉快にさせるキャラ』を敢えて登場させ、そして早めに殺してしまうことで、鑑賞者・読者にカタルシスをもたらすテクニック」と言えるでしょう。
ポイントは、「多くの鑑賞者・読者が不愉快に感じるであろう敵キャラ」を登場させることです。
例えば、
▶ セクハラオヤジ
▶ ストーカー野郎
▶ 嫁をいびる姑
▶ 子どもを虐待する親
▶ 動物をいじめるヤツ
……などですね。
鑑賞者・読者に手軽にカタルシスを提供できるこのテクニック、みなさんもぜひ使ってみてくださいねー!!
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(担当:三葉)
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