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カッコよすぎるセリフ集!!|『東京流れ者』に学ぶテクニック

名作映画を研究して、創作に活かそう!

本記事では、「東京流れ者」に【カッコよすぎるセリフ】を学びます。

※「東京流れ者」については、別記事でも研究しています。詳細は、記事末尾の「関連記事」欄をご参照ください。

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名ゼリフに注目!!


「東京流れ者」には、名ゼリフがたくさん登場します。

「カッコいいセリフ」と言うか、「あまりにもキザで、思わず噴き出してしまうセリフ」と言うか……まぁとにかく、記憶に残るセリフです。


本記事では、その内のいくつかをご紹介しましょう。


冒頭4分間の名ゼリフをチェック


<1>

本作は、哲也が敵対するヤクザ(大塚組)に捕まるところから始まります。

▶ 哲也:本作の主人公。数々の伝説を作ってきたヤクザで、「不死鳥の哲」という二つ名を持つ。拳銃の名手。しかし最近ヤクザを引退し、堅気に戻った。


大塚組にとって、宿敵・哲也の引退は喜ぶべきことです。「ヤツがいなくなれば、仕事がやりやすくなるぜ!」と思っている。

しかし……「本当に引退したのか?『不死鳥の哲』が堅気に戻っただなんて、どうにも信じられねぇよ!」。


かくして大塚組は、哲也にちょっかいを出し、様子を見ることにしました。「痛めつけてやれ。ヤツが最後まで無抵抗なら……まぁ、本当に引退したんだろう」というわけですね。


さて話を戻して……映画冒頭、哲也は大塚組の組員に捕まった。

しかし哲也は、抵抗するそぶりを見せない。


それに対して、大塚組の組員が言いました

「哲、どうしてやらねぇ?そのポケットには、お前のかわいいコルトを抱いてるはずだぜ」(映画開始から54秒経った場面のセリフ)


出た!

「かわいいコルトを抱いてるはずだぜ」って……あまりにもカッコよすぎません??


ハードボイルドなヤクザ映画が始まったかと思いきや、いきなり「かわいいコルト」ですからね。これは堪りませんよ。

「きみ、本当に日本のヤクザなの?イタリアンマフィアとかじゃなくて?」と聞きたくなる。


<2>

その後、哲也は大塚組の組員にボコボコにぶん殴られます。

しかし、彼は一切抵抗しない。

しばらくして、大塚組の組員が組長に報告しました「哲は、本当に腑抜けになったようですよ」。


しかし組長は、首を横に振った。

「いや、いまに暴れ出す。ヤツは3度転んでダメだとわかると、きっとハリケーンを吹かす男だ」(映画開始から2分7秒経った場面のセリフ)


「ハリケーンを吹かす男」って何???

よくわかりませんが……しかし、カッコいい気がする!!


<3>

しばらくして、大塚組の連中は引き上げていきました。


一方、ズタボロになった哲也。彼はゆっくり立ち上がり、そして呟いた。

「頼むから、オレを怒らせないでくれ……」(映画開始から4分9秒経った場面のセリフ)

直後、OP曲が流れ始め、画面にはドーンとタイトルが表示される。

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とまぁ、映画開始からわずか4分ほどの間に、これだけの名ゼリフが飛び出してくるのです。

すごいですよね!


流れ者に女はいらねぇ


ところで、本作に登場するセリフの内、最もよく知られているのは、

「流れ者に女はいらねぇ」(映画開始から1時間20分27秒経った場面のセリフ)

……でしょう。

哲也が、恋人(千春)に放った言葉です。


斯波司、青山栄「やくざ映画とその時代」によると……

追いすがる千春に最後に哲がいう言葉が「流れ者に女はいらねぇ」で、以後、もてない男にとっての最高のいいわけとして、あるいはギャグとして語りつがれていくのである。


「オレは騒ぎを避けたいのに、どうして嵐に巻き込まれるんだ……」


ここからは、私が特に好きなセリフを3つご紹介します。


まずは、こちら。

「まずいところへ来た。オレは騒ぎを避けたいのに、どうして嵐に巻き込まれるんだ……」(映画開始から42分55秒経った場面のセリフ)


哲也が、ヤクザの抗争に巻き込まれた時に呟いたセリフです。

「抗争」や「戦い」、「争い」ではなくて、「嵐に巻き込まれる」という表現が胸アツですよね!


また、先ほどご紹介した大塚組組長のセリフと合わせて考えると……「哲也さん、あんたは『ハリケーンを吹かす男』なんでしょ?ってことは、あんたは『どうして嵐に巻き込まれるんだ……』と苦しそうな顔をするけれど、元凶はあんたなんじゃないの!?」とツッコミを入れたくなるセリフでもあります。


「義理を捨てた野郎とは一緒に暮らせない」


続いての名ゼリフは、こちらです。

「義理を捨てた野郎とは一緒に暮らせない」(映画開始から58分17秒経った場面のセリフ)


哲也が、健次(所属していた組や組長を捨て、いまは根無し草のような生活を送っている男)を指して言ったセリフです。

義理を重んじる哲也らしいセリフと言えるでしょう。


「破る!……この地獄を突き破らなきゃ、俺には明日はやって来ねぇんだ!」


3つ目にご紹介するのは、こちらのセリフ。

「破る!……この地獄を突き破らなきゃ、俺には明日はやって来ねぇんだ!」(映画開始から1時間18分42秒経った場面のセリフ)


最後の戦いで、哲也が敵をぶち殺しながら発したセリフです。


こうして文字に起こすと、何の違和感もない、ただただカッコいいだけのセリフに見えますが……じつは戦っている最中に、哲也が突然「破る!」と叫ぶんですよ。

多くの鑑賞者は、「えっ?何を破るの!?」とびっくり仰天するであろう名ゼリフなのです。


まとめ


以上、「東京流れ者」に登場する「カッコいいセリフ(≒ あまりにもキザで、思わず噴き出してしまうセリフ)」をご紹介してきました。


名ゼリフを考える際に、参考にしてみてくださいねー!!


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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