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リア充が陰キャからストーキングされて、ひどい目に遭う話!!|『危険な情事』(2)


 前回に引き続き、映画「危険な情事」をベースに新しい物語を妄想します。

※「危険な情事」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「危険な情事」は不倫相手が恐ろしいストーカーと化すサスペンス映画ですが、「『不倫相手以外の人』がストーカー化しても面白くなるのでは?」ということで……さて!一体誰をストーカーにしましょうか?


案①


三葉 まずは、「危険な情事」のストーリーをざっくり確認しておきましょう。すなわち……。



嘉村 ふむふむ。

三葉 さて「案①」は……「男子高校生が、酔った勢いで、地味で目立たないクラスメイトと性交してしまう。そしてストーキングされる物語」です。



嘉村 ほぉ。

三葉 主人公は、どこにでもいるような高校生。性に奔放な子ではない。かと言って、堅物でもない。まぁ、ごくごく一般的な男の子です。舞台は……そうですね。文化祭の夜にしましょう。

嘉村 ふむ。

三葉 文化祭が終わり、クラスのみんなでカラオケに行って大盛り上がり。やがて深夜になるが、まだ帰宅する気にはなれない。しかし彼らは高校生。金がない。町を徘徊して補導されるのもバカらしい。行く当てを失い……高校に戻る。もう教師も帰宅したようで、静まり返っている。彼らは校門を乗り越え、校舎に侵入する。

嘉村 なるほど。

三葉 彼らは教室で車座になってみるが、どうも手持ち無沙汰だ。高揚した気分を持て余してしまう。……で、こういう時に高校生がやることって大体決まっているんですよね。そう、酒です。ジャンケンで負けた者がコンビニで酒を調達してくる。彼らは高校生であり、大半は酒の経験がありません。しかし、こういう時に大人ぶってしまうのも高校生らしいところです。主人公も強がって、「喉越しがたまんねぇなぁ!」なんて言いながらビールを飲む。胸の中では「喉越しって何だよ……」と自分にツッコんでるんですけどね。

嘉村 ふむふむ。

三葉 で、翌朝。主人公は、なぜか体育館倉庫で目を覚ます。教室にいたはずなのに……初めて飲んだ酒のせいだろう。何も覚えていない。主人公は重い頭を振る。その時、彼は初めて気づく。彼の隣で、クラスメイトの女子生徒が眠っていることに!そして、2人が素っ裸であることに!!

嘉村 ほぉ!

三葉 間もなく、女子も目を覚ます。彼女は恥ずかしそうに頬を染め、そして「私たち……しちゃったんだね」なんて呟く。

嘉村 ほぇー!

三葉 主人公は衝撃を受ける。大して親しくもない。そして……特別かわいくもないこの子と、一体全体なぜこんなことになってるんだ!?主人公は必死に思い出そうとするが、ダメだ。やはり何も思い出せない……というのが冒頭です。

嘉村 なるほど!なかなか引き込まれる展開ですね!

三葉 さて……主人公は、その女子に特別な感情は抱いていない。というか、それまでほとんど話したこともありませんでした。さらに加えて、彼には好きな女の子がいる。

嘉村 ふーむ……。

三葉 彼は、「酔っていて覚えていないんだ。でも、その……アレがソレのようで……本当に申し訳ない」と誠意を込めて謝罪する。女子は小さくうなずく。ホッとする主人公。万事解決したと思うのですが……それ以降、その女子がまるで彼女のように振る舞うのです。

嘉村 ほぉ。

三葉 どうも勘違いさせてしまったようだ、と主人公は考える。そして「オレたちは付き合っているわけではないし、付き合うこともできないんだ。わかってくれるかな?」と、やはり誠実に対応する。……なんてやりとりを経て、女子は徐々に恐ろしいストーカーと化していきます。

嘉村 ふーむ……その女の子って、地味で、クラスでもあまり目立たないタイプの子でしたっけ?

三葉 そうですね。

嘉村 ふむふむ。きっと、無口な子なんでしょうね。成績は真ん中くらいかな。スポーツは苦手。特に誰からも嫌われていないけれど、特別好かれているわけでもない……みたいな。

三葉 そうそう。

嘉村 そんな子が、急に彼女のように親し気に接してきたり、そうかと思えば次第に恐ろしいストーカーになったり……うーん、これは怖い!


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案②」は、「男子大学生が、何気なく同学科の陰キャを飲み会に誘う。そしてストーキングされる物語」です。



嘉村 今度は「陰キャ」ですか。

三葉 ええ。ここではざっくり、「陰気な性格で、友だちはいない。普段は1人で行動している男子大学生」をご想像ください。

嘉村 ふむ。

三葉 一方、主人公は「リア充」です。理解ある家族、かわいい彼女、そして愉快な仲間たちに囲まれ、充実した大学生活を送っている。

嘉村 ふーむ……イラっとするキャラですね。

三葉 そんなある日のこと。大学の講義が終わり、主人公はいつものように同学科の仲間と飲みに行こうとする。ふと見ると、教室の片隅に陰キャな彼。主人公は何の気なしに声をかける。「よぉ、○○くん。このあと時間ある?よければ一緒に飲みに行かないか?」。しばらく沈黙があって、陰キャがうなずく。

嘉村 ほぉ。

三葉 主人公は、別段嫌なヤツではありません。「陰キャを連れて行って笑いものにしてやろう」なんて悪だくみしているのではない。本当に何の気なしに誘ったんですよ。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そして飲み会。当然のことながら、陰キャは孤立する。彼に声をかける者はいない……主人公を除いては!主人公は陰キャな彼を気遣って、積極的に話かけてやる。これが物語の冒頭です。

嘉村 ふーん。主人公はいいヤツなんですね。で、物語はその後どうなるんですか?

三葉 はい。飲み会後、陰キャな彼が、誘ってもいないにのに飲み会やカラオケについてくるようになります。

嘉村 おお。怖くなってきましたね……。

三葉 主人公の友人らは、「また来てるぜ……」、「何だよあいつ。気持ち悪いなぁ」、「あいつがいると暗くなるんだよなぁ」と不満を漏らし始める。しかし、主人公は気のいいヤツです。「まぁ、そんなこと言うなって!」と彼を受け入れてやる。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さらに、休日。主人公が彼女とデートしていると……偶然とは思えぬ頻度で出くわし、デートにまでついてくるようになる。

嘉村 おー。

三葉 温厚な主人公も、これにはイラっとする。

嘉村 まぁ、無理もありませんね……。

三葉 主人公は、「付きまとうのは止せ!」と強い口調になる。しかし、陰キャの行動はどんどんエスカレートしていって……という具合ですね。

嘉村 なるほどねぇ。きっと陰キャくんは、飲み会に誘われたのが本当に嬉しかったんでしょうね。そして一方的に特別な感情を抱き、付きまとうようになった……。

三葉 そうですね。「危険な情事」では、恋愛感情からストーキングが始まりますが、「案②」では友情が原因。つまり、「危険な情事」のストーリー構造は、恋愛関係や性行為が存在しない物語にも適用できるということです。


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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