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エッセイ・コラム

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2024年2月の記事一覧

たくさんのことばは、こころのなかに

たくさんのことばは、こころのなかに

きわめてどうでもいい話だが、私はあまり饒舌なほうではない。
それゆえ、いろいろしゃべった数時間後なんかに「あれ言っておけばよかったな…」と後悔する日々を常に送っている。
幼少期にも口げんかをして(大体負ける)、寝る時間なんかになると「そうか、あの時ああいえばこうなったな…」と悔しい思いをしたことは一度や二度ではない。

「氷山の一角」ということばがある。ぴょこっと氷山が海から出ているが、実はその海

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金を積まれてもできないことがサラっとできちゃう人は人間性がすげえのかも

金を積まれてもできないことがサラっとできちゃう人は人間性がすげえのかも

お金を単に積まれればなんでも頑張れるほど世界は単純ではないし、何ならお金を積まれてもできないこともある。

足元では至る所で戦争が起きている。兵隊だけではなく、自らの意志で戦うことを決めて戦地に赴き、そして命を落とした方々も多くいるのだ。かつて日本でも特攻隊の方々がいたが、上からの命令で飛行機や人間魚雷で命もろとも敵に突っ込んでいった人たちが実際にいた。

こうしたことを「10億円やるからやって」

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足が速い男にキュンとするのは多分本能です

足が速い男にキュンとするのは多分本能です

小中学生のころ走るのが速い男子は決まってモテていたものである。

大人になっていくと全力で走る機会がなくなることもあって足の速さがことさらに取り上げられることは少なくなるけれども、実は「足が速い」ということは人間が持つ魅力として極めて原始的で、本能的に人を惹きつけるものなのだろうと思う。

かつて人間は狩りをしていた。狩りをするときには当然ながら成功するほうがいいわけで、となると足が速いほうがいい

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事件を目の当たりにして、まずスマホを構える現代人がちょっと怖い

事件を目の当たりにして、まずスマホを構える現代人がちょっと怖い

携帯電話が爆発的に普及して久しい現代にあって、写真を撮るという行為は極めて日常的で簡単な行為になった。
思えば小さな頃、写真を撮るためには使い捨てのカメラを買って、数十枚という限られたフィルムを使い切らぬよう、子供なりに悩みながらシャッターを切っていたものである。

私はそれほど写真を多く撮るタイプではなく、3年ほど使っている携帯電話の写真フォルダにはいまだに100枚ほどの写真しかない。多分それは

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文句を言うほど嫌な仕事を人はなぜ続けるのだろう

文句を言うほど嫌な仕事を人はなぜ続けるのだろう

人は合理的に見えて、時に矛盾したことをしはじめる、不思議な生き物である。

例えば、会社で文句を言う人がいる。
でも、なぜかわからないがその人は全然辞めないのである(なんなら、その人に当たり散らされている人が辞めている)。
文句を言ってまでそこに居続けて仕事をするというのは、よくよく考えたら妙な現象でもある。そんなに文句があるならよりよい環境を探すほうが合理的だ。

文句を言う人の周りには、まとも

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10年前でも、もう幼い顔だと感じるようになった

10年前でも、もう幼い顔だと感じるようになった

実家に長らく置いてあった私物を持ち帰って見返していると、昔の写真が出てきた。
大学時代に学びを共にした、学友の写真である。

私は大学の時分、外国語学部で学んでいた。外国語学部は計画的な留年や不勉強による思いがけない留年が多いことで知られ、次第に人数が減っていくのが常であるのだが、出てきた写真は1~2回生のころのものだったのもありみんなが(おおむね)ちゃんと揃っていたので、懐かしく眺めていた。

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