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銀座大石 2024.08



はじめに

銀座にあるカウンターフレンチ、「銀座大石」に再訪しました。
前回の訪問はこちら↓

勝手に評価!

  • 総合評価:4.5 凄く良い!

  • 料理・味:4.4

  • サービス:4.4

  • 雰囲気:4.4

  • コスパ:4.8

実際に食べたもの

前半

アミューズからメインまでご紹介します。

鰹のタタキとキャビアのグジェール

「形は同じだけれど、中身はいつも異なる」、楽しみな一品。
戻り鰹のタタキをタルタルにし、中には玉ねぎクリームを忍ばせて、グリエールチーズで作ったグジェールで挟みます。上には自家製の燻製キャビアをたっぷりとにんにくチップスを添えて。
キャビアから来る燻製の香りやグジェールの塩気とコクが、戻り鰹の脂乗りをさらに引き立たせます。(一方で、にんにくチップスが若干行方不明…?)
夏らしい爽やかな旨味と甘みを感じる一品です。

生ウニのコンソメゼリーのせ
カリフラワーのクリーム添え

スペシャリテの1つ。
ウニの濃厚な甘みと磯の香り、しっかり濃ゆいコンソメゼリー、柔らかくまろやかな甘みのあるカリフラワークリーム。
それぞれの甘みとコクと塩気が調和し、とてもじゃないけれど手を止められない。
まさに三位一体の一品です。

エビ、アボカド、タルタルソースのトルティーヤ

最近は多国籍のお料理を「銀座大石式フレンチ」にアレンジしてお出ししているそう。パスタやサンドイッチに続いて、今回はトルティーヤです。

とうもろこしで作ったクレープ生地に、車海老のベニエと2日間寝かせた甘海老のタルタル、アボカドやワカモレ、タルタルソース、仕上げにカクテルソース。
肉厚むっちりな車海老に、甘エビのミルキーな甘み。
少し酸味の効いたタルタルソースとカクテルソースのほんのり辛みが味を引き立て、引き締める。

すっぽんコンソメ、蜘蛛の糸

12〜13時間も間、すっぽんを煮込んで作ったコンソメ。味付けがしっかり濃ゆくも、柔らかな口当たりです。
細くも喉越しが良く、海由来のミネラルを感じる「蜘蛛の糸」がよく合います。(以前のそうめんよりも、こちらの方が相性が良く感じました)

パイ包みの仕込み

ハーブを加えた鯛のすり身のソース、きゅうり、大葉、太刀魚をミルフィーユのように重ねて仕上げます。
どんなお味なのだろうと、出来上がりが待ち遠しくなります…

前半続き

八寸

8月の今回はお盆に因んで、お馬さんとお牛さんを。
先祖様を早くお迎えしお連れする馬を胡瓜に、先祖様をゆっくりお帰りさせる牛を茄子に準えて。
懐かしさに、少しばかりしんみりとしてしまいました(笑)

野菜のゼリー寄せ、フレンチドレッシング

こんなに野菜を美味しくさせるお料理は中々ない。
野菜それぞれが丁寧に調理がされている。
例えば、椎茸は身は引き締まりつつも、程良くジューシー。茸の嫌な香りは全くなく、甘みと旨味しかない。
ゼリーのほろ苦さやフレンチドレッシングの柔らかな酸味と塩気が、野菜やホタテの魅力をより引き立てる。
いくらでも頂きたくなります。

うさぎのゼリー寄せ、キャロットラペ

肉肉しい元気な弾力の中に純粋な旨味を感じるうさぎ。
ゼリーにはコンソメの優しいコクをベースに、ハーブとトマトの爽やかさが加わり、食べ応えはあるけれどすっきり軽やか。
ラペはゼリー寄せの繊細な味付けに合わせて、酸は控えめです。

鯵の炙りマリネとクスクスのサラダ「タブレ」

クスクスサラダには、きゅうりとズッキーニとパプリカが入っており、自然な甘み。
鯵は旨味はたっぷりながら、さっぱりとした脂乗りとほんのりと酸味が効いている。炙られたことによる香ばしさも相まって、ペロリと完食。

鮎のコンフィー、じゃが芋のカリカリ焼き

岐阜県の郡上鮎は柔らかく、すぐに口の中で消えてしまう。
じゃが芋の甘みとカリカリに焼かれたことによる香ばしさが、鮎特有の苦みを和らげて心地良い後味を生み出す。
きゅうりの瑞々しさと白ワインビネガー(恐らく)の柔らかな旨味が効いたソースも大変好み。昨年よりも鮎との相性が良く感じました。

無花果とフォアグラの最中

福岡産の無花果「とよみつひめ」はフレッシュとジャムの2種類、フォアグラムース、アクセントとしてサブレクッキーとラズベリーがサンドされております。
無花果のフレッシュでとろんとした甘みとフォアグラの濃厚な甘みの組み合わせは、まさにデザート!!
ラズベリーの甘酸っぱさが良いアクセントで、贅沢なお口直しです。

鳩の北京ダック風実演

鳩はクリスピーチキンの要領で、水飴と蜂蜜ベースのマリネ液に漬けてから干し、最後に仕上げで油を掛けます。

お暑いはずなのに…チャーミングなリアクションをしてくださいました。

前菜続き

お兄さんが笑顔で断面をお見せしてくださいました。
断面が綺麗です。

太刀魚ときゅうりのパイ包み焼き、デュクレレソース

本来パイ包みに水っ気のある食材は不向きに思われますが(せっかくのパイがベチャッとしてしまう)、どちらの良さをも引き出すのが大石さんの真骨頂。
何ときゅうりの瑞々しさも、パイ生地の香ばしさも最大限活かされている。
太刀魚はふわっと丁度良い火入れ、大葉の爽やかな香りと驚くほどに軽いパイ生地で、見た目以上に軽やか。
デュクレレソースは茸やエシャロットの旨味がたっぷり、トマトの瑞々しさと白ワインの奥行きある酸が味わい深くも軽やかに仕上げています。

おかわりもご用意いただけるようで、お言葉に甘えて…ちゃっかり2回おかわりと追いソースもお願いしました(笑)

中国広州産鳩の北京ダック風

鳩は臭みは全くなく、マッチョながらも柔らかな肉質の中に若々しい旨味が詰まっています。
皮はパリッと香ばしく、皮のジューシーさも感じられます。
手前のバルサミコの濃厚な甘みが効いたソースも、奥のスパイスと合わせたお塩も、食欲倍増のアクセント。

北海道別海町「山びこ」さんの鹿のロースト
ポワブラードソース

噛み締める度に、柔らかな弾力の中から滴る肉汁と瑞々しい旨味!
とても繊維の細かくシルキーなスポンジに混じりっ気ない旨味のジュースを染み込ませたような。
赤ワインのコクと柔らかくスパイスが効いたソース、爽やかな青味と甘みが効いた根セロリを絡めると奥行きが加わる。
夏らしい瑞々しさと、フレンチらしい足し算の味わい、両方が堪能できます。
こちらもおかわり可能で、たんまり頂きました(笑)

コース後半

締めのお食事からデザートまでご紹介します。

鮑のリゾット

1人前のお皿をお見せいただき、サイズをお聞きしてくださいます。

鮑のリゾット、大盛り

ハラリと仕上げられたリゾット、鮑のミネラル感と旨味が鼻を抜けます。
鮑は肉厚な弾力と程よく香るバターの香ばしさとコクが堪らない。
鮑の出汁スープは純粋な旨味が詰まっていて、これは飲める。(笑)

カレーライス、2人前?

バターも小麦も使われていない、野菜の自然な甘みで構成されたカレー。
食後にぴったりな軽やかさと優しい旨味で、2人前をもペロリと完食。

3種のぶどうとゼリー、マールのソルベ添え

ぷちんと肉厚なぶどうと濃縮された酸と甘みの効いたシャルドネゼリー、マールの芳醇な香りが効いたソルベ。
ぶどうやお酒由来の自然な甘みで、さっぱりと涼やか。
一気にデザートモードの別腹に突入です。

ピーチメルバ

下から、ふわふわなスポンジ、バニラアイス、岐阜産飛騨桃、フランボワーズソース、周りにはブリュレされたメレンゲ。
繊維を感じないほどに滑らかでジューシーな桃と濃厚なバニラアイス、フランボワーズソースの甘酸っぱさ。
ボリューミーながらも、「冷たい」と「温かい」が絶妙に絡み合い、病みつきになる一品。

サービス

いつも同じ内容となりますが、大石さんはじめとする皆様はサービス精神に溢れております。
何百人ものゲストをお出迎えされているはずなのに、名前や顔は勿論、ゲストそれぞれの好みや嗜好を覚えてくださっていることに感服。
沢山お話したい私に対して「最近どこ行ったの?」と話を振ってくださっり、以前来店した母のことも覚えてくださって「おかあちゃん元気?」と聞いてくださったり。
また、皆が楽しめるように、「北京ダック風」の油かけの実演では、各ゲストの視角を意識されて披露されていました。

お値段

コースとドリンク1杯(白ワイン)で36,960円/1名でした。
この内容でこのお値段は、本当に貴重なレストランだと思います。

まとめ

夏の時期は全体的により軽やかであるため、その分一品一品をたっぷり頂けました。
ということで、来たる秋冬のために、おかわり盛り盛り、カレーも2人前(超?)に食べ溜め?させていただきました(笑)
次の訪問が楽しみです。


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