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大量生産・消費から抜け出したい友人へ/私の想いと手編みのセーターを贈る🧶

時は、遡り今年の2月。


わたしは、負の思考を逸らすために
編み物に精を注いでいた。


その時は、
ぼうしやかばん、ヘアゴム、ポーチなど
小物をかぎ針で編んでいた。

無心になれる編み物は、
休養に最適だった。


その当時、友人に
最近編み物をしていると言うと


「セーターがほしい!」

というリクエストがあった。


初めは、

冬だから
セーターがなんとなく欲しいのかと
思っていたのだったが、、

連絡を取るたびに

「セーター編んでくれたら本当に嬉しい!」

と言ってくれていたので、

友人の本当に欲しいと言う気持ちが
徐々に伝わってきた。



しかし、
その時は不思議でたまらなかった。




わたしからすると、


セーターをプレゼントするという行為は
友人にとって、
重たい行為にはならないのだろうか、、

その重たさを拭ってでも
セーターがとても欲しいのか、、


というようなことに
疑問を抱いてはいたけれど、、、



「セーターが欲しい!」

と言ってくれる
友人の気持ちに応えたく、


初めての輪針でセーターを編むことに
したのだった。



かぎ針から輪針へ、、、


使う道具も編み方も全く異なる
新たな領域への挑戦。


できるかどうか、不安だった。



でも、


セーターの編み方の動画見るたびに
どこから自信が湧いてきたのかわからないが、
できる気がしてくるのだった。




いざセーターを編み始めた。

今まで、かぎ針に慣れていたわたしは

まず、びっくりしたのだった。

その進捗の遅さに。

今まで作っていたぼうしやかばんは、
1日で仕上がるのに対し、

セーターは、頂上の見えない山を
登っているかのように、
編んでも編んでも
進んでいる気がしなかったのだ。



編み始めて
こころが少し折れかかった頃、

セーターをリクエストしてくれた友人と
ご飯へ行くことになった。


その際、セーターの話になり、

以前より気になっていた

「なぜそんなにも
 手編みのセーターが欲しいのか。」

という疑問を問いかけてみた。



すると、友人はこのように答えた。


「今は、大量生産・大量消費の時代で
 みんなが同じものを着ている。
 そして、その生産過程では、
 劣悪な労働環境等も問題になっている。

 だから、そのような
 大量生産の服を購入する
 消費の在り方ではなくて、
 ものを大切にでき、かつ、一点物の服が
 欲しいのだ。」

と、、、


わたしは、驚いた。

こんなにも強い想いで
手編みのセーターを
欲しいと思ってくれていることに。


そして、彼女の考えに強く惹かれ、

折れかけていたわたしのこころに
火がついたのだ。



絶対にセーターを完成させてみせる!と。


その友人の体型や嗜好に
完全にカスタマイズし、
唯一無二のセーターを作る!
と。




そこから、一気にエンジンが入り

どのようなデザインだと
着やすいか、
普段の服に合わせやすいか、

どのように編めば
シルエットがいい感じになるか、

などを考え、

丈の長さ
袖の長さ
編み目の大きさ
首周りの空き具合、、、

細部までこだわった。

編み始める前から
色合いや糸の質感は
自分が納得できる物を使いたいという想いから
詳細に調べ、厳選はしていたのだが、


編みながら、愛着が湧いてくるのか、
細部のデザインへのこだわりが
強くなっていったのだった。



そして、
想いが強くなるにつれ、
リズムよく編み上がり、

山頂の見えない山登りは
いよいよゴールが見え、
遂に登り切ったのだ。



凄まじい達成感。

そして

自分の可能性に最大限に負荷をかけ
何かを成し遂げるということの素晴らしさ。

その時は、
なんとも言えない
清々しい気持ちだった。



実は、セーター作りへの
やる気が上がった要因は、
友人の想いの他に、もう一点ある。

編みながら、
もしもわたしが服のブランドを作るなら
どんなフィロソフィーを持つブランドを
つくるだろうか、という発想から

今回のセーターの
ブランドコンセプトを考えていたのだった。



そして、それが
わたしのやる気をさらに上げたのだった。



起業をしたわけではないけれど、
何かのブランドや商品を生み出すという
擬似体験を通して、
その楽しさや喜びを味わっていたのだ。

営業をしていた頃、
様々な企業の理念やフィロソフィーを
見てきた。



その中でもわたしは、


社長の想いや
起業のストーリーが詰め込まれている
理念やフィロソフィーに
惹かれることが多かった。



だからわたしも、
もし、ブランドを作るのであるならば、


わたしの歩んできた軌跡と
これからの想いを
ブランドや編んだセーターに託したい、、

そんな想いで
コンセプトを考えた。

企業が、
会社やブランドに
生命の息吹を吹き込む時の気持ちは
こんな気持ちなのだろうか、、
と思いながら。



そのコンセプトは、
セーターのこだわりポイントとあわせ
デザインにして、

完成したセーターと共に
プレゼントをしたのだった。



友人に出来上がったと報告をするのも
とても緊張したが、

渡しに行くまでの道のりは、

緊張感と高揚感が混じり合い

なにゆえ
ドキドキしているのか分からなかった。



1ヶ月を経て
セーターを待ちわびていた友人は
目を輝かせて受け取ってくれた。


とても喜んでもらえたようで、

友人の家族や知り合いに
たくさん自慢をしてもらった。



たった一つのセーターで、
こんなにも喜んでもらえるなんて、、

わたしもとても嬉しかった。


その時のこころの底からの喜びは

友人以上に、

セーターを編むという挑戦の機会を
与えてもらったわたしの方が、

きっと感じていたのではないだろうか。




誰かの想いに本気で応える時、
わたしも最大に輝くことができる。



ひとつの物作りを通して、

友人の想い
また、
消費の在り方

わたしの想い
そして、
限界への挑戦等

様々なことを学んだ
とても貴重な体験となった。




このような貴重な経験をさせてくれた
友人に感謝の意を込めて、、、

2021.5.1   Haruka.・*より


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