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《注意集中に課題があるタイプ》のアセスメントとその支援の方法  その6 具体的な支援の方法⑤

「ユニバーサルデザインの授業法(どんな子どもにも分りやすい授業法)」の解説の続きです。

授業の流れの中で-2

10  準備物を出すタイミングは適切か

 準備物の出すタイミングは、大事です。凸凹タイプは、目の前によけいなものがあると気が散りやすく、触りたくなるからです。当然、先生の話は聞かなくり、目の前の準備物で遊んで怒られます。
 だから「ブロックを出しなさい」と言ってから、ブロックの説明をするのは、落とし穴を掘って子どもを落としているようものです。ブロックの説明をしてから、ブロックを出すべきです。もしくは、ブロックを動かしながら、説明をするべきです。

 「一番、目の前にあって、我慢するのがきついのはなに?」と子どもに聞いたら「理科の実験道具を配っておいてから、今日の実験の手順を説明すること」と答えていました。実験道具ほど興味深いものは、他にないそうです。 2位は、天秤ばかりでした。


11  授業の導入に工夫を凝らしているか

  凸凹タイプは「この授業が、面白いかどうか」「この授業を、聞くかどうか」を初めの数分で判断してしまいます。抑制が弱いので、我慢する時間が短いのです。だから、最初の数分で「面白くない」と判断すると、たちまち気が散ってしまいます。
 だから、最初の数分で、子どもたちを引きつける導入が必要です。一端引きつけると《0か100かの考え方》をしているので、最後まで注意集中を切らすことなく学習することができます。


12  忘れ物をした子どもの指導は適切か

  凸凹タイプは、忘れ物が多いです。
  ・勉強に興味関心がないから、忘れやすい。
  ・整理整頓が下手で、どこに何があるか分からくなって忘れる
  ・面倒くさいがって、連絡ノートを書かないから忘れる。
  ・用意しておいたのに、うっかり忘れる。

発達上の弱さがあって、わざとではないが忘れるのです。そして、コミュニケーションも弱いので、自分からは先生に「貸して欲しい」とも言えないのです。

 だから「忘れ物をしたときは『すみません。~を忘れましたので、貸してください』と言う」と覚えてください」と指導する必要があります。

 そのためには、忘れ物用として先生が準備しておく必要があります。「忘れたものを、貸すのが良くない」という意見もあるかもしれませんが、貸さないと注意集中が切れるだけでなく、遊んだり何もしなかったりするのでクラスに悪影が出ます。だから、貸した方がいいでしょう。それに、わざと忘れているのではないのですから。 

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この続きは《その7 具体的な支援の方法⑥》に書きます。


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