関本佳史

コントをしている人間。

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記事一覧

無知無知の無、おまけ

「おまけ」についてあれこれあれこれ書こうかいな、と思う。というのも、哲学イベント「無知無知の無」なるものを月一で行っていて、それが明日であり、つまるところ明日「…

関本佳史
4日前
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小説  酒場の陰謀さん

 目を覚ますと必ず寝室のどこかにちくわが落ちている。四本入りのものが一パック落ちている。枕元のこともあれば押し入れの前ということもある。不思議と寝室以外には落ち…

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関本佳史
5か月前
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維新を支持する人にはそう見えるのだろうか

 娘が中学一年である。興味の対象は変わっていくいようで、その昔観ていたものを今は観ていない。「プリキュア」というアニメである。  プリキュアを乱暴に説明すると四…

関本佳史
9か月前
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小説 中年と海、と池 4

 明人君、あなたが産まれたときは 「あ、産まれましたね」 ぐらいでした。 しかし、だんだんだんだんね、俺が来るところ来るところついてきて、パパ言われたらだんだんそ…

関本佳史
9か月前
4

小説 中年と海、と池 その三

 吉岡君は一年の夏休み前に学校を辞めた。ゴールデンウィーク前ぐらいには不登校となり、クラスの誰もが吉岡君の存在をすぐに忘れた。どうして俺は覚えているのかと言うと…

関本佳史
9か月前
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小説 中年と海、と池 その2

「あのさ、みな夫婦でってことになってるんよね、ごめんね、なんか関西の財界のえらいさんがあつまるらしくて、なんというか」 「いや、ええよ」 「ほんとごめんね」 ゴル…

関本佳史
9か月前
3

小説 中年と海、と池 一

 この世界は自分と自分以外で構成されているようである。今やっと気が付いたか、今年で四十の人間が気づくことやないで、もっとしっかりせなならんでと言われそうだが、や…

関本佳史
9か月前
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そこは置物のある場所

 何かを書こうと思ったのは単独公演を行うからであります。コントを八本。来てほしいのだ。来てほしいから、こういうのを書けばなにかのきっかけになるかもしれないと思い…

関本佳史
2年前
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可朝師匠に五郎師匠

#推しの芸人 こんにちは、関本佳史というものです。 私はコントをしています。ということで、こういうお題なので、どの芸人がいいかというと、自分ですな。関本ぶりきが出…

関本佳史
2年前
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物語というやつです

残りの人生も少ないのでなにやらええ格好というか、お前がよくもそんなことを言えるもんだねええ、なんてことも書いてもいいのではないだろうか、なんてことを思ったのだ。…

関本佳史
3年前
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ハイキューを観ている

 娘がハイキューとアニメを観ている。原作は漫画だそうだ。娘が観ているし、妻も観ている。で、私の住処にはテレビが一台しかない。そうなるとおのずと私もそのハイキュー…

関本佳史
3年前
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こおろぎ73を思いながら

 夏と冬を乗り切っているうちに歳をとる。そんなことの繰り返しのような気がするのだ。歳をとった。体力が落ちたとかそういうことはあまり思わない。昔からそんなに体力は…

関本佳史
3年前
2

ぼんやりとしているのだ

どうすれば私のコントを観に来てくれるだろうか。そればかり考えている。嘘だ。わりとほかのことも考える。根が暗いので、暗いことばかり考えているが、暗いと不平をいうよ…

関本佳史
3年前
2

膝と腰が痛いのである。

人間なんてらららららだね、暑いね、どんならんね、もうね、ビール飲んで寝るね、ああ、もう、しかしまあそれはそれでね、いいかも知らんしね、戦争は嫌だぞ、ほんにほんに…

関本佳史
3年前
2

歯医者と無縁な人生がええのだが

 奥歯が虫歯であり、虫歯は辛い、痛い、ということで歯医者へと向かう。週に一度程度。歯医者さんには感謝である。そりゃまあ無料で治療してくれるわけではないが、なかな…

関本佳史
3年前
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人目をはばかったりはばからなかったり

 人前でなにやら立派なことを言うのが嫌いであるが、好きな人もいる。立派なことを言う人を見ると、 「胡散臭いなあ」 と思ってしまい、なんだかおもしろくなってくるのだ…

関本佳史
3年前
3

無知無知の無、おまけ

「おまけ」についてあれこれあれこれ書こうかいな、と思う。というのも、哲学イベント「無知無知の無」なるものを月一で行っていて、それが明日であり、つまるところ明日「おまけ」についてあれこれあれこれお客さんと話すことになっているからである。レジュメっぽいがレジュメとは呼べない文字の集まりを書くつもりだ。レジュメ、ね、ある時大人が不意に言い出す、レジュメと。なんだよ、レジュメってとなるがレジュメも知らずに

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小説  酒場の陰謀さん

 目を覚ますと必ず寝室のどこかにちくわが落ちている。四本入りのものが一パック落ちている。枕元のこともあれば押し入れの前ということもある。不思議と寝室以外には落ちていない。必ず寝室に一パックのちくわ。透明のパック、真ん中に縦書きで「ちくわ」とある。製造年月日は2050年8月3日。現在は2023年8月8日。この表記が印字ミス、何者かのイタズラ、わざと先の日付を書いた、というような事でないとするならば未

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維新を支持する人にはそう見えるのだろうか

 娘が中学一年である。興味の対象は変わっていくいようで、その昔観ていたものを今は観ていない。「プリキュア」というアニメである。

 プリキュアを乱暴に説明すると四、五人の女子中学生が毎回毎回化け物を倒していくアニメである。だいたい最終回はものすごく強い化け物を倒して終わりとなります。こういう設定で大事なのは

「警察や自衛隊に頼むのが筋ではなかろうか」という考えはまったくないということです。そうい

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小説 中年と海、と池 4

 明人君、あなたが産まれたときは
「あ、産まれましたね」
ぐらいでした。
しかし、だんだんだんだんね、俺が来るところ来るところついてきて、パパ言われたらだんだんその気になって、結婚してよかったなあと思いました。じゃ、なぜ別れたのかというと、それはママの実家がヤクザの家だったこともあるし、断熱材にまみれてかゆくてかゆくてしょうがないのにママが知らん間にアウトドアの品物買ったり、そういうのに不満があっ

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小説 中年と海、と池 その三

 吉岡君は一年の夏休み前に学校を辞めた。ゴールデンウィーク前ぐらいには不登校となり、クラスの誰もが吉岡君の存在をすぐに忘れた。どうして俺は覚えているのかと言うと、ちょいちょい家までプリントを届けていたからだ。担任はパンチパーマのおじさんで、怖い怖いと言われていて、現に怖かった。おそらく民間の会社ではパンチパーマをあてれないから教師になったのだろう。パンチパーマをあてるためにヤクザか教師を天秤にかけ

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小説 中年と海、と池 その2

「あのさ、みな夫婦でってことになってるんよね、ごめんね、なんか関西の財界のえらいさんがあつまるらしくて、なんというか」
「いや、ええよ」
「ほんとごめんね」
ゴルフは予選も含めてそこそこの日数をかけることはしっているが、昔の同居人はプロゴルファーではない。一緒に暮らしていたころはだいたいいつもスマホでゲームをしていた。それが夏場にゴルフである。離婚してから何があったよ。そちらの世界は楽しいか。ま、

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小説 中年と海、と池 一

 この世界は自分と自分以外で構成されているようである。今やっと気が付いたか、今年で四十の人間が気づくことやないで、もっとしっかりせなならんでと言われそうだが、やっと気が付いたのだ。今まで何をしていたかというと、ぼおおとしていたのだ。  
「今年は暑いな、今年も暑いな、冬がくるなんて信じられないな、こないんじゃないかな、おや、おや、少し涼しくなってきたなと思ったらめっちゃ寒くなってきたぞ、寒くなって

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そこは置物のある場所

 何かを書こうと思ったのは単独公演を行うからであります。コントを八本。来てほしいのだ。来てほしいから、こういうのを書けばなにかのきっかけになるかもしれないと思い、書くのだが、なにかのきっかけになってほしいが、ま、なんにせよ、書く。

 何かを書くとなると、何かがいる。うどんについて書いたり、そばについて書いたり、ま、そういうのだ。うどんもそばも食べ物である。食べ物、それはいい。うどんもそばも食べ物

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可朝師匠に五郎師匠

#推しの芸人
こんにちは、関本佳史というものです。
私はコントをしています。ということで、こういうお題なので、どの芸人がいいかというと、自分ですな。関本ぶりきが出てるライヴにきてね。終わり。とはならない。
も少し書く。

 これはどえらかったなあ、という芸人の方について書きます。

月亭可朝師匠。
河内長野ラブリーホールにて観覧させていたただく。これはどえらかった。どえらかったのだ。舞台上で人はい

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物語というやつです

残りの人生も少ないのでなにやらええ格好というか、お前がよくもそんなことを言えるもんだねええ、なんてことも書いてもいいのではないだろうか、なんてことを思ったのだ。故に書く。書く。

お前はそんな大した存在かと言われれば、別段対してはいないが、生きてるだけで丸儲けと笑福亭松之助師匠も言っている。物語、私はコントをしている、コントというのは物語だろう。たまに芝居の台本を書く、それもまた物語だろう。

 

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ハイキューを観ている

 娘がハイキューとアニメを観ている。原作は漫画だそうだ。娘が観ているし、妻も観ている。で、私の住処にはテレビが一台しかない。そうなるとおのずと私もそのハイキューを観ることになる。バレーボールを日本語表記すると排球となるらしい。ハイキューとは、バレーボールをする高校生の話である。高校生が一生懸命バレーボールをする話である。いつもバレーボールをしている。もしくはバレーボールの話をしている。この世にはバ

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こおろぎ73を思いながら

 夏と冬を乗り切っているうちに歳をとる。そんなことの繰り返しのような気がするのだ。歳をとった。体力が落ちたとかそういうことはあまり思わない。昔からそんなに体力はなかった。若いころと何が変わったか。
「間違いなく夜中にトイレで起きる」
ということである。
尿意。大昔、尿意を感じても起きなかった。おぎゃあとこの世に生まれて幾年かは小便を布団の上行うという行為が認められていたのであるが、四十一になれば布

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ぼんやりとしているのだ

どうすれば私のコントを観に来てくれるだろうか。そればかり考えている。嘘だ。わりとほかのことも考える。根が暗いので、暗いことばかり考えているが、暗いと不平をいうよりもすすんで灯りをつけましょう、と早朝のラジオは言っている。心の灯。考えると思うというのはどう違うのかわからないが、大体の場合は思っていることのほうが多いように思う。

「村上龍は毛の量多くて顔がでかいなあ」

と電車で思ったのだ。ふいに。

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膝と腰が痛いのである。

人間なんてらららららだね、暑いね、どんならんね、もうね、ビール飲んで寝るね、ああ、もう、しかしまあそれはそれでね、いいかも知らんしね、戦争は嫌だぞ、ほんにほんに、なんて思って生きています。歳をとると変化を嫌がるそうですな、ま、そうしたもんだろう。歳をとる、身体が動かない、膝と腰が痛い、毎日は決まっているほうが身のこなしがさだまっていいような気がする、今日はあの街、明日はあの店なんてことはあまり好ま

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歯医者と無縁な人生がええのだが

 奥歯が虫歯であり、虫歯は辛い、痛い、ということで歯医者へと向かう。週に一度程度。歯医者さんには感謝である。そりゃまあ無料で治療してくれるわけではないが、なかなかやれる仕事ではない。人の口の中を見る。そして歯をあれこれする。
 好きなものや好きなことがある。私はビールを飲んで寝室で寝転ぶのが好きだ。網戸から風がはいってきたりなんかしたらもうリラックスもいいところ。適度にラジオがあればよいな。そうい

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人目をはばかったりはばからなかったり

 人前でなにやら立派なことを言うのが嫌いであるが、好きな人もいる。立派なことを言う人を見ると、
「胡散臭いなあ」
と思ってしまい、なんだかおもしろくなってくるのだ。で立派なことを言っている人はこういう。
「人が真面目に話してるのに何がおもしろいのだ」
それの何がおもしろいかを説明などできるわけがないではないか。笑いとか涙とかそうそう簡単には説明できない。

 近所に市立の体育館がある。そこは休日、

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