ハイキューを観ている

 娘がハイキューとアニメを観ている。原作は漫画だそうだ。娘が観ているし、妻も観ている。で、私の住処にはテレビが一台しかない。そうなるとおのずと私もそのハイキューを観ることになる。バレーボールを日本語表記すると排球となるらしい。ハイキューとは、バレーボールをする高校生の話である。高校生が一生懸命バレーボールをする話である。いつもバレーボールをしている。もしくはバレーボールの話をしている。この世にはバレーボールしかないのか、というような勢いだ。
部活帰り二人で帰っているとしよう
「北海道のさ、ナマコの密漁てのは夜中にやるらしいから、密猟者がわりと死ぬらしいよ」
「え、嘘、なんでそんなんしってるん」
「さかなとやくざという本に書いてたわ」
「へええ」
なんて会話はでてこない。帰り道の話のタネはだいたいがバレーボールだ。ハイキューの世界ではナマコの密漁の話はでこないが、ナマコの密漁をしている方々はハイキューの話をしているかもしれない。
「冬なったら厳しいで、辞めるんやったらはやめに言うといたほうがええで、ぎりぎりでいうたらしばかれるからな」
「どうしようかなあ、もうちょっと金いるしなあ」
「休みの日なにしてるん」
「あああ、アマゾンでハイキュー観てるわ」
「ハイキュー、戦時中の話」
「いや、バレーボール」
なんて会話があっても不思議ではない。


 感想を書いていなかった。率直な感想。ハイキューはおもしろい、確かに。しかしずっとバレーボールに関してあれこれ展開する。そうやってバレーボールに熱をいれているまさにその時、北海道でナマコの密漁が行われているんだ、
世界とはそういうものだ。

 バレーボールはよく喜ぶ。やったああ、と喜ぶ。サッカーも喜ぶ、点が入ると喜ぶ。野球も喜ぶ、ホームラン打ったらうれしいらしい。ゲートボールは喜ばない。少しは喜んでいるんだろうが、サッカーバレーボールほどは喜んではいないように思う。最近ゲートボール減ったね。グラウンドゴルフが増えたからか。
表向きはわからない。内心ものすごく喜んでいるのかもしれないしね。日本で一番競技人口が多い球技はパチンコだと思います。パチンコ屋の換金所の前で飛び跳ねて喜んでいるところはみたことありませんが、ものすごくうれしいらしいです。実際問題、パチンコの換金所前で
「お兄ちゃん、お祝いにチョコレート食べて、食べて」
とパチンコに買ったおばさんからチョコレートもらいました。あれね、すべてを換金するんやなくて端数おかしとかたばこにしてるんやろね。
バレーボール勝った人からチョコレートもらったことはない。ないのだ。
パチンコが一番人を熱狂させるのか。
パチンコを日本表記するなら金玉だろうか。

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