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エッセイ:大ちゃんは○○である

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大学時代~役者を経て介護業界に飛び込み、現在までを綴るエッセイ。
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2021年2月の記事一覧

エッセイ:大ちゃんは○○である53

エッセイ:大ちゃんは○○である53

大部屋の控え室に到着した僕達にスタッフから渡されたのは、
白いブリーフと白い腰巻のようなものだった。
「では皆さん、ここでこれに着替えてお待ち下さい。
下着も脱いでいただいて、身につけるのはこの2点だけでお願いします。
こちらの準備が整いましたら再度声をかけにきますので、よろしくお願いしますね。」
手に持ち、広げて見てみると思わず笑ってしまった。
『えっ!?地獄の衣類ってこれなの?
はっは~ん、地

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エッセイ:大ちゃんは○○である52

エッセイ:大ちゃんは○○である52

撮影日当日。集合時間は朝の7時半。
撮影場所は錦糸町にある、とあるスタジオだった。
遅刻だけは絶対に許されない。
寝過ごしだけはしないようにと、前日はかなり早く布団に入ったのだが、
様々な感情・思考が脳内を駆け巡り続け、
結局ほぼ一睡もできないままでの現場入りとなってしまった。
時間にはかなり余裕をもって到着したつもりだったが、
現場ではすでに大勢のスタッフが動き回っており、
活気と賑わいを見せて

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エッセイ:大ちゃんは○○である51

エッセイ:大ちゃんは○○である51

受けたオーディションの数は数えきれない。
本当にたくさんのオーディションを受けたし、
数えきれないくらい落とされた。
オリジナルビデオ・映画・時代劇・ドラマetc 。
行く前はいつだって自信満々で、
『落ちるわけない』と思って臨むのに
なかなか結果に結びつかない日々。
オーディションの受かり方なんて分からないから
とにかく監督の印象に残ることだけを考えて、試行錯誤の繰り返し。
何十人、何百人と役者

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