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エッセイ:大ちゃんは○○である53
大部屋の控え室に到着した僕達にスタッフから渡されたのは、
白いブリーフと白い腰巻のようなものだった。
「では皆さん、ここでこれに着替えてお待ち下さい。
下着も脱いでいただいて、身につけるのはこの2点だけでお願いします。
こちらの準備が整いましたら再度声をかけにきますので、よろしくお願いしますね。」
手に持ち、広げて見てみると思わず笑ってしまった。
『えっ!?地獄の衣類ってこれなの?
はっは~ん、地獄では上半身に何かを覆うなんてことはさせてくれないのね。』
使い古されたような布切れに、小学生以来縁のなかった懐かしのブリーフ。
『うわっ、このブリーフ思いの外小さい。
完全にパツンパツンのくっきりもっこり星人になっちゃうじゃん!?
撮影がはじまって何かの拍子で布切れが外れちゃったら、これはなかなかの滑稽さだぞぉ。
(悲劇!真っ白ブリーフ一枚の地獄絵図)なんて
映画のタイトル変更されちゃったりして!?
いやいや、僕達はメインじゃないんだから、そんなことあるわけないか。。って何を考えてんださっきから。』
おかしな想像力を働かせて一人でニヤついていた僕だったが、
ハッと我に返ると周りの皆は、
早くも地獄の王子様スタイルへと変貌を遂げようとしていた。
『ヤバイ!遅れをとった!早く着替えないと。』
僕は慌てて上半身を脱ぎ、ズボンを下ろした。
つづく
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