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もう随分長い間、バイクに乗っています。バイクに乗って出会った出来事を投稿しています。た…

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もう随分長い間、バイクに乗っています。バイクに乗って出会った出来事を投稿しています。たまに自分の身の回りで起こったことも書いていますが、全てノンフィクション、実話になります。どうぞよろしくお願いします。

記事一覧

重複がんの疑いと診断されて

昨年の9月に前立腺がんが見つかってから、 半年が経ちました。 前立腺がんの発見当時、PSA55.8、グリソンスコア4+3=7、T3cN1M1、リンパと肺に転移がありステージ4と診断さ…

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1年前
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胡麻豆腐。

3年前の12月に おふくろが亡くなった。 甘いものが好きなおふくろだったが その中でも胡麻豆腐は好物だった。 おふくろが胡麻豆腐を好きになったきっかけは 俺が産…

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1年前
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どん引きペットボトル。

八ヶ岳から琵琶湖に向う。 気温はグングン上がり 息苦しいほどの暑さだ。 琵琶湖に着き、長浜で有料駐車場に停めたはいいが フェリー乗り場のある長浜港まで相当距離…

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2年前
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かつて無用。

長い付き合いのバイク屋がある。 ずいぶん前にそこでバイクを買い、 初めて任意保険に入った。 年を重ね、バイクがいくつも変わったが、 毎年その店で保険を更新して…

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2年前
1

マサキと、マサオ。

なぁマサキ。 元気にしてるか?お前、いくつになった? お前ごときに助けてもらおうとは思わないが、 今回ばかりは、俺もまいっちまったよ。 なぁ、マサキ。 もうずい…

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2年前
3

ゼロヨン、セコイア、朽ちたベンチ

「何やってんだお前は!」 その日、社長に怒鳴られた。 いや、正確には「その日も」だ。 新潟の学校を出てから俺は、埼玉にある伯父が経営する 会社に就職した。 いくら…

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2年前
3

その楽器は音が出ない

「え!?」 「何やってんだよ、いったい。。」 高1の春のことだ。 俺はあちこちの親戚からもらった入学祝いを 銀行に預けに行った。 窓口で渡された記帳済みの通帳には…

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2年前
3

発煙筒。

出張から帰ると 新潟はまるで熱帯のように暑くジメついた夜だった。 明日はついに雨らしい。空梅雨も終わりだ。 降らないからと見て見ぬふりをしていたワイパーの不具…

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2年前
2

バイクの神様。

今日は各地でバイクのイベントが開催され さぞかしバイクの神様も大忙しだったろう。 俺もいつもの休みの朝と同じく 天領にむかう。 朝方はメッシュの上下がやけに涼…

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2年前
3

秋田五城目鍛治。

「ちょっと待ってな。おめさんにやるがね」 木でできた古い道具箱を漁る男は 限定解除の試験場で知り合った。 大工を職業にしていたその男は どこかの家の納屋を建て…

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2年前
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いつもここから、この海から。

「うおっっっ!!」 夜10時ちょっと前 このクソ重く熱いズンドウに山盛りになった鶏ガラを ぶっ壊れて半分ヒビの入ったゴミバケツにあける。 もうもうと湯気の上がるゴ…

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2年前
3

名瀑。

休日に近所の八百屋に行くと、規格外でハネられたミカンが 破格で売っていた。 八百屋「こっちが広島。こっちが和歌山ね」 カゴに盛られたミカンは産地が違っていた。…

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2年前
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ブーメラン。

夏が来ると思い出す。 頭のイカれたバイク屋とその客の物語。 行き着けのバイク屋の店主は少しアタマがイカれていた。 毎年夏になると祭を始める。 これがまた、イ…

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2年前
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重複がんの疑いと診断されて

重複がんの疑いと診断されて

昨年の9月に前立腺がんが見つかってから、
半年が経ちました。

前立腺がんの発見当時、PSA55.8、グリソンスコア4+3=7、T3cN1M1、リンパと肺に転移がありステージ4と診断されました。

その後、ホルモン療法を行なったところ、
PSAは2.29まで下がりましたが、肺のがんは
縮小せず、かえって大きくなっていました。

その事から肺のがんは前立腺がんの転移ではなく、原発性の肺がんであろうと

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胡麻豆腐。

胡麻豆腐。

3年前の12月に
おふくろが亡くなった。

甘いものが好きなおふくろだったが
その中でも胡麻豆腐は好物だった。

おふくろが胡麻豆腐を好きになったきっかけは
俺が産まれてから8年ほど経った頃の話だ。

朝5時に起き、外に出る。

まだ真っ黒い夜空を見つめて
雨が降ってないことを念入りに確認する。

カッパをたたみシートバックに入れ、
パソコンで天気予報を見て、
ジャケットを着

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どん引きペットボトル。

八ヶ岳から琵琶湖に向う。

気温はグングン上がり
息苦しいほどの暑さだ。

琵琶湖に着き、長浜で有料駐車場に停めたはいいが
フェリー乗り場のある長浜港まで相当距離があり
ボトボト汗を落としながら長浜城を歩く。

(ちゃんと地図見ておけばよかった)

たどりついたエアコンの効いたフェリー待合室は
まさにオアシスそのものだった。

宿で夕飯を食べながらニュースを見ると
今日走った岐

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かつて無用。

かつて無用。

長い付き合いのバイク屋がある。
ずいぶん前にそこでバイクを買い、
初めて任意保険に入った。

年を重ね、バイクがいくつも変わったが、
毎年その店で保険を更新していた。

ある年の春、いつもの年のように
保険の更新にその店に行った。

いつものようにコーヒーを飲みながら
店の女と談笑をして、契約書を書いていたら
店主が言った。

「フロストブルーさんも、かつては全国走り回ってませ

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マサキと、マサオ。

マサキと、マサオ。

なぁマサキ。

元気にしてるか?お前、いくつになった?

お前ごときに助けてもらおうとは思わないが、

今回ばかりは、俺もまいっちまったよ。

なぁ、マサキ。

もうずいぶん前のことだ。
その日の昼も、いつもように、いつもの喫茶店に
同僚の山崎と昼飯を食べに行った。

店員「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」

山崎「俺、カツカレーね」

俺「うーん、、あぁ。決まったら、呼びます」

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ゼロヨン、セコイア、朽ちたベンチ

ゼロヨン、セコイア、朽ちたベンチ

「何やってんだお前は!」

その日、社長に怒鳴られた。
いや、正確には「その日も」だ。

新潟の学校を出てから俺は、埼玉にある伯父が経営する
会社に就職した。
いくらでも稼いで好きなものを買えばいいと、
いい話ばかりされてここに連れて来られたが、
蓋を開けてみると7万円の給与で
会社の3階に住み込み、昔でいう「丁稚」のようなものだった。

「もう一度得意先を回って来い!」

俺はパンフレッ

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その楽器は音が出ない

その楽器は音が出ない

「え!?」

「何やってんだよ、いったい。。」

高1の春のことだ。
俺はあちこちの親戚からもらった入学祝いを
銀行に預けに行った。

窓口で渡された記帳済みの通帳には
さっき預けた金額しか残高がなかった。
幼稚園の時から全く使わずに貯めに貯めた
数十万のお年玉は
1円残らず引き出されていた。
この通帳の印鑑は、おふくろが持っていた。

「あんたの時もしてあげるから」

銀行からぶっ飛ん

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発煙筒。

出張から帰ると
新潟はまるで熱帯のように暑くジメついた夜だった。

明日はついに雨らしい。空梅雨も終わりだ。

降らないからと見て見ぬふりをしていたワイパーの不具合を
ディーラーに修理に持って行った。

ディーラー「発炎筒、消費期限のため交換しておきました。法律なもんでして。すみません」

俺「ああ、いいよ。大事なものだから。」

そう、

発炎筒、

大事なもの。

たしか、

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バイクの神様。

今日は各地でバイクのイベントが開催され
さぞかしバイクの神様も大忙しだったろう。

俺もいつもの休みの朝と同じく
天領にむかう。

朝方はメッシュの上下がやけに涼しい季節になった。

寺泊は金山のT字を曲がった後
けたたましい轟音がした。

単車のようで単車の音でない。

前のプリウスがコーナーで視界からずれると
平べったいそいつがいた。

エンブレムはLamborghini

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秋田五城目鍛治。

「ちょっと待ってな。おめさんにやるがね」

木でできた古い道具箱を漁る男は
限定解除の試験場で知り合った。

大工を職業にしていたその男は
どこかの家の納屋を建て替える時
出てきた鉈(ナタ)をもらってきた。

野宿を始めたばかりの俺に
その鉈をくれるらしい。

「あったあった!今、刃付けてくるわ」

まっ赤に錆びたその鉈に刃を付けるため
グラインダーを回す。

グラインダーか

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いつもここから、この海から。

「うおっっっ!!」

夜10時ちょっと前
このクソ重く熱いズンドウに山盛りになった鶏ガラを
ぶっ壊れて半分ヒビの入ったゴミバケツにあける。

もうもうと湯気の上がるゴミバケツの傍らで
夜空を見上げながらタバコに火をつける。

地元に帰ったまではよかったが、事故で複雑骨折をしてしまい
知り合いがせっかく口を聞いてくれた
カメラマンのアシスタントも辞めるハメになった。

足を引きずっ

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名瀑。

休日に近所の八百屋に行くと、規格外でハネられたミカンが
破格で売っていた。

八百屋「こっちが広島。こっちが和歌山ね」

カゴに盛られたミカンは産地が違っていた。

八百屋「どちらにします?」

俺「ああ、和歌山のほうを」

八百屋「和歌山のミカン、お好きですか?」

俺「あ、いや、和歌山に、思い入れがあるんだ」

亡くなったおふくろは滝を見るのが好きだった。
名瀑と言われる美し

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ブーメラン。

夏が来ると思い出す。

頭のイカれたバイク屋とその客の物語。

行き着けのバイク屋の店主は少しアタマがイカれていた。

毎年夏になると祭を始める。

これがまた、イカれた祭なんだ。

9:00。

バイク屋の客がポロポロと集まりだす。
スタッフがオドメーターの距離を書き写す。
それぞれ準備体操をしたり、地図を読んだりしながら
「その時」を待つ。

10:00。
そいつらは一斉

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