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【社内勉強会】Growth Academy Tech 2022 共有会

ZENKIGENは、成長段階にある日本の有望なスタートアップを対象としたGoogle for Startups主催のプログラム「Growth Academy Tech 2022」の参加企業に選出いただき、6週間にわたるオンラインプログラムに参加して参りました。

今回の社内勉強会は、本プログラムを通じて得た学びを社内で共有することを目的に実施しました。
本記事では、当社がGoogleから学んだ「データマネジメント」や「組織づくり」のノウハウについて、その一部をご紹介させていただきます。当社のように、グローバル進出を目指すスタートアップ企業にとって参考になればと思いますので、ぜひご覧ください!

アクセラレーションプログラムについて

ZENKIGENではプロダクトや会社の成長速度に合わせ、過去にいくつかのアクセラレーションプログラムを受けてきました。

・2019/07〜2019/10:SAP.iO
・2020/06〜:PLUG AND PLAY JAPAN
・2022/04〜:Google for Startups

アクセラレーションプログラムとは、選出されたスタートアップを対象に、アクセラレーター(Accelerater)と呼ばれる支援者の事業会社が事業アイデアや新規ビジネスの検証・審査、成長機会の最大化を二人三脚でやっていく伴走型の支援プログラムのことです。主催者が、各分野のプロフェッショナルや事業会社をメンターとして招聘し、プログラムを受ける企業の事業成長を短期間で効果的にサポートするものです。

ZENKIGENでは以下4点を目的にこれまでアクセラレーションプログラムに参加してきました。

  1. 1.ZENKIGENの知名度向上
    →新たなチャレンジや新規のプロダクトを認識していただく機会

  2. 組織・ビジネス・プロダクトに関しての知見・ノウハウの収集
    →様々な挑戦をされている企業の多くの成功事例や失敗事例から学びを得られる

  3. アライアンス・営業先となる企業様の紹介からのネットワークの形成

  4. メンバーの社外コミュニケーションの場
    → 社外での学びを本業でも活かし、活躍してもらう

Google for Startups Growth Academy Tech 2022とは

Google for Startupsは、スタートアップのさらなる成長を支援するプログラムを世界各国で開催しています。2022年5月から開催されたGoogle for Startups Growth Academy Tech 2022は、データマネジメントや機械学習を活用しビジネスの成長を目指すスタートアップを対象に、データ分析や機械学習、そして組織運営やリーダーシップについて、Google社員や専門家によるトレーニングやワークショップを通じて学び、実践に繋げていく6週間のオンラインプログラムです。

参加の目的

ZENKIGENは「テクノロジーを通じて、人と企業が全機現できる社会の創出に貢献する」というVisionのもと、採用領域の事業で採用DXサービス「harutaka(ハルタカ)」に加え、職場領域の事業である1on1改善サポートAIサービス「revii(リービー)」を提供することで、採用から入社後の活躍まで一気通貫したデータ化と分析を実現し、人事プロセス全体の採用DXを支援してきました。
今回ZENKIGENは以下3点を目的として本プログラムに参加させていただきました。

  1. 組織開発を発明したGoogleさんから組織づくりのノウハウを徹底的に学び、強いカルチャーを作るためのきっかけにする

  2. AIを活用するサービスを運営している事業者として、データマネジメントやAIリテラシーを中心に多角的な学びを通じ、セキュアな事業成長へと繋げる

  3. グローバルで通用する企業への一歩を踏み出すべく、エンジニアマネージメント、リーダーシップを学び、企業の成長に結びつける

Growth Academy Tech 2022のハイライト

(1)データ・機械学習(ML:Machine Learning)セッション
(2)イノベーションのための組織マネジメント

ここからはGrowth Academy Tech 2022にて、実際に得た学びを抜粋してご紹介します。


(1)データ・機械学習(ML)セッション

本セッションではデータドリブンな企業文化を構築するTips、データのマネタイズ手法のヒントなど、データの下準備からデータライフサイクルマネジメントまでのノウハウを学びました。また、Googleの経験豊富なメンターからマシンラーニングのベストプラクティスを得て、効率的かつ効果的に本番運用する方法も学びました。

・データウェアハウジング 〜データのマネタイズを考える〜
データのマネタイズは直接的収益化と間接的収益化の2つを考慮して考えます。

直接的収益化→データを見せること自体に対する課金
・分析セグメントを増やすことで課金を増やす。
・データ活用ノウハウがないユーザーの場合、API/ダウンロードなどの機能課金は効果が薄い。
・例)ダッシュボード

間接的収益化→データを見せることによる、サービス利用量の増加に対する課金
・解析機能ではなく、インサイトに対して課金する。つまり、データを見せることで、ユーザーの行動変容を促す。

・アーキテクチャセッション
アーキテクチャセッションでは、マーケティング系のデータ解析ツールを提供している株式会社プレイドさんからのセッションがありました。プレイドさんは、今回参加したスタートアップ企業よりも成熟しており、「どのようなアーキテクチャを採用してシステム面での課題を乗り越えてきたのか」をテーマにお話いただきました。

▶︎ビジネスロジックに集中するために、システムをマネージドに寄せることで、手動作業を減らすことができた
▶︎モデル開発の工数を削減するために、「Light ML」というアーキテクチャを組むことをおこなった

https://speakerdeck.com/kargo113/lightmlops-using-vertex-workbenchより

・ML Ops(Machine Learning Operations)
ML Opsとは、機械学習モデルの実装から運用までのライフサイクルを円滑に進めるための管理体制(機械学習基盤)を築くこと、またはその概念全体を指します。

▶︎ML解析部分を取り巻く環境は膨大である
▶︎DSが開発したモデルを素早く、継続的にデリバリーするためにOpsが必要であり、エンジニアによるML Opsの理解が求められてくる
▶︎なんでもフルスクラッチをするのではなく、auto MLを駆使して小さく始める

Hidden Technical Debt in Machine Learning Systems, D. Sculleyより

(2)イノベーションのための組織マネジメント

続いて、イノベーションのための組織マネジメントのセッションでは、下記8項目についてそれぞれお話がありました。

❶イノベーションを起こすための9つの原則・カルチャー
❷制度(モチベートさせるもの)
❸オフィス環境
❹採用プロセス
❺プロジェクトアリストテレス
❻評価
❼OKR
❽リーダーシップ

Googleが蓄積したノウハウやデータをもとに、効果的な組織マネジメントとは何かを考えながら学ぶことができたため、ZENKIGENの組織マネジメントやリーダーシップを振り返り、改善する方法を探ることができました。

本来であれば全ての項目について読者の皆様に共有したいのですが、今回は特に他社でも参考にしやすい❶イノベーションを起こすための9つの原則・カルチャーと❼OKRのみを抜粋してご紹介いたします。

Googleでは、「イノベーションは一人の天才から生まれるものではなく、多様な人材で構成される自律的な人々から生まれる」と言われています。

<イノベーションを起こす9つの原則・カルチャー>

①イノベーションのアイデアはどこからでも生まれる〜Innovation comes from anywhere〜
イノベーションのアイデアを生み出すチームを創り活動しているのではなく、社内のあらゆるところから生まれてくる。

②競合ではなくユーザーにフォーカスする〜Focus on the user〜

③10%ではなく、10倍大きく考える〜Think 10x, not 10%〜
「10%」の改善を考えるのではなく、「10倍」の改善や向上をはかり考える。

④データに基づき意思決定せよ〜Bet on technical insights〜
あらゆることを探索し、データを基に意思決定をする。

⑤プロダクトを出して改善を繰り返す〜Ship and iterate〜
優秀な企画を企画書に留めておくのではなく、完璧出なくともプロダクトを世の中に出し、改善を繰り返していく。

⑥20%の自由時間を〜Give employees 20% time〜

⑦初めからオープンであれ〜Default to open〜
プロダクトを作ってるチームだけでやるのではなく、社内でもオープンにしていき協力者を煽ぐ。

⑧小さくスタートして賢く失敗せよ〜Fail well〜
みんながリスクを取ることでクレイジーで新しいアイデアが生まれる。そして、その過程での失敗を会社側が歓迎する。

⑨重要なミッションをもて〜Have a mission that matters〜

このような原則・カルチャーがGoogleの生み出すイノベーションを支えています。

<OKR>
Googleでは、OKRは「部門間のコミュニケーションツール」とされています。
さて、そもそもOKRとは何のことかご存知でしょうか?

OKRとは
従業員のパフォーマンスやエンゲージメント
Objectives and Key Results(目標と成果指標)の略称で、難易度の高い目標を掲げて進捗状況を確認できるようにするために Google でよく使われている手法です。

GoogleではObjectiveを「どこを目指すのか、何を成し遂げたいのか」というゴールのことを言い、Key Resultは達成の状況を測るものとしています。
また、OKRを設定することで「本当にやりたいこと」が浮き彫りになり、明確な優先順位を持ちながら、全ての従業員が同じ方向に進んでいくことができるのです。

https://www.kaonavi.jp/dictionary/okr/より

つまり、OKRはそれぞれの部門、チーム間での共通言語となることはもちろん、部門間において他部門と意見交換をするなどした時には、OKRを共有することで新たなコラボレーションの創造に繋がると言います。

OKRの運用において、高い頻度で設定、追跡、再評価を実現するなら、評価制度を効率よく回すことが重要になってきます。
GoogleがOKRを運用する上で大切にされていることは、「WhyとWhatをセットで考える」ことです。「何を」OKRとして設定するかだけでなく、「どのような背景から生まれたのか」というストーリーとセットで考えることが重要だと言います。

なかでも、特筆すべき点は、「OKRと評価を連動させない」ということです。
OKRの目的は、「本当に大切なことを明確にして、そこに会社のリソースを投下する」ことです。論理として納得することではありますが、評価に繋げやすい指標を切り離して、実行されているのはGoogleならではのポイントのように思いました。

これらの学びをもとに、ZENKIGENではGoogleを参考に、早速OKRを導入しました。はじめに経営のOKRを定め、それを実現するために本部とそこに属する各事業やAI部門、コーポレートもOKRを定めました。全てのOKR達成が経営のOKR達成に繋がっているというワクワク感と納得感のあるOKRを設定することが出来ました。

また、今回のプログラムを通して、有意義な学びを得ることができたと共に、今後Googleと共にやりたいことも明確になりました。一つ一つ、実現に向けて動いていきたいと思います。


いかがでしたでしょうか?

アクセラレーションプログラムの概要から、Growth Academy Tech 2022での学びまで理解していただける内容になったのではないかと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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