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父親になっていた男と、母親になりたい女。「海のはじまり」3話感想

良い話ではあるんだけど、観ていて辛い。

STORY:
月岡夏(目黒蓮)は恋人の百瀬弥生(有村架純)に、自分に娘がいたことを話した。そして、南雲水季(古川琴音)と別れた時のこと、彼女が海(泉谷星奈)を産み育てていたことは知らなかったが、妊娠したことは知っており、堕ろしたと思っていたことも正直に伝えた。夏の話を聞いた弥生は、自分の過去に思いを馳せる。夏に言えずにいる自分の過去。その記憶を胸に秘めたまま、弥生は、夏が父親になるのであれば自分が母親になることも選択肢に入れて欲しいと夏に告げるのだった。

3話にして、この作品はやはりしっかり作りこまれているなーと思えるようになりました。
視聴を継続していた他の作品に粗が見え始める中、やはりこの作品はまとまり方がピカイチです。

多分、伝えたいテーマが一貫しているからでしょうね。
他の作品は1話完結のものが多い中、本作は1クールを使ってしっかりとひとつのテーマを描こうとしている。その一貫性が、強みとして出てきた気がします。

記事タイトルにもしましたけど、本作はいつの間にか父親になっていた男性と、なりたくてもなることができなかった母親になりたい女性の物語なのかなーと思ってます。
朱音(大竹しのぶ)の言葉を受けて、弥生はどう思ったんだろうって。
有村架純の表情が絶妙でしたね。考えていることが分かりそうで分からない、視聴者に想像の余地を持たせる顔でした。

夏と海の距離感が順調に近づいていく中、弥生は何を思うのでしょう。来週以降はその辺が見どころになってきそうです。

第3話では、夏の家族構成も普通とは少し違うことが明らかになりました。
実は夏の母は再婚であり、父と弟とは血が繋がっていない。
それでも、今は本当の家族だと話す夏。

この作品、隠した設定を小出しにして本筋に絡めていくのが本当にうまいですよね。
しかも、直前まで設定の匂わせもなくいきなり殴り込んでくる。笑

夏と父・弟との関係は海と弥生に近いんですよね。
弥生は月岡のことを『本当に良い家族』と話していましたが、あれは自分もそうなりたいという意思の表れなのかな。

ラストの展開は非常に美しかったですね。
海が泣かなかった理由に直感的に気付いた夏、これぞ父親って感じ。
海岸でのやり取りは絵的にもすごく美しくてずっと見ていたくなりました。

次回は第4話。間も無くドラマ全体も中盤戦です。
浴槽の中でずぶ濡れになっていた弥生の心境、行動に注目。一体何が起こるのよ?

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