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【今でしょ!note#114】24年度、自分のチームで時短する宣言

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

先週、東洋経済新報社から、「鬼時短」という書籍が販売開始となりました。
長時間労働が常態化していた電通で「労働環境改革本部」室長として「残業60%減、成果アップ」を実現した小柳はじめさんが、電通で実践した「時短」を実現するための鉄則を書籍にまとめられた超良書です。

長時間労働の常態化自体は、電通に限った話でなく、やればやるほど品質が上がる(=終わりの品質をどこまででも追求していけてしまう)傾向が高いコンサル業、情報通信業のようなソフト系スキルを商品として成り立っているビジネスにおいて共通の問題と考えています。

私自身も、かつては割と長い時間働く傾向にありました。
当時は、会社から長時間労働を強いられているという感覚はなく、やればやるほど自分の能力も上がるし、周囲からの期待に応えられるのが純粋に楽しいという気持ちで取り組んでいましたが、流石に時代も変わり、また結婚して子どもを持つようになってからは、明らかに仕事の時間よりも濃度を上げる必要性が生じたので、「生産性向上」というのが大きな自分のテーマにもなっています。

特に、今は管理職として、チームの労働時間管理を行う立場になりました。
「ただ長く働いている組織からは、若い人たちが離れていく」のは必至の流れです。自分の想いとしても、「時間かけて人海戦術で勝負する」みたいな価値観や、自分のチームが、若い人から選ばれず、社会からも尊敬されないチームに成り下がることは、自身のプライドとして、とても許せません。

これまでも自分のチームメンバーには、「Enjoy!人生のために、しっかり休んで欲しい」「まとまった休みを取って外の世界を見てきてほしい」というメッセージは発信し続けてきたつもりですが、4月で年度の切り替わりということもあり、まずは自分のチームで「時短」というキーワードにさらに踏み込みます。

今日は、「自分のチームで時短を実現するために、具体的に何をやるか」について書いていきます。


「働き方改革」でなく「働かせ方改革」

まず、最も重要なことは、「私自身が時短を本気でやりたいと思っていることを伝えること」だと考えます。

「鬼時短」の「鉄則1 社長は「私欲」で訴えよう」でも語られていますが、とにかく社内の時短を実現するためには、社長のコミットメントが何より大事とのこと。電通の場合、当時の山本社長が「自分が長く勤めてきて人気企業だった電通が、時間外労働が蔓延るダサい会社」と認識されるのが、たまらなく嫌だったそうです。

私もこの考え方はすごく共感したところで、自分のチームが一昔前の価値観が蔓延るチームであるとか、二流の仕事をするチームであると認知されるのが、とても嫌です。

だから「これはメンバーにとっての働き方というよりむしろ、私自身の働かせ方改革だと思って、お願いだからプロ集団になるために協力してほしい」というスタンスで、自分の言葉でこのあたりの想いを話そうと思います。

「鬼時短」の鉄則に従うと、会社の時短を実現できるのは、社長のみ。経営陣も含めて、「俺にはA3の資料で持ってこい」と特別対応を現場で要求する人は解任させる責任がある、ということになりますが、それだと自分が社長にならないと時短は実現できないので、まずは自分が影響できる範囲でできることを。

もちろん、仕事の成果は時間で計られるべきでなく、「たくさんやりたい人にはたくさん仕事させてあげたほうが個人の意図を尊重していることになる」という意見があるのも理解しています。
しかし、このスタンスでいってしまうと、どうしても長い時間をかけた人のほうが成果が出やすくなる傾向になってしまうので、評価上はフェアではないと思うのです(時間あたり成果を正確に測定するのは、本当に難しい)。
テストに例えるならば、制限時間60分きっかりで70点取った人と、その倍の120分かけて85点取った人がいたとして、後者の方が評価されるのはおかしいです。

自分も子どもがいるので、もう少しやれば更に品質上がるのに・・と感じながら、キリを付けないといけないタイミングがどうしてもあります。
同じように感じている人が他にも絶対にいるはずで、私が課題視している「労働生産性の低さ」にまず直接的に影響しそうで分かりやすい「労働時間削減」がしたい、という考えをチームの中で語るところから始めたいと思います。

長く働くのがダサいという価値観形成

先日の記事でも触れましたが、マネージャーの行動・振る舞いが、チームの価値観に影響を与える要素は大きいとのこと。

これから優秀な若い人からも選ばれ続ける会社組織であるためには、「若い人が仕事に対してどういうことを考えていて、どういう働き方を求めているのか」をよく理解する必要があります。

もちろん「若い人」と言っても、個人によって価値観は異なりますが、私の周囲にいる人たちを見ていて感じるのは、「慢性的な長時間労働は嫌だが、仕事の山場や踏ん張りどころでは、周囲の期待に応えたい、自身の成長に繋げたいから、しっかり仕事したい」という考えの人が多いということです。

だから、勝負どころでも画一的に「早く帰って」というのは違うと思っていて、あくまで「メリハリ付けて働こう。メリハリなく、漠然と長く働くのはプロの仕事じゃないよね」という価値観を大事にしている、ということを伝え、そのような働き方をしているメンバーには、しっかり肯定的な言葉を返していくことに尽きると考えています。

このあたりは、メンバーもそれぞれ考えていることや想いがあるはずなので、「時短」をテーマにしっかり理想とする働き方の相互理解を図って、誤解や思い違いがないようにしておきます。

そして、何度か書いていますが「たくさんのものを作れば作っただけ売れる時代から、みんなが何をしていいか分からない時代」になった今、「月〜金は家と会社の往復、土日は休憩」みたいな生活をしながら、仕事でいい企画や、過去のやり方に囚われない改善案などを思いついて実行し切ることができるわけがないのです。
職場以外の環境に出ていき、そこで普段とは異なる考え方や価値観を仕入れることで、こういうやり方があるのか、こうすればできるのか!と学ぶから、できるようになります。

時短の目的は、仕事以外の人生を充実させることであるとともに、外の世界を見て、自分の仕事のパフォーマンスを上げるための考え方やメソッドを輸入して、仕事のパフォーマンスそのものを上げるところにあります。

スモールスタート

手を付けやすいところから始めて、小さな成功体験を積み重ねます。
以前から意識しているのは、「とりあえず1時間の打ち合わせをセットする」みたいな仕事はやめようということです。

打ち合わせの目的をクリアにすれば、全ての打ち合わせに1時間かかるはずがありません。何かの決定をするのが目的であれば、決定に必要な判断材料だけあればいいし、資料に書いてあることを読み上げるよりも、事前・あるいはその場で読んだ方が早いです。

最長でも30分、脳のゴールデンタイムである午前中の打ち合わせはそもそも入れない。現実には難しいところもありますが、とはいえ諦めずに取り組んでいきます。

メンバーがお互いの前月の労働時間を見ながら、どうすれば1時間でも時短できるか?を月次で振り返るのも効果がありそうです。
日々の意識次第で、数時間の時短は実現できると思うので。

これまで「あと2時間だけやって帰るか」と思って、あるいは無意識にやっていた時に「今から残業してやろうとしていることは、本当にその価値があるのか?」と自問自答するきっかけを作るだけでも、結構変わるのでは?と思ったりしてます。

チームの時短実現に向けた奮闘記については、今後も経過報告してまいります!

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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