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Cherry blossoms&the girl

この春、一つのハプニングが起きて、これでたっぷり、もう疲れて休みたいというところを、次のエピソードが始まった。今度は楽しいことだけど、もっとリラックスのペースに慣れているぼくにしては、ちょっと電池が切れるし、いい意味でも大変だった。

つまり、ライティングの暇はなかった。今になって、久しぶりにnoteを書くつもりです。
 
 
先月に投稿した話しのつづきー
 

 
三月の前半はうちのおばさんの介抱することが優先だった。いつも電話が手とどく場所に、いちにち一回は訪ねて顔色を覗うようにしていた。

未結婚で子供のないおばさんには、息子に一番近い存在はわたくしなのだ。だから、十分気を使って、おばさんの面倒を見ることを心がけていた。

でも、自立心旺盛のおばさんはお節介されるのは許さない。昭和時代にて、independent womanなんだ。

「そんなに心配しなくてもいいからー」

「自分でそれぐらいできるからー」

「あなた、まだ若いから。もっと楽しいことに向きあってー」

おばさんの気持ちは分かるけど、どうしても心配するのだ。意識を反らすものがあってもいいと思った。その頃、メッセージが入った。これは、マリアと言う子から。

―日本に旅行でくるから、町案内をお願いね!

From Philippines with Love?

そうだった。おばさんを病院に送るとかしてて、フィリピンに住んでる知り合いが来日することをすっかり忘れていた。

この子はオンラインフレンドで、マッチングアプリの出会い。マリアという子で、凄く前向きで明るい人なんだ。正直、いままで関係した女性の中で結婚したいと思ったことはなかったけど、マリアとだったら結婚して幸せに生きれるとすこし考えられる。

フィリピンに住んでいて、電話ではよく話すけど、直接面を向けたことは今回の旅で三回目だった。だからと言って、三回目のデートとは違う。それにしても、良い印象を残して将来の結婚相手にできるように基礎を築くように頑張らないと、と考えていた。

もっと男らしく、早くプロポーズするんだ!なんとかなく、そんな思いも浮かび上がったが、じっくり考えたら、ぼくはやはり結婚するにはまだ早いと感じた。まだ無熟で、どんな相手とでも結婚なんか成功できないと、心の底からそう信じている。チャンスを見逃すぞ!とそういう声も耳に入るけど、焦って行動とっても、良い結果になるはずはないし。いや、ぼくは慎重性をもって生きているんだ。

そして、マリアとは友達として会うっていう感じだったけど、異常なプレッシャーがかかっていた。優しくして楽しくして心を開けるんだ―そう言い聞かせて自分を責めた。数日渡ってドキドキな状態が収まらなかった。

旅行の二日目に会う予定にした。ホテルの前で待ち合わせ。日本の春は予想していたより寒いと言ってたから、お家のクロゼットに掛けっぱなしだった女性用のコートをあげることにした。コートを持ってホテルで迎いにいった。

マリアはいつも通りに上機嫌。ホテルから駆け出して、いっぱい話してくる。最近これとこれがあった。空港ではこんな事件、今朝はあれを食べて昼にはあれ。マリアはいつもそうなんだ。おしゃべりな女子…「だって、フィリピン人はみんなそうなの!」とマリアは言う。でも、私は何人かフィリピン人と会って、その中に大人しいひともいたけどな。

そして、マリアから急に質問:
―おばさんはどうしている?

え?その話し君としたっけ?
―もう、バイポーラ―くん。その話しFacebookで書き上げたじゃん。

ああ、そうだった。先月noteに上げた投稿は、翻訳してFBにも載せたんだ。マリアが読んでくれたとは知ってはなかった。

マリアは自分の叔母とすごく近くて、ぼくの気持ちに共感した。そのハプニングと今の悩みついて彼女と打ち明けた。

おしゃべりな子といっても、流石その夜はぼくのはなしをよく聞いてくれた。マリアは賢いひとなんだ。その夜、それを学んだ。いっぱいバカな話ししているけど、本当は心優しくて賢い人なんだ。良いアドバイスもくれた。やっぱり、この人は結婚するに値するひとだともう一度思った。

マリアはムード明るくするように、笑顔で話しを進めた。
―それでねぇ、ちょっとなんか変なこと言ってもいい?そのFBの投稿を読んでてね、もちろんおばさんのことを心配したけど、でもね、バイポーラーくんってなんか…書くのが上手じゃない?読んでたら、文書がキレイすぎて、小説を読んでる気持ちだった。もしかしたら、ライターなの?

ぼくの夢が小説家になることだと彼女には言っていなかった。ちょっと高評価されてうれしい。そして、真実を吐け出した。ぼくは小説を書いている人間だと。

―ええ!小説かいているの?読ませてよ!

マリアは最近、読書の趣味を始めたのだ。一年に○○冊を読む目標を立てたとか、熱心に本を読んでいるのだ。ぼくの作品を読ませたいとはその時まで考えていなかったが、読みたいと言われて、ちょっと自分の作品に自信が沸いてきた。それで、Sweet Like Springwaterの英語版をマリアに渡した。


―読み終わったら連絡するね。感想も言う。でも、ぜったい好きになるから安心だよ。だって、あなたのライティング好きだから。

ライティングが好きって、どうやって捉えるべきか。ぼくは、このひとを結婚相手と本気に考えて、今回で告白しようと思っていた。ただし、話しが全く違う方向に進んで、チャンスを逃した。それにしても、ぼくの作品を読んでくれる、それ言われて本当に幸せだった。


 
これは、狂ったひとのセリフだけど、ぼくは恋されるよりも、作品を楽しんでくれることの方が嬉しい。
 


読者が一人増えた、それより好きな人に絆を深める。この作品はそんなきっかけを作ってくれたのだ。
 
ぼくは、必ず愛情を込めて小説を書いている。世界にオリジナルなストーリーを生み出して、読者たちに差し上げるんだ。読む人に感動を与えたいと思って書いている。これが伝わるかは分からないけど、情熱を傾けて作成している。マリアに渡した作品も同じだ。マリアには愛情を読み取ってもらいたいと考えて手渡した。
 
 
これを書いている時点、もうマリアは母国へ帰った。また来るってマリアは約束したけど、それはぼくのことを好きと言うより日本が好きだからだと思える。

それにしても、今年の春、マリアと一緒に桜道を歩けた。良い思い出になった。桜が散ってきたごろ、ぼくが書いた小説を印刷して、彼女が受け取ってくれたことも一生忘れたくない。


おばさんは日に日に回復しつつ、ほとんど普通に暮らしている。ぼくも四月から仕事が増えて、毎日が忙しい。

おばさんのネコも元気している。血を目撃したこと、消防士が入ってきたこと、もう忘れたそうで、平穏な日々を取り戻した感じ。たまに遊んで、たまに噛んでくるかわいいネコの面倒をときどきみている。

そして、ぼくもふつうに生きている。
 



(数年前の投稿におばさんに付いて書いていたのを忘れていた)


最後まで読んでくれて、本当にありがとうございます。来週から、新作品『A Murder in Shinjuku』を週に一章ずつ投稿していきます。英語で書いた短編小説を翻訳する計画です。

本日のカバーはkonsaku_illustratorさんの作品を借りました。二回目、このアーティストの作品を借りました。私はもう既にファンです。アートが気になった人は、是非、インスタグラムのページをご覧ください。

https://instagram.com/konsaku_illustration?igshid=YmMyMTA2M2Y=