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お手軽な恋愛

どこまでいっても人と交わることに心を燃やしてしまう人間らしいです、わたしは。体の関係を持った人はみんな新しい女ができていく。その前の通過点として利用されるのはもう結構。関係を持った次の日、本当に好きな人に会うのはどんな気持ちなの。ひさしぶりにちゃんと、好きだったのかなー。プライドが空回りする、昼。どうせなら夜に悲しみの渦に巻き込まれたかったよ。

感覚的に好きになって、感覚的にうまくいかない予感がしてた。だから傷がつかないくらいのちょうどいい距離をたもって、なんでもないような顔ばかりして、自己防衛を続けていた。「本気になったことないでしょ。いつもちょうどいい力加減で、思いっきり壊れることを避けてきた。そういう顔をしてる。」。一瞬で見抜かれた、わたしのこと。正面から全力で立ち向かってくる感じ、わたしを一瞬で否定してくれる感じが、たぶん、好きだった。

うまくいくこと、うまくいかないこと、色々あるけど、全部全部全部、ただのわたしのちっぽけなプライドに左右されてるんだろうな。だれかに教えることを嫌うのは、ただ責任を取りたくないから。あの人に好きと言えなかったのは、自分が否定されることが怖かっただけ。全部全部全部、今の状況は、わたしのせい。

苦しいときにしか開かないこの場所に休日の昼間からいること。目を背けたいけど、ちゃんと苦しんでる。ちゃんと大切だった。くやしいなあ。

自分のことを優先できない人間は弱いでしょうか。常に誰かに幸せでいてほしいと願うのは偽善でしょうか。うまくいかないことが積み重なったとき、だれのことも責められないのはただの自己満足な正義でしょうか。この答えを他人に求めることすら苦しくなってしまうわたしは、どうしてこんなにも自分のことを愛してあげられないのでしょうか。

嫌だったことは本当にすぐ忘れてしまうのに、楽しかったこと、してもらったこと、想っていた時間、キラキラしていた部分だけ切り取って記憶してしまうわたしの脳は、どうしてこんなにも都合がよくて、こんなときに限って都合が悪くて、ああ、なんかもう。


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