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大学の話

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大学に関することのあれやこれ
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#就活

こじらせた井蛙にはどんな声も届かない

 井の中の蛙大海を知らず、誰でも知っている。大学教員を何年もしていれば、学生さんが「井の中の蛙」だなぁと思う事もある。でも、これまでずっとそれでいいのだと思ってきた。自分だってそうだ。この年になっても研究者なんぞやっているのだから私も「井の中の蛙」の一匹だ。世間知らずで、自分の研究分野にばかり性を出して、こんなコロナで大変な時も、面白い論文を見つけてしまえば講義の準備と会議資料の作成をすっ飛ばして

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オンライン時代の研究室で生じている格差

 我が研究室もちょっとずつ日常が戻りつつある。講義、ミーティング、ゼミなどは未だオンライン開催だが、実験などの目的のためには研究室に出てこられるようになったのでバリバリと実験が始まっているという印象だ。しかし、その実験が始まっているのを見ていて気づいた。実験をバリバリとする学生さんと、全くしない学生さんが例年にないほど両極端になっているのだ。例年であれば、アグレッシブな学生と怠惰な学生はもっと緩く

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大学を出れば選択肢が広がる、とも限らない

よく、就職の選択肢を広げるためによりいい大学にいく、いかせる、という話をきく。
(なにがいい大学かはここでは議論しない。世間一般の印象による「いい大学」という意味)
しかし、大学にいけば、選択肢は本当に広がるのか、というと正直疑問である。

世間、とくに、家族、親戚、ご近所、親の職場の人、同級生などによって構成される近い世間の、無言の圧力や要請によって、就活生の選択肢は驚くほど狭められている。

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全国の文学部生へ

5月も終わり、大抵の大学ではサークルの新歓も終焉を迎え、新入生も大学生活に慣れてきて、先輩からいいことも悪いこともズルいことも一通り教わった頃だろう。
そして就活生は建前上の面接解禁日らしいので、これから説明会で、面接で、嫌というほど自己紹介をする日々が待っている。(もちろんすでにたくさん自己紹介をして大いに傷ついているだろうことは想像に難くない)

所属がバラバラの集団に入ると、自身の学部を名乗

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