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心惹かれる本。素敵な読書の記事。

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2021年6月の記事一覧

音をつづる文章から、聞こえてくるのは森の景色。

音をつづる文章から、聞こえてくるのは森の景色。

文字は音階を持たないから、どれだけ文章に耳を傾けても音は聞こえない。
当たり前のことだけど、この小説を読むとつい忘れそうになる。

目にも見えない音楽を、文字で表現するなんて。

つくづく「羊と鋼の森」に出会えてよかったなと思います。

以前、「羊と鋼の森」(宮下奈都さん)の記事を書き、企画に参加しました。
今回はその記事だけでは書き足りなかった分になります。

「羊と鋼の森」 宮下奈都

主人公

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楽園のカンヴァス (著者:原田マハ)

楽園のカンヴァス (著者:原田マハ)

著作者名:原田マハ 発行所:株式会社新潮社 平成26年7月1日発行

早川織絵(おりえ)は、倉敷市の大原美術館の監視員である。織絵は、十七年前、ティム・ブラウンと戦った。ティムは、現在、ニューヨーク近代美術館のチーフ・キュレーターとなっており、織絵に至宝「夢」の貸し出しの交渉窓口となることを要請する。

ティムは、十七年前、三十歳でニューヨーク近代美術館のアシスタント・キュレーターであった。ティム

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何をお探し?

何をお探し?

私は自分の読書記録を、noteだけでなくリアルな“読書ノート”につけている。本を読むと心に残る文章と出会い、それを書き写しておくだけでも私の読書ノートは用を成す。心に残る文章が沢山ある時には、何ページも使ってしまう事もある。多分これもそうなる。

『お探し物は図書室まで』/青山美智子お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか? 人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた町の小さな図書室。悩む

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