扉を開けるとそこは異世界。
アラジン珈琲店。
日が暮れる頃、街角にぽぉっと現れる摩訶不思議なカフェ。
ここでは、マスター、メイドの芽衣、それから常連客と新客が、
夜な夜な好きなこ…
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#無意識
アラジン珈琲店 第一集<X版>
アラジン珈琲店 第一集<X版>
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①《アラジン珈琲店》
アラジン。茜色が西の空を染める頃から、濃紺が空一面に広がり始める時刻にかけて、いつの間にやら街角に忽然と姿を現す珈琲店。
とっぷりと日も暮れた。夜空に星々が白に黄色、オレンジに赤と踊り始めるころ、カラランコカランと扉を開ける音が響いた
アリババ珈琲店【X版】⑨《そっちは悲劇》
⑨
Xと翔子は顔を見合わせた。二人とも微妙な空気感を漂わせた。お手上げ状態であり、かつ好奇心もあるといった具合だ。マスターは珈琲の香りがするため息をついてから続けた。
「はぁ、なぜ、人は自らの問題にもっぱら外側に解を求めるんでしょうなぁ。なんでもかんでも外側に責任を求める輩は成長のない馬鹿者とほおっておくにしても成長意欲があり、自らを省みる力のある人でさえも外側を向く。ヒントを求めるのは、賢明な
アラジン珈琲店【X版】⑩《米国の暴動からさらに加速すること》
⑩マスターは珈琲を入れ始めた。すると途端2枚目の姿を現す。黙っていれば文句なしのダンディーなマスターだ。まるで無の境地にいるかのように静かに珈琲を入れる姿は、見るものに整った気持ちを与えさえした。あたりに珈琲の香りが立ち込めたとき、マスターは口をきいた。
「目下われわれはCOVID-19を退治できているわけではないですし、春になり温かくなって感染拡大が抑えられてもインフルエンザのように我々は付き