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#生物学

感染症と差別 ~差別を考えるシリーズ~

感染症と差別 ~差別を考えるシリーズ~

差別とは何か、どうやったらなくせるのかというテーマでしばらく連作します。

今回は、「差別」の基準は時と場所によって変化するという点を考えてみます。例として、「コレラ」の感染症について考えてみましょう。コレラ患者を隔離することは、”常に”差別となるでしょうか?

全体を通していいたいこと絶対的な差別の基準など存在しない。
不当であること = 差別であるとは限らない

このことが言いたいために記事を

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集団免疫のイメージ

集団免疫のイメージ

集団免疫について、ちょっとわかりづらいかもしれないので図で説明します。

免疫保持者が盾となる基本的に、免疫を持っている人は他者に感染させる可能性が低くなります(物理的にウイルスを運ぶこともあるのでゼロにはならない)。免疫を持っている人が集団の多数派であれば、感染が起こりにくくなり、その状況が続けばいずれ感染症が終息します。

この場合、免疫を持っている人は存在するだけで他者を守る勇者です。

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新型コロナワクチンの集団免疫はゴール位置がすこし遠いかも、という話

新型コロナワクチンの集団免疫はゴール位置がすこし遠いかも、という話

新型コロナワクチンによる集団免疫は、一般的な感染症よりハードルが高く、甘い見積もりでいるとがっかりするけど、効果はちゃんとあるのでしっかり接種しようね、という話です。

一般的な感染症の集団免疫は60%~70%、つまり、全人口の6~7割が免疫を獲得していれば、感染がおこりにくくなり、感染者数が抑止されると考えられています。しかし、この基準で期待していると十分な効果は得られず、反ワクチン派の反対材料

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三重県信号機折損の原因について考察

三重県信号機折損の原因について考察


はじめに本記事は、三重県鈴鹿市の交差点で2021年2月18日に起こった信号機倒壊事件の原因について、別角度から考察したものです。

スクリーンショットは、2021年7月14日放送のNHKおはよう日本より

https://www.sankei.com/article/20210713-NKMLLJLLUBMOVLA2EO7442VZ5I/
https://www.asahi.com/articl

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新型コロナウイルス、体内に侵入したウイルス数が多いと、より危ない説

新型コロナウイルス、体内に侵入したウイルス数が多いと、より危ない説

新型コロナウイルスの記事です。

ずっと気になっていたんですが、人体の免疫細胞の数には限りがあるので、どんなにワクチンで免疫防衛力を上げても、免疫細胞の防衛力を遥かに上回る数のウイルスを体内に侵入させたら死ぬのではないか?という疑問を常々持っていたんです。

言い換えると、「感染時のウイルス侵入数には、絶対に勝てない限界値があるのではないか」ということです。人体実験するわけにはいかないので、これを

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大麻(マリファナ)規制を残すべき理由

大麻(マリファナ)規制を残すべき理由

はじめに日本において、医療用大麻の取り扱いが話題になっていますが、生物学者や医療関係者の見解としては「医療用を解禁するのは当然だが、一般の嗜好用は規制すべき」という元々の見解がようやく通ったという感想が大半です。医療用としてはモルヒネを超える薬効が期待されているので、使わない手は在りません。一方で、大麻は麻薬としては危険なので、アメリカの一部のように解禁すべきではないという理由を解説します。

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WHOにおける麻薬(特に大麻)の取り扱い

WHOにおける麻薬(特に大麻)の取り扱い

WHOと国連麻薬委員会は、いわゆる麻薬類の取り扱いの指標を定めています。厳密には、WHOが医学的立場から勧告しつつ、国連麻薬委員会が「1961年麻薬に関する単一条約」「1971年向精神薬に関する条約」において条文による定義を行っています。全文はこちら

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=97128000&dataType=0&pageNo=1

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