草笛
気持ちがぐーっと伸びる
朝のミルキーグリーンが
地平線を押し出すように
地面を広げる
恐れることは何もない
素顔のままに朝霧を受け
朝露を小指の先でそおっと掬う
美しい文字のおまじないは
みんなには内緒
日の出にそよぐ
粒子が曖昧なうちに
ささやかな言葉をあの人に
ラベンダーの蕾を一粒
上唇に乗せるように
封筒をそっと閉じて
艶やかな薄紫を添えて
豊かさは
心をほぐす時空間にあり
ふとすると
するりと霞に融けてしまう
頼りない
けれど温かい
唇をすいと抜ける
旋律のようなもの
誰かを想う
幽かな波長
青紫高らかに
唇におはようを込めて
今ひとひらを鳴らす
あたたかなご支援をありがとうございます❤ みなさんのお心に寄り添えるような詩を形にしてゆきたいと思っています。