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【書評】『深夜特急』、わたしは旅をする

この本に対して、何か文章を書こうと取り上げるも、何から書けばいいのかがよくわからない
書きたいことが溢れ、収集がつかなくなってしまうからだ

日本の紀行文学を確立させた、あまりにも有名な沢木さんの『深夜特急』

深夜特急=ミッドナイト・エクスプレス

香港からロンドンまでを乗り合いバスだけで走破するという、バックパッカーのバイブルで、これまでわたしが訪れ、泊まってきた海外のユースホステルの書棚でも実際に何冊も見つけてきた

この旅の明確な年代は記されていないが、その後に刊行された『深夜特急』にまつわる沢木さんのいくつかの書籍では、1970年代の初め、しかもおそらくは1973年の約1年半の旅の記録になるはずだ

これまで繰り返し何度も読んできたが、しかしその時代の古臭さが一切ないということに驚く・・・

2022年の現在から逆算すると、50年前―およそ半世紀前の旅の記録になるのだ

一冊の書籍が、時を経て【名著】、【名作】と呼ばれるに至るには、きっと人それぞれなのだろうが、沢木さんはこの一冊に若者と旅の永遠の普遍性を描き出し、それは時を経ても朽ちることがない

繰り返し何度も読んで来たが、初めて読んだ20代の頃はいわば『アジア編』に魅了されてきたが、それが年をとるにつれて『中近東編』になりまた『アジア編』に戻り、近年では『ヨーロッパ編』を拾い読んでいる

もしもわたしが死んで棺桶に入る際は、この一冊、しかも文庫本ではなく、ノンフィクション全集の『ミッドナイト・エクスプレス』の分厚い一冊を入れて欲しいと願うところ











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