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■地方移住

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#歳時記

ZINE「わたしの移住歳時記」通販受付中です

ZINE「わたしの移住歳時記」通販受付中です

7/28に発売したZINE「わたしの移住歳時記」の通販を受付中です。

中身チラ見せのパラパラ動画もあります。

こちら↓のリンクから、7本のエッセイ、ショートエッセイを試し読みできます。

どうぞご覧になってください。

⑥ZINE『わたしの移住歳時記』より「鰆」

⑥ZINE『わたしの移住歳時記』より「鰆」

    香川に来て最初に「美味しい」と思った魚がサワラだった(正式には「サゴシ」と呼ばれるサワラの幼魚)。全国的に水揚げされているものは、黄海、瀬戸内海でそれぞれ産卵する系統に分けられるという。古くは西日本がメインだったが、現在では全国で見られるようになったらしい。

  四月末、瀬戸内海でサワラ漁が始まると、スーパーには「サワラの押し寿司」(扇形の型で抜いたすし飯の上に酢じめにしたサワラや具材を

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⑤ZINE『わたしの移住歳時記』より「錦鯉」

⑤ZINE『わたしの移住歳時記』より「錦鯉」

  大勢の観光客がしきりにシャッターを切っている。「何を撮っているんだろう」と手元を覗くと、まるで絨毯を広げたかのような色とりどりのニシキゴイが無数に集まっている。「なーんだ、ニシキゴイか」とがっかりして通りすぎつつ、思い返す。初めて栗林公園のニシキゴイを見た時、カメラを向けずにはいられなかったことを。「当たり前」ができるとは、なんと贅沢で散慢なことか。

  栗林公園には七〇〇匹以上のニシキゴイ

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④ZINE『わたしの移住歳時記』より「蓮」

④ZINE『わたしの移住歳時記』より「蓮」

  栗林公園で一番好きな場所はハス池だ。栗林公園の四季がハスという植物の面白さを教えてくれたと言っても過言ではない。

  秋冬はカラカラに末枯れていて「もう二度と咲かないんじゃないか」と不安になるくらいの荒廃ぶりを見せるのに、夏を迎えるとあっという間に葉がのび、見事なピンク色の花を咲かせる。だから、秋冬のがらんとしたハス池も好きだし、春夏の「いよいよこれから」という空気に満ちたハス池も好きだ。し

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③ZINE『わたしの移住歳時記』より「金目鯛」

③ZINE『わたしの移住歳時記』より「金目鯛」

  地元には帰らず香川で出産した。コロナ流行下だったこともあり、家族とは陣痛による入院の時点で別れなければならず、以後退院まで一度も会えなかった。難産だったこともあって、つらく寂しい孤独な出産となった。加えて、出産で尾てい骨を痛めたことから、産後二日くらいはほぼ寝たきりで、子供の世話もほとんどできなかった。この顛末はブログに詳しく書いているので、もしよろしければご覧いただきたい。

  移住先での

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ZINE『わたしの移住歳時記』試作品ができました

ZINE『わたしの移住歳時記』試作品ができました

こちらの記事でご紹介していた通り、

今回は予算の関係もあり、全編モノクロ印刷です。ですがその分、ボリュームのある仕上がりとなっており、A5版で二段組み、80ページくらいあります。

季語をめぐるショートエッセイが60本ほど収録されています。また、これまで発表した俳句をそのところどころに添えています。

文学フリマ香川にて販売予定です。
価格は800円に設定しようかと思います。

その後、通販を行

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2024/7 ZINE『わたしの移住歳時記』刊行予定

2024/7 ZINE『わたしの移住歳時記』刊行予定

2024/7/28開催の文学フリマ香川に出店します。四国初の開催!入場無料です。

新刊(予定)についてのご紹介を少し。

わたしは東日本で生まれ育ちました。

三年前、西日本の中でも四国に位置する香川県へ引っ越してきたことによって、これまで当たり前だと思ってきた身の回りのもの、例えば、草花にしても、食べ物にしても、習俗にしても、それらがこれまでとは全く別の一面を見せる場面が増えたように感じました

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わたしの移住歳時記 夏の思い出

わたしの移住歳時記 夏の思い出

関東から四国(香川)に引っ越してきて、季節の感じ方も少し変わった気がします。

2023年夏の思い出を3つの季語で振り返ります。

白靴2023年の夏は岡山に用事があったので、「青春18きっぷ」を使い何度も瀬戸大橋をわたった。最初は興奮していたが、3回目4回目ともなると橋や海をわたることに慣れてきてしまった。観光客とおぼしき人たちがいっせいにスマホカメラを掲げる様子を、観光客だったことなど一度もな

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